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⭕ 晏洛の街 3


──*──*──*── 居間


マオ

「 セロ、さんぞうさん達を襲った犯人だけど── 」


セロフィート

りんれいさんです 」


マオ

「 は??

  りんれいって、3人目の旅仲間だよな?

  なんで旅仲間のりんれいさんぞうさん達を襲うんだよ? 」


セロフィート

「 目的は──錫杖の強奪でしょう 」


マオ

「 錫杖の強奪ぅ??

  なんで錫杖──あっ、ほうだからか? 」


セロフィート

「 あの錫杖はげんさつからたまわったかんぜんおんさつの錫杖です。

  錫杖にはさんぞうほうさんが旅の道中に解放したしんしょう達が宿やどっているしろものです。

  ≪ てんじく ≫を目指す僧侶を襲う人間はません。

  ぎゅう魔王さんの配下は兎も角、妖怪は僧侶を襲いません。

  錫杖を奪おうも思わないでしょう 」


マオ

ぎゅう魔王の配下だったら奪おうとするって事か? 」


セロフィート

「 そうです。

  とはいえ、錫杖を手にれても使えはしません。

  錫杖を使える者はげんさつはからいによりさんぞうほうさんだけでしょう。

  錫杖は封印されているしんしょうちかけば、さんぞうほうさんに分かるように反応するのでしょう。

  しんしょうを解放させる事が出来るのはさんぞうほうさんだけです。

  錫杖に宿やどったしんしょう達が反応するのもさんぞうほうさんだけでしょう 」


マオ

さんぞうさんにしか使えない錫杖を手にれても使えないんじゃ、奪っても意味が無いんじゃんか 」


セロフィート

「 使えなくても “ 使い道 ” は有ります 」


マオ

「 使い道ぃ?

  どんな使い道が有るんだよ? 」


セロフィート

きみが知る必要はないです 」


マオ

なんでだよぉ!

  教えてくれてもいだろが! 」


セロフィート

「 使い道が有るにしても錫杖を悪用する事は出来ません。

  錫杖を悪用すればぶつばつくだるでしょうし 」


マオ

ぶつばつくだっても構わないから悪用する奴だってるんじゃないのか? 」


セロフィート

るでしょうね 」


マオ

「 セロ、りんれいは──てっせんこうしゅが送り込んでたスパイだったりするのかな? 」


セロフィート

「 冴えてますね、マオ。

  仮にてっせんこうしゅさんがりんれいさんをさんぞうほうさんの仲間として送り込んだとしましょう。

  だと思います? 」


マオ

「 えぇ~~~~ 」


セロフィート

わざ(わざ)、毒を仕込んだ短剣でさんぞうほうさん達を襲い、毒殺してまで錫杖を奪い、逃走した理由です 」


マオ

「 錫杖が欲しかった……からだろ? 」


セロフィート

でしょう? 」


マオ

ぇ?! 」


セロフィート

さんぞうほうさんにしか扱えない錫杖を欲しがりました?

  なにが目的なのでしょう?

  錫杖を使うのが目的ならば、さんぞうほうさんごと連れ去ればい事です。

  にも関わらず、犯人は錫杖を使える唯一無二のさんぞうほうさん迄も毒殺し、錫杖のみを奪い去りました。

  だと思います? 」


マオ

「 えぇ~~………………。

  錫杖がさんぞうさんにしか使えない事を知らなかった……とか??

  錫杖さえ手にれてしまえばいんだ──って勘違いしてた……とか?

  単純に錫杖を売ればカネになると思って、突発的に起こした事件とか?? 」


セロフィート

「 毒を仕込める短剣を使った犯行は、突発的に起こした事件とは言えません。

  短剣に毒を仕込む為には、毒を調達しなければいけません。

  明らかに計画的な犯行です。

  3人を毒殺し、錫杖を奪う計画を決行するのか、機会を伺っていた──という事です 」


マオ

「 もしかして、てっせんこうしゅは錫杖の存在は知っていけど、さんぞうさんしか使えない事は知らなかったかも知れないよな?

  だから、確実に錫杖を手にれる為に持ち主のさんぞうさんが邪魔だったから、3人まとめて殺害するように指示を出していた? 」


セロフィート

「 それも有り得るでしょう。

  しんしょう宿やどっている不思議な錫杖です。

  てっせんこうしゅさんは錫杖を手にれて迄、なにをしたいのでしょう? 」


マオ

てっせんこうしゅが錫杖を使ってしたい事?

