プロローグ
コンピューターと精神の繋げる技術が出来たのは3年前の事。
脳派をスキャンし、5感を仮想世界に繋げさせることで活動することが可能となる。
これをきっかけにVRは猛スピードで進歩し、たった3年でVRでゲームが出来るようになった。
そして3年後ーー
初となるゲーム、Fairy Wing Online(略してFWO)のβテストを行うと発表された時は国単位での騒動が起き、皆の期待を物語る。
応募人数1億人に対して、βテストの募集人数は3000と少なかったが、俺、寺崎詩音は見事当選。
期待に胸を踊らせ、βテストを待っている。約一時間後だ。
「状況説明はこんなもんでいっか......って誰に説明してるんだろ...楽しみすぎて頭おかしくなったか?」
なんて、訳のわからない事言ってんだろうな。とりあえず先週届いたVRマシンをセットし、電源をつける。
『VRマシンの初回セットアップを開始致します。』
無機質な声と同時にシステムウィンドウがでできて、名前の入力を要求される。
「ニックネームでいいのか?」
『はい、構いません』
高度なAIだなぁ。ニックネームか......とりあえずシオンで良いだろう。
『次に脳派をスキャンします。安定した姿勢を3分維持してください』
次は脳派のスキャンか。よし、ベッドにでも寝るかな。
『...............脳派のスキャン、完了致しました』
完了か。3分って意識して待つと意外と長いんだな。
『ソフトを起動します。タイトル:FWO。よろしいですか?』
半透明のディスプレイにYESとNOが表示される。もちろんYESだ。
YESに触れた瞬間、いきなり視界が白く染まり、思わず目を瞑る。
恐る恐る目を開けると、1人の男性がいた。
『FWOの世界にようこそ!私の名はシャネル。あなたの案内役を務めさせて頂きます』
機械的な声ではない、人間の声だった。
「おう、よろしくな」
一応挨拶をしておく。人間関係は挨拶からって言うからな。人間かどうかは別として。
『はい、ではニックネームをつけてください』
目の前にキーボードが出てきた。これに入力すればいいのか。
「ま、シオンでいいだろう。シオンっと」
enterを押し、名前を確定させる。キーボードがフッと消えた。どうなっているんだろうか。
『名前が決まったようですね!次は容姿です!現実の物を使いますか?』
また半透明なディスプレイがでる。YESかNOか選ぶときにでるんだな。
「んー......ま、YESかな」
『畏まりました!次は種族です!5つの中からお選びください』
種族か。お、それぞれに特徴があるようだな。一応全部見ておこう。
人間...全てのステータスが平均的。特殊技能は特になし。
妖精...STRが低めでINTが高い。特殊技能は精霊魔法。
獣人...HPとSTRが高く、MPとINTが低い。特殊技能は特になし。
竜人MPは0だが、それ以外のステータスは優秀。特殊技能は飛翔。
ランダム...この4つからランダムで選ぶ。これら以外の高位種族がでる確率がある。
ランダムってなんか面白そうだな。
「ランダムにする」
『おおっチャレンジャーですねー。では、ランダムに決定致します!』
ルーレットが現れ、回り始める。
『さてさて、シオンさんの種族はー?.........神人です!』
お、なんか凄そうだな。特殊技能はなんだろう。
『神人のステータスは全種族の中で1番です!そして特殊技能はテイム!モンスター1匹を仲間にできます!』
なんつー壊れ性能......大丈夫なのか...?
『大丈夫です。なんてったて神人がでる確率は0.001%ですからね』
心読まれた!そして俺運良すぎ!
『次に武器を決めて頂きます』
武器かなにがあるのかな。
あ、ディスプレイが出た。結構数あるな。
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通常武器 ユニーク武器
(種族限定武器)
短剣 二刀流
片手剣 弓
両手剣
太刀
片手斧
両手斧
槍
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「うん、即決。二刀流で。」
『畏まりました!これで初期設定は終わりです。心行くまでFWOをお楽しみ下さい!』
その言葉を最後に俺の視界はホワイトアウトした。