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俺のスキル【配信】、コメント欄が戦国武将だった~秀吉の教えでどん底から成り上がる~  作者: 清松
第一章 曇天に差し込む光

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秀吉さんが入室しました

良質な秀吉作品を接種してて自分も何か書きたくなり投稿しました。

秀吉は敵でも魅力的ですが個人的に一番好きなのは味方の頼りになる秀吉。

理屈ではなく感情で一番の味方になってくれる秀吉がコンセプトになります。

お付き合い頂ければ嬉しいです<m(__)m>

「真、悪いがお前とはやってけねえわ。他のパーティを探してくれや」


 白けた目でリーダーが告げる。


(――理由は明白だ。俺が弱いから)


 これで五組目。

 最初よりショックは少ないけど慣れるようなものではない。


(……一応、何もないってわけでもないんだがな)


 俺にはスキルがある。

 【配信】という、意味の分からないスキルが。

 視界の端には「配信中」の文字とチャット欄。

 だが――視聴者は、たった一人だけ。


「お世話になりました。ありがとうございます」


 本当は言葉を発するのも辛い。

 けど世話になっておいて感謝の言葉も言えないような不義理な男にはなりたくない。


「……ああ。まあ、何だ。頑張れよ」

「はい」


 再度頭を下げて酒場を後にする。

 見上げた空は俺の心を映しているかのような曇天だった。


(もう半年になるのか)


 通学路で眩暈に襲われたと思ったら気付けば見知らぬ場所に居た。

 ラノベとかでよくある異世界転移。

 読むだけならまだしも経験した身からすれば地獄以外の何でもない。


(読み書きも出来ない浮浪者。就ける職なんて限られてる)


 食うために飛びついた職業は冒険者。だが上手くいってないのが現状だ。

 魔法は使えない。体力も並以下。度胸もイマイチ。

 ゲームのようにレベルがある世界だが、俺は未だに1。


(こんなお荷物抱えたくないよな)


 それでも、五組のパーティには感謝している。

 短い間とはいえ世話になったのは事実だ。

 これからどうしようか。


(……まあでも、一人じゃないって思うと心強いよな)


 視界の端のチャット欄を見る。

 ずっと無言のままの視聴者数「1」。


(どこで、誰が見ているのかも分からない)


 それでも――ゼロじゃない

 再度、空を見上げる。変わらず曇天。

 気が滅入ってしまいそうな曇り空だけど、


(まだだ。まだ終わってない)


 風呂には入れない。

 ご飯はお腹いっぱい食べられない。

 寝床は野晒しよりはマシという程度。

 衣食住どこを取っても劣悪の一言だがそれでも俺の心臓は動いている。


(足掻く)


 この心臓が鼓動を止めるその時まで泥水を啜ってでも足掻き抜く。


(――――諦めるにはまだ早い)


 誰に聞かせるでもない自分を勇気づけるための言葉。

 そう、そのはずだったのに。


(え)


 ぴろん、と気の抜けた音が聞こえた。


【@Super_monkey さんが入室しました】


 視界の隅。チャット欄に入室メッセージが表示されていた。


(@Super_monkey……す、スーパーモンキー……?)


 え、猿? 猿が見てんの俺の配信?

 いや冷静に考えればそういうHNなんだろうけど異世界だからなあ。

 マジで本物の猿が見ている可能性もなきにしもあらずなのでは?

 そんなことを考えているとメッセージが打ち込まれた。


>@Super_monkey

そうじゃ。まだまだ。まだまだよ。諦めるにゃあ早過ぎるわい。

明るい展望なんぞ何一つありゃあせん。それでも、それでもじゃ。

虚勢だろうが何だろうがまだだと言えるならおみゃあの道はまだ続いとる。


(いや……えっと、どちら様……?)


 すっごい励ましてくれるじゃんね。

 止めてくれよ。優しい言葉かけられると好きになっちゃうだろ。


>@Super_monkey

やることもねえしと何なしに眺めとっただけなんじゃがのう。

おみゃあを見とると昔を思い出しちまったわい。世界が違えど空は一緒じゃあ。

儂もおみゃあと同じだでよ。泣きたくなるような灰色の空を知っとる。

だからこそ、助けてやれる。


(助け、る?)


>@Super_monkey

飯を恵んでやれるわけでもねえ。

みょうちきりんな化け物との戦いを代わってやれるでもねえ。

じゃが口は出せる。口だけと侮るでねえぞ?

儂ぁ尾張中村の百姓から口先一つで天までのし上がった男よ。異世界だろうが何するものぞ!


 文字だけだというのにどうしてだろう。


>@Super_monkey

――――儂がおみゃあをどん底から成り上がらせちゃる!!


 万の味方を得たような安心感があった。


「……ッ!」


 じわりと涙が滲む。

 一人じゃないとは言ったが正直、強がりな部分もあった。

 でもこのメッセージを見て一気に心が弾んだ。


(俺は、独りじゃないんだ)


 初めて――本当の意味でそう思えた。

今日はこのまま一時間ごとに一話ずつで計五話投稿します。

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