警部の捜査記録 その2
久保敏の供述
16:45頃に近くのスーパーに買出に出かける。
買い物を終える頃、沖田真治より着信。306室の状況を知る。
(スーパーフジシゲのレシート印字時刻17:27、携帯通話履歴17:23)
17:40頃 101室の自宅に戻る。
隣の管理人室に入り、金庫からマスターキーを出しエレベーターで3Fへ。
1Fエレベーターに乗込む際、近藤琢磨(CATV工事士)と入れ替わる。軽く会釈しつつ、近藤、なにやら忙しそうに外へ走っていく。
17:45頃 306室訪問。白井を連れエレベーターで斉藤宅へ。
*合鍵でドアを開ける際、既にドアは施錠されていないことに気づく。
白井が先に入室。
誰かいないか声をかけながら、薄暗いため、廊下、リビング、浴室側照明をつける(指紋検出済)
リビング、浴室へのドアから水溜りができている。その手前ぐらいに落ちていた枯れた桜の花びらに目が留まったと供述。(証拠品No.32確認済)
脱衣室に入り、洗面台蛇口をしめる。
白井の携帯に着信。白井、電話に出る。何を話しているかは、分からなかったと供述。
ベランダ側ガラス戸を開け、管理室倉庫から掃除道具を持ってくると話した。その直後、白井が悲鳴を上げる。
白井が浴室から転がり出るように這ってくる。何事かと思い、浴槽を覗き、遺体を発見する。
事件性を感じ、まず、警察に通報することを考えたと供述。
携帯を自宅に忘れたため、一度自宅に戻ることを白井に説明する。
次に、事件現場を荒らさないよう。放心状態の白井を抱き上げ、極力何も触らないように、玄関外まで白井を運んだ。
白井に、一緒に来るか尋ねたが、しゃがみこみ、首を横に振るだけだったので、仕方なく、すぐ戻ると伝えてエレベーターで1Fへ。途中、エレベーターが2Fで止まり、近藤が乗込む。
近藤が『どうかしましたか』と尋ねてきたので、事情を説明し、同行してもらえないかお願いした。少し考えた様子だったが、近藤了承する。
警察への通報時刻:18:14(久保の自宅固定電話より)