✒ 天竺を目指して 3
弓弦さん,幻夢さんが、セロの転移魔法で≪ 日本国 ≫に在る裏野ハイツへ帰った後、見送り会は続行していた。
マオキノがマオキノ達と腕を振るい作ってくれた美味しい料理が未々残っていたからだ。
猪八戒さんと孫悟空は、膝を付き合わせて料理を堪能している。
お酒の代わりに色んな種類の和茶の入った魔法のティーポットが用意されている。
キャンプでの飲酒はマオキノに依って禁止になったからだ。
飲酒が許されるのは、宿屋に宿泊する場合のみとなったんだ。
お酒が大好物の孫悟空は不満をマオキノに伝えて抗議をしたんだけど──、2%の力を出したマオキノからデコピンを1発食らっただけで、孫悟空はマオキノに平伏した。
たったの2%の力を出したマオキノに、≪ 仙人界 ≫から追放された手の付けられない暴れ者だった孫悟空がボロ負けした訳だ。
キノコンって果てしなく強いんだな。
オレの眷属になっていた恩恵で不老不死になっていたから死ぬ事は無いけど──、人並みに痛みは感じるからな~~。
そんな事もあって、パーティー内でセロの次に強いのは明らかにキノコンだって事を孫悟空は身を持って体験をして、皆が周知する事になったんだ。
だから──って訳じゃないけど、皆マオキノの言う事は素直に聞く様になったんだ。
やっぱりさ、脅威となる圧倒的な武力の前には誰もが大人しく従う様になってるんだな。
マオ
「 マオキノに確認しときたい事があるんだけど、良いかな? 」
マオキノ:本体
「 改まって、どうされましたエリ? 」
マオ
「 キノコンってさ、普通でも十分に強いだろ?
神獸化して齊天大聖孫悟空になった悟空にさ、たったの2%の力を込めたデコピンで勝っただろ?
ステッキを使って戦った事もあったじゃないか?
ステッキ無しとステッキ有りでは、どっちが強いんだ? 」
マオキノ:本体
「 マオ様、ステッキはあくまで小道具ですエリ。
別に使う必要は無いですエリ。
凝ったステッキを使った方が、盛り上がるので使っているだけですエリ 」
マオ
「 じゃあ、巨大化をする時やムキムキになる時も態々ステッキを使う必要は無いって事なのか? 」
マオキノ:本体
「 はいですエリ。
しゃもじでも菜箸でも代用は利きますエリ 」
マオ
「 そう……なんだな…… 」
マオキノ:本体
「 マオ様はステッキに興味が有りますエリ? 」
マオ
「 別に無いかな…… 」
マオキノ:本体
「 残念ですエリ~~。
ステッキに合わせた衣装も取り揃えてますエリ 」
マオ
「 何の為に使うステッキと衣装なんだよ…… 」
マオキノ:本体
「 未だ内緒ですエリ★ 」
何か怖いなぁ~~。
何故だか嫌な予感がするんだけど…………気の所為だったら良いんだけどな…………。
マオキノ:本体
「 マオ様、料理は未々ありますエリ。
いっぱい食べてくださいませエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノ── 」
玄奘さんと沙悟浄は寂しいのか大人しくて静かだ。
いや、沙悟浄は師匠の猪八戒さんが孫悟空と一緒になって大食いしている姿を遠目で見ながら呆れているみたいだ。
まぁな、気持ちは分からなくはないかな……。
セロフィート
「 弓弦さん,幻夢さんが帰っても賑やかですね 」
マオ
「 そだな~~ 」
セロフィート
「 マオ、これからはマオが玄奘さんと囲碁を打ってください 」
マオ
「 オレが?
オレは指導碁しか打てないんだけどなぁ~~ 」
セロフィート
「 ワタシが打つよりマシです。
ワタシが打てば、玄奘さんは囲碁を止めて置いてしまうでしょう 」
マオ
「 確かに……。
オレですら心が折れちゃうんだもんな。
シュンシュンだって嫌がってるし。
弓弦さんだって…… 」
マオキノ
「 セロ様,マオ様──、玄武様を此方に呼ばれては如何でしょうかエリ 」
マオ
「 シュンシュンから避難させるのか? 」
マオキノ
「 はいですエリ 」
セロフィート
「 それは出来ません。
弓弦さんには玄武さんが必要です。
霄囹さんを来させましょう 」
マオ
「 嫌だ!
シュンシュンは駄目だ!
玄奘さんと沙悟浄が居るんだぞ。
悪影響を与えるかもだろ! 」
セロフィート
「 そうです?
マオが嫌がるなら止めましょう 」
マオ
「 セロ──、有り難な! 」
セロフィート
「 明日には≪ 天竺 ≫を目指す旅を再開しましょう。
次の≪ 都 ≫は目の前です 」
マオ
「 そう言って1ヵ月も掛かったりするんだろ~~。
{ セロ──、転移魔法で≪ 天竺 ≫に行こうよ!
オレ、早く≪ 天竺 ≫に行きたい }」
セロフィート
「 マオ──。
何度も言いますけど── 」
セロはやっぱり転移魔法を使って≪ 天竺 ≫へ行くつもりは無いみたいだ。
関所は後3つ。
人間が旅をするよりは早く到着する事は出来るだろうけど、長旅になるのは必須だ。
はぁ…………。
オレが余計な事を言っちゃったからだ。
口は災いの元って事だな。
もう、2度とアニメに流されたりしないぞ!
