⭕ 攀盖の都 1
──*──*──*── 3ヵ月後
マオ
「 ──いよいよ、1つ目の関所がある≪ 都 ≫に到着するんだな~~。
3ヵ月かぁ……結構、掛かったよな 」
セロフィート
「 神将の解放を優先してますし 」
マオ
「 面倒な場所に封印されてるんだもんなぁ~~。
でもさ、無事に神将を解放出来たのはマオキノが大活躍してくれたお蔭だよな! 」
マオキノ
「 チョロい妖怪でしたエリ 」
玄奘三蔵法師
「 …………………… 」
マオ
「 玄奘さん、疲れてるみたいだし、≪ 都 ≫に着いたら直ぐに宿屋を探さないとな 」
セロフィート
「 その心配はないです。
セノコンが宿泊する宿を用意してくれてます 」
マオ
「 宿屋を探さなくて良いのは有り難いよな!
≪ 都 ≫にはどのぐらい滞在するんだ? 」
セロフィート
「 玄奘さんの体調次第です。
セノコンが用意してくれる宿屋には温泉があります。
暫くは温泉を堪能しながら養生してください。
観光を楽しむのも旅の醍醐味です 」
マオ
「 キノコンの目が光ってる≪ 都 ≫なら、玄奘さんが狙われる心配もなさそうだな! 」
マオキノ
「 怪しい輩は正門で捕らわれますエリ。
毒殺犯も錫杖を盗んだ犯人も正門で逮捕エリ! 」
マオ
「 うんうん。
玄奘さんの安全を確保する為にも怪しい輩は始末しとかないとな! 」
玄奘三蔵法師
「 ………………申し訳無い…………。
馬の背に跨がっているだけなのに………… 」
セロフィート
「 気に病んではいけません。
乗馬は身体に負荷が掛かるものです。
足場の悪い場所が続いた事も疲れの原因です 」
マオ
「 玄奘さんの場合は、歩くより馬に任せて良かったんだよ。
神将を解放するのに気力をゴッソリと持ってかれるなんて知らなかったもんな!
歩いてたら神将の元に着いた時には体力が尽きてたと思うし、解放する処じゃなかったよ 」
マオキノ
「 あんな場所で1泊したら三蔵は死んでますエリ~~ 」
マオ
「 だよな……。
( 玄奘さんは人間だもんな…… )」
セロフィート
「 日が暮れる前には≪ 都 ≫に着けるでしょう。
もう5時間の辛抱です 」
マオ
「 5時間も歩くのかよ…… 」
マオキノ
「 マオ様!
ボクの笠の上に座ってくださいませエリ! 」
マオ
「 え……遠慮しとくぅ~~~~ 」
マオキノ
「 何故ですエリ~~!? 」
マオ
「 大事な御世話係りの笠の上に座るなんて出来る訳ないだろ。
マオキノは椅子じゃないんだからさ 」
マオキノ
「 エリ~~…………。
マオ様の負担を減らしたいだけですエリ~~ 」
マオ
「 泣くなよぉ~~!
オレはマオキノを大事にしたいんだ! 」
マオキノ
「 マオ様ぁ~~~~!!
ボクを大事にしたいなら、ボクの笠に座ってくださいませエリ!!
ボクはマオ様の足になりたいですエリ!! 」
マオ
「 えぇ~~………… 」
セロフィート
「 マオ、マオキノが望んでいます。
座ってください 」
マオ
「 セロ………… 」
マオキノ
「 マオ様が落ちない様に大きくなりますエリ♥️ 」
マオキノは1体の分身体を出して、〈 馬人形 〉の背中に乗せると嬉しそうに全身を巨大化させた。
セロがオレを軽々と持ち上げる。
オレは気が進まないけど、マオキノの笠の上に座る事にした。
巨大化したマオキノの笠の上は座布団よりも座り心地が良い。
歩かないで済むのは楽で有り難いけど、代わりに何か大事なモノを失った気がして止まない。
オレを笠に乗せてるマオキノは御機嫌だ。
──*──*──*── 5時間後
漸く最初の関所の在る≪ 都 ≫に到着した。
≪ 都 ≫の名前は “ 攀盖 ” って言うらしい。
マオキノ
「 “ 攀盖 ” は牛魔王の名前らしいですエリ 」
マオ
「 えっ、そうなんだ?