  ──あるのか、そんな事が? 」


セロフィート

「 マオ、この≪ 大陸 ≫で問題になっている事はなんでしょう 」


マオ

「 えぇと………… 」


マオキノ

「 ………………。

 { セロ様ぁ~~。

   ボク、マオ様のオツムのり無さが心配になってましたエリ… }」


セロフィート

「{ 心配性ですね、マオキノ。

   は楽しむところです }」


マオキノ

「{ さす、セロ様ですエリ!! }」


マオ

「 妖怪が狂暴化して人間を襲ってる事かな? 」


セロフィート

「 そのとおりです。

  では原因はなんでしょう 」


マオ

「 原因は…………てっせんこうしゅが始めたぎゅう魔王の蘇生実験……でいんだよな? 」


セロフィート

「 そうです。

  おおかたぎゅう魔王さんの蘇生実験の原動力にでも使うつもりなのでしょう。

  今迄にも手を尽くし、さま(ざま)な方法は試した事でしょう。

  ですが、ぎゅう魔王さんの蘇生実験を約40年も続けているにも関わらず、いまだになんの結果も出ていないようです 」


マオ

「 40年も経ってから、錫杖の存在を知ったんだな? 」


セロフィート

さんぞうほうさんはだ若いので、知ったのは最近かも知れません 」


マオ

「 仮にだよ、蘇生実験の原動力に使うとしても、さんぞうさんがないとしんしょう能力ちからを発揮してくれないんだろ?

  意味無いじゃんか 」


セロフィート

「 そのとおりです。

  カレは自分達がに無駄な事をしているのかまったいてません 」


マオ

「 仮にりんれいさんぞうさん達を毒殺して、錫杖を奪って逃げた犯人だったとしてだ。

  手にれた錫杖が目の前から消えたら──、また錫杖を奪いにるんじゃないのか? 」


セロフィート

かで再会はするでしょうね。

  ですが、錫杖をさんぞうほうさんから奪う事は出来ません 」


マオ

なんでだ? 」


セロフィート

「 錫杖には防犯魔法を掛けました。

  さんぞうほうさん以外が錫杖にれるた場合、〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換するようにしました。

  これで錫杖が再度、奪われる事も無いです 」


マオ

「 セロぉ~~~~ 」


セロフィート

しん(諸天善神)ぶつ(,諸菩薩)ほう便べんしん宿やどっている錫杖が心無い者に悪用されるのを黙って見過ごす事は出来ません 」


マオ

「 オレ、さんぞうさんが錫杖を使う所を見てみたい!

  ≪ てんじく ≫に到着する迄にあちこちと寄り道する事になりそうだな 」


セロフィート

「 楽しみましょう。

  ワタシも封印されているしんしょうが解放される瞬間を見たいですし 」


マオ

「 オレも見たいよ。

  でもさ、なんしんしょうは≪ 大陸 ≫のあちこちに封印されてるんだろう??

  そういう謎も旅の最中に解明出来たりするのかな? 」


セロフィート

「 どうでしょう?

  なみ(なみ)ならぬ事情が有る事は確実です 」


マオキノ

「 セロ様──、ぎゅう魔王の蘇生実験を阻止する事が出来たら、妖怪はしょうに戻りますエリ? 」


マオ

「 そうだよな。

  さんぞうさんの目的は、げんさつから託されたかんぜんおんさつの錫杖を使って≪ 大陸 ≫のかに封印されてるしんしょうを解放して、錫杖とともに≪ てんじく ≫に持ってく事だよな?

  ≪ てんじく ≫に入国する為には、6つぎゅう魔王達がおさめてる≪ 都 ≫に寄って関所を通過したあかしのスタンプを6つ集める必要が有るじゃんか。

  ≪ 都 ≫は狂ったぎゅう魔王やぎゅう魔王の配下達に依って大変な事になってるらしいじゃんか?

  ちゃんとスタンプを押してもらえるのかな?

  3ヵ所目までの関所は諦めるとしてもさ、蘇生実験をちゅうさせれば、妖怪達が元に戻ってだよ、4ヵ所目の関所からはラクとおれたりしないかな? 」


マオキノ

「 セロ様ぁ…… 」


セロフィート

「 仮にぎゅう魔王さんの蘇生実験を阻止する事が出来たとしても、豹変しまてしまった妖怪達をしょうに戻す事は出来ないでしょう。

  錫杖にもしんしょうにも妖怪達をもとに戻す能力ちからはない筈です。

  ぎゅう魔王さんも配下達も立ちはだかり妨害するなら倒すしかないです 」


マオ

「 マジかぁ~~!!

  しんどいなぁ~~~~!!

  なんで戻せないだ?

