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趣味

手持ちの金で剣が買えないと分かったオレは、あっさりと諦めて別の目的に向かって歩き出した。

金も手に入ったし、魔法のピンで色んな場所に赴いて旨いものを食ってやろう。


魔法の扉を潜って自分の部屋に戻る。

海沿いの場所に別の街を見つけると、そこに魔法のピンを刺した。

適当な店に入って魚料理に舌鼓を打ちつつ、情報収集の為に店主に話しかけた。


「・・・あぁ、美味しかったです。ところで、この街以外で食べ物がおいしい所を知りませんか?」

「うーん。海産物の種類と新鮮さでは、このサンディアの街の右に出る街はありませんが、それ以外の美味しいものが食べたいのなら、城塞都市ボルグなんてどうです?」

「ボルグ?」

「魔王の領地に最も近い街だけあって、沢山の冒険者や軍隊が集まっているんで、その人たちを目当てに各地から様々な食べ物が集まってるらしいですよ」


地図でボルグの大体の場所を確認すると、早速オレは魔法のピンでボルグに向かった。

店主の言うとおり、屈強な兵士たちが行き来している。

そういえば、魔王の領地の近くなんだよな。ここって。

魔王とか本当に居るんだ・・・。なんて考えていると、食べ物屋を見つけた。

中を覗いてみると、ほぼ満席で給仕が忙しそうに走り回っている。


なんか・・・旨そうな店だな。


そう思ったオレは迷わず店に入る。

隣の兵士らしき男がギロリと睨んできたが気にしない。

暫く待っていると、給仕がメニューを持ってやってきた。

書いてあることは解るが、どんな料理なのかが解らないので、適当に一番上に書いてあるキディングという料理を指さす。一品7ゴルだ。


「坊主みたいなのが一人で、こんな店に来るなんて珍しいな」


そう話しかけてきたのは、先ほど睨みつけてきた兵士風の男だ。

どうやら、睨みつけてきたのではなく、元々、そう言う目つきらしい。

意外と話せそうなので、キディングと言う料理について聞いてみる。


「キディングを知らねぇのか?卵と小麦を練った生地を焼いた上に色んな具が乗っててな、この店一番人気の料理だ。まぁ、俺ぁ、このマッキブが一番だがな」


そういう男が食べている料理を見る。

かつ丼だ。あれは、かつ丼にしか見えない。

じーっと見ていると、視線に耐えかねた男はカツの一切れを皿に乗せて、こちらに押しやってきた。


「少し分けてやるから、そんなモノ欲しそうな顔するもんじゃねぇや」


礼を言いつつ、手でつまんで口に運ぶ。

・・・旨い!

味の染み具合が半端ない。

肉汁と共に濃厚な旨味が染み出してくる。


そうしていると、キディングが運ばれてきた。

キッシュとかピザの様な見た目の食べ物だ。

こちらも美味い。

どうやら、この店は当たりのようだ。

次もこの店に来よう。次はマッキブを頼むんだ。


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