牛魔王ってのが名前じゃないんだ? 」
セロフィート
「 6つ子なのですから名前くらい有るでしょう。
全員の名前が “ 牛魔王 ” だとややこしいでしょうし 」
マオ
「 それもそっか。
“ 牛魔王 ” って呼んで6体が振り向いたら、確かにややこしいよな。
──マオキノ、≪ 都 ≫に着いたしさ、降ろしてくれないか?
宿屋まで歩くよ 」
マオキノ
「 駄目ですエリ!
ボクはマオ様の足ですエリ!
宿屋に着く迄は降ろしませんエリ! 」
マオ
「 いや、だってさ……人目も有るし、恥ずかしいし……(////)」
マオキノ
「 羞恥心に耐えるのも修行ですエリ♪ 」
マオ
「 何のぉ?! 」
セロフィート
「 入りましょう。
迎えのキノコンが待っている筈です 」
そんな訳でオレ達 “ 三蔵法師御一行 ” は≪ 攀盖の都 ≫の正門を通った。
──*──*──*── 攀盖の都
玄奘三蔵法師
「 随分と賑わっていますね。
日が暮れる前だと言うのに活気がみなぎっていますね 」
キノコン
「 三蔵法師御一行様の到着を心待ちにしていましたエリ。
滞在される間の宿屋へ御案内させて頂きますエリ 」
セロフィート
「 頼みます。
宿屋に着いたら、ワタシはセノコンと会います。
マオは玄奘さんと行動してください 」
マオキノ
「 ボクが確りマオ様と三蔵の動向を監──見守りますエリ! 」
マオ
「 今、“ 監視 ” って言おうとしたよな? 」
マオキノ
「 気の所為ですエリ 」
マオ
「 絶対に気の所為じゃないだろ~~ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
お喋りは歩きながらしてください 」
マオ
「 あ、うん…… 」
宿屋へ案内してくれるキノコンは宿屋の宣伝をする為なのかハッピを着ている。
ハッピの後ろには≪ 日本国 ≫では、お馴染みの温泉マークが刺繍されている。
そう!
プリントじゃなくて刺繍されているんだ!
無駄に手が込んでるな~~。
キノコン
「 三蔵法師御一行様に御宿泊して頂きます宿屋は、≪ 攀盖の都 ≫唯一の温泉宿ですエリ。
何処の≪ 都 ≫にも温泉宿が在りますエリ。
≪ 都 ≫に滞在する間は温泉宿に御宿泊してり頂く事になりますエリ 」
マオ
「 ≪ 都 ≫に着く度、温泉宿にタダで泊まれるなんてラッキーだよな! 」
キノコン
「 ──此方が御宿泊して頂く温泉宿ですエリ 」
玄奘三蔵法師
「 こ……これは随分と立派な宿ですね 」
マオ
「 宿…………なのかな、これぇ? 」
随分ときらびやかで豪華絢爛な宿屋だ。
宿泊費は高そうだな。
こんな凄く豪華な宿にタダで宿泊が出来るなんて……。
玄奘三蔵法師
「 こんなに立派な宿に泊まるのは初めてです…… 」
マオキノ
「 手続きは不要ですエリ。
直ぐに宿泊室へ御案内致しますエリ 」
セロフィート
「 ワタシはセノコンと合流します。
マオキノ、マオと玄奘さんを任せます 」
マオキノ
「 はいですエリ!
お任せくださいませエリ! 」
マオキノはセロに向かってビシッと敬礼をする。
セロは単独で宿泊宿の中へ入って行った。
キノコン
「 マオ様方、宿泊室へ御案内させて頂きますエリ 」
キノコンの案内で豪華絢爛な温泉宿の門を潜った。
──*──*──*── 温泉宿
敷地内へ入ると温泉宿のハッピを着ているキノコン達がズラリ──と並んでいてお出迎えをしてくれた。
玄奘さんは〈 馬人形 〉から降りる。
マオキノから手綱を受け取ったキノコンが〈 馬人形 〉を馬屋へ連れて行った。
漸くオレもマオキノの笠の上から降ろしてもらえた。
宿の中もマオキノの笠に座ってないといけなかったら羞恥死してた!!