  古代エンシェント魔法マジックなんとか出来ないのか? 」


セロフィート

「 そんな都合の古代エンシェント魔法マジックは無いです。

  万能ではない事を忘れないでください 」


マオ

「 …………………………はぁ……前途多難だな…… 」


マオキノ

「 セロ様──、ぎゅう魔王がおさめる≪ 都 ≫の制圧をキノコンにめいじたくださいませエリ! 」


マオ

「 マオキノ?! 」


マオキノ

「 キノコンなら出来ますエリ!

  セロ様,マオ様がラクに関所を通過する為にキノコンを使ってくださいませエリ! 」


 マオキノがする訳じゃないのに、めちゃくちゃる気だな~~。

 ぎゅう魔王が不憫でならない。

 ぎゅう魔王だって、蘇生実験の被害者なのにな。

 とんだだよ……。


セロフィート

いでしょう。

  キノコンには6つの≪ 都 ≫の制圧をめいじます 」


マオキノ

がとう御座いますエリ!

  光栄のきわみですエリ! 」


セロフィート

「 妖怪は食べても構いません。

  ぎゅう魔王さんの肉は食材として利用しましょう。

  キノコンには同時刻に各≪ 都 ≫を襲撃させます 」


マオ

ひどいな。

  蹂躙でもさせる気かよ。

  とんでもないはなしになった! 」


セロフィート

「 敵対するぎゅう魔王さんと配下の妖怪達をキノコンがまえもって始末をすれば、僧侶が妖怪達から襲われる事件も減るでしょう。

  いくぶんか旅もし易くなる筈です 」


マオ

「 それはたしかにけど……。

  まぁ、いっか。

  “ ぎゅう魔王 ” って事はさ、うしの姿をした妖怪なんだよな?

  ビーフステーキとかビーフシチューとかローストビーフとか、色んな牛肉料理が食べれるようになるんじゃないか?

  オレもぎゅう魔王ステーキが食べたいな~~ 」


セロフィート

「 屋台を出してもいですね。

  ぎゅう魔王さんの肉がなら、〈 (原質)(みなもと) 〉で構成し、名物として広めてもいでしょう 」


マオ

ぎゅう魔王の肉でガッポリ儲けるんだな。

  いかも!

  楽しみになってたな! 」


マオキノ

あじテロの次は、飯テロしますエリ。

  料理の力で≪ 都 ≫を復興再生させますエリ!

  6つの≪ 都 ≫をセロ様に献上しますエリ!! 」


セロフィート

「 ふふふ。

  キノコン達の活躍に期待するとしましょう。

  マオキノは、このままマオとワタシの旅に同行しなさい 」


マオキノ

かしこまりましたエリ!

  さんぞうほうの体調管理は御任せくださいませエリ! 」


マオ

「 セロ、マオキノがオレ達に同行してくれるならセノコンはなにするんだ? 」


セノコン

ぎゅう魔王を捕獲し、各≪ 都 ≫を制圧する為の最高指揮官を任命します 」


マオキノ

「 セノコンがリーダーなら今回もチョロいんちゃんですエリ! 」


マオ

「 セノコンってさ、どんどんセロにてきてるから容赦ないじゃん。

  慈悲の欠片もいだかず、手加減もしないよな?

  こっそり人間を摘まみいしたりしないかな?? 」


マオキノ

「 大丈夫ですエリ!

  未来の≪ 都 ≫をになう子供達は手厚く保護してべませんエリ★ 」


マオ

「 子供以外はべるのかよ? 」


マオキノ

「 摘まみいは、モチベーションを上げる為には必要不可欠な儀式ですエリ。

  大目に見て頂きたいですエリ~~ 」


マオ

から儀式に昇格したんだ……。

  摘まみが正当化されてないか? 」


セロフィート

「 マオ、摘まみいくらい大目に見る寛大さを持ってください。

  セノコンもおのれの立場をわくまえて行動します。

  信じる勇気を持ってください 」


マオ

「 セロはセノコンの摘まみいを許すんだな~~。

  セノコンはセロの御世話がかりだもんな。

  オレは口出ししないよ! 」


セロフィート

「 宜しい。

  各≪ 都 ≫への襲撃とともに制圧はみょうちょう、開始しするとましょう 」


マオ

「 行動が早いな~~。

  今日きょう話してよくじつに即決行なんて、さすだよ 」


マオキノ

「 セロ様に惚れちゃいますエリ~~♥️♥️♥️

  エリエリエリエ~~リ~~♥️♥️♥️ 」


 マオキノが物凄く喜んでるなぁ~~。

 ぎがんとカワユスぅ~~~~♪♪♪♪

◎ 訂正しました。

  牛魔王 ─→ 牛魔王さん

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