因みにマオキノは普通のサイズに戻っている。
玄奘三蔵法師
「 これは見事な庭ですね 」
キノコン
「 有り難う御座いますエリ。
丹精込めて作りましたエリ。
四季を楽しめる庭園になってますエリ 」
マオ
「 温泉宿で四季を楽しめるなんて、流石キノコンだな!
玄奘さん、温泉の後は庭園を見て回ってみようよ 」
玄奘三蔵法師
「 それは良いですね。
四季というモノが何なのか分かりませんが…… 」
マオ
「 えっ、そうなの? 」
キノコン
「 マオ様、この≪ 大陸 ≫には四季が無い様ですエリ 」
マオ
「 へぇ、そうなんだな。
そう言えば、≪ エルゼシア大陸 ≫にも四季が無かったっけ 」
マオキノ
「 四季の有る≪ 大陸 ≫や≪ 島国 ≫は珍しいですエリ。
この温泉宿は繁盛しますエリ 」
キノコン
「 ガッポリ出来ますエリ 」
マオ
「 あはは~~……やっぱり “ ガッポリ ” なんだな…… 」
見事な庭園の横を通り過ぎたら宿の中へ入る。
どうやら土足厳禁の様だ。
広い玄関で履き物を脱ぐと、スリッパが出される。
宿の中は完全に≪ 日本国 ≫の旅館みたいだ。
マイナスイオンが出ているのか、気持ちが落ち着く。
──*──*──*── 宿泊室
キノコンに案内された宿泊室の中は、古き良き時代を感じさせられる和式の部屋だ。
襖ぁ!!
畳ぃ!!
障子ぃ!!
座布団!!
浴衣ぁ!!
≪ 日本国 ≫をビシバシと感じる。
玄奘三蔵法師
「 見た事のない部屋です……。
初めての筈なのに懐かしい気持ちになるのは何故でしょうか…… 」
キノコン
「 和茶と和菓子を御用意していますエリ。
庭園を眺めながら一服されてくださいませエリ。
此方は御用意させて頂きました浴衣一式ですエリ。
温泉へ行かれる時は声を掛けてくださいませエリ。
御案内させて頂きますエリ 」
マオ
「 有り難な、キノコン 」
キノコン
「 ボクは部屋の外で待機していますエリ。
ごゆるりとお寛ぎくださいませエリ 」
ハッピを着たキノコンが和室から退室した。
オレは玄奘さんを促して浴衣に着替える事にした。
玄奘さんは浴衣を着るのは初めてみたいだから、マオキノが手伝った。
玄奘さんと並んで縁側に座ると一緒に美しい庭園を見ながら和茶を飲みながら和菓子を食べる。
庭園からは水車と川が見える。
態々作ったんだろうな。
手が込んでるなぁ。
玄奘三蔵法師
「 鳥が鳴いていますね。
綺麗な鳴き声です。
心が洗われる様ですね 」
どうやら玄奘さんは温泉宿を気に入ってくれたみたいだ。
一休みして庭園を堪能したら、温泉へ行く事にした。
和室を出て待機してくれていたキノコンに案内してもらって温泉へ移動する。
温泉は庭園を見ながら入れる天然温泉らしい。
温泉の湯も何種類かあって、好きな湯に入り放題らしい。
今からテンション上がるぅ~~♪♪♪
──*──*──*── 脱衣室・浴場
脱衣室で浴衣を脱いだら浴場に入る。
庭園を間近に感じられる凄い浴場だ。
惜しみ無く源泉が出ている天然温泉。
マオ
「 すげぇ………… 」
マオキノ
「 マオ様,三蔵、お背中を流しますエリ 」
マオ
「 有り難な。
玄奘さん、温泉に入る前には髪と身体を洗うんだよ 」
玄奘三蔵法師
「 そうなのですか?
宜しく御願いします(////)」
キノコン
「 お任せくださいませエリ 」
オレはマオキノ,玄奘さんはキノコンに髪と身体を洗ってもらってスッキリしたら、好きな湯の温泉に入る。
玄奘さんは温泉も気に入ってくれたみたいだ。
余談だけど、玄奘さんの下腹部には、たいそう御立派な息子さんが付いていた。
僧侶なのにぃ!!
オレより数倍も逞しい凶器を持っていたぁぁぁぁぁぁ!!
僧侶なのにぃ!!
使わないのにぃ!!
理不尽だぁぁぁぁぁぁ!!!!