≪ 日本国 ≫に在る裏野ハイツから転移魔法でやって来たセロフィート・シンミンとマオ・ユーグナルの≪ 天竺 ≫を目指す旅は未々当分続く事になる。
≪ 天竺 ≫を目指すのは、セロフィートとマオの2人だけではない。
普賢菩薩から神託を受け、観世音菩薩の錫杖を≪ 天竺 ≫へ届ける途中だった玄奘三蔵法師──。
仙人となる修行を挫折し、不始末を起こし続けていた不出来な弟子に引導を渡す為、弟子を追っていた仙人の猪八戒──。
雹の降り注ぐ山で、倒壊していた山小屋の中から救出された妖怪の子供である沙悟浄──。
亡くなった牛魔王の兄弟子だった孫悟空と相棒の錦斗雲──。
亡くなった牛魔王との間に産まれた実子──紅孩児と母親である鉄扇公主との間に産まれた双子の菻犁,罧寧──。
複雑多岐な理由を持つ7名と、マオの御世話係りであるマオキノを含めた大所帯で旅を続ける事となる。
この先の旅も、多くの妖怪達に襲われ、様々な波乱な問題に見舞われながら、≪ 天竺 ≫へ渡る為の船が出港する≪ 港町 ≫へ向かうのだ。
彼等の旅は未々続くが──、物語としては此処で一旦区切らせて頂き、終わらせたいと思う。
???
「 何だよ、マオキノ。
また何か書いてるのか?
お前も好きだよな 」
マオキノ
「 霄囹ちゃま!
マオ様の為に作り置きしているアイスクリームを勝手に食べないでくださいエリ! 」
春舂霄囹
「 良いだろ、別に!
一体何れだけ作り置きすれば気が済むんだ。
マオを甘やかし過ぎじゃないのか?
コンビニアイスも山程あるんだ、ケチケチするなよ 」
マオキノ
「 ケチケチしてませんエリ!
とんだ窃盗犯ですエリ~~ 」
春舂霄囹
「 窃盗よりヤバい犯罪常習者には言われたくないねぇ! 」
マオキノ
「 犯罪常習者じゃないですエリ 」
春舂霄囹
「 どの口が言うんだか。
それより、今度は何の物語を書いてるんだよ?
一寸僕にも読ませろよ 」
マオキノ
「 セロ様,マオ様と共に冒険をした日常を書き残した日記帳を元に壮大なファンタジーを執筆してましたエリ 」
春舂霄囹
「 ファンタジーねぇ 」
マオキノ
「 今回のモチーフは “ 西遊記 ” ですエリ。
“ 西遊記 ” の世界観にセロ様とマオ様をブッ込んだ物語ですエリ。
勿論、キノコンも大活躍しますエリ★ 」
春舂霄囹
「 …………………………。
当然、僕も登場するんだろうな? 」
マオキノ
「 今回、霄囹ちゃまの登場は無いですエリ。
癖の強いキャラクターが多いと収集が付かなくなりますエリ 」
春舂霄囹
「 登場させろぉ!!
悪役でも良いからさ。
そうだ──、ラスボスを僕にしろよ!
“ 西遊記 ” をテーマにしてるなら、目的地は “ 天竺 ” なんだろ?
“ 天竺 ” で最終決戦と行こうじゃないか! 」
マオキノ
「 ラスボス,真ボス,裏ボスはちゃんと居ますエリ。
霄囹ちゃまの見せ場は無いですエリ 」
春舂霄囹
「 無理矢理でも見せ場を作るのが執筆者の腕の見せ所だろが! 」
マオキノ
「 今回は無理ですエリ。
既に完結した作品ですエリ 」
春舂霄囹
「 何だよ、完結したのかよ。
つまらないな。
次、執筆する時は必ず僕を登場させろよな! 」
マオキノ
「 賄賂次第ですエリ 」
春舂霄囹
「 賄賂だと?
“ 買収してみろ ” って言うのかよ!
とんでもないキノコンだな……。
キノコンが喜ぶ賄賂か── 」
マオキノ
「 霄囹ちゃまの片足でも良いですエリ 」
春舂霄囹
「 却下するに決まってるだろ! 」
???
「 あぁ~~~~!!
シュンシュン!
何でオレのセロカ君Tシャツを着てるんだよ!
それ、非売品なんだぞ!! 」
春舂霄囹
「 帰宅早々、煩いぞ!
別に良いだろ。
そんなに大事なら鍵付きクローゼットにでもしろよ。
Tシャツなんてセロフィートに構成してもらえば良いだろが── 」
???
「 シュンシュン、オレとセロの部屋に勝手に入ったんだな!
全く──、一寸留守にしただけなのに…… 」
春舂霄囹
「 怒るなよ、マオ。
それより、プール行こう!
絲妻木町に大型の市民プールが出来たんだ! 」
マオ
「 絲妻木町っていえば、こないだ市長がミンチ状の状態で発見された──ってニュースでやってたよな? 」
春舂霄囹
「 それがどうした。
プールと市長は無関係さ!
僕はウォータースライダーやサーフィンってヤツを体験してみたいんだ!
料金はマオ持ちだからな! 」
マオ
「 はぁ?
勝手だなぁ~~ 」
マオ様は霄囹ちゃまに手を掴まれて、部屋を出て行かれましたエリ。
マオ様が霄囹ちゃまに絲妻木町に出来た市民プールへ連れて行かれた事をセロ様へ報告するエリ。
???
「 霄囹ちゃまは今日も美味しそうエリ。
マオキノ、執筆していた物語が完結したなら投稿するエリ 」
マオキノ
「 セノコン──。
手直ししたい箇所があるエリ。
投稿はもう少し待ってほしいエリ 」
セノコン
「 分かったエリ。
手直しが終わったら教えほしいエリ 」
マオキノ
「 更に面白くするエリ。
今回もバズる作品を読者へ御届けするエリ! 」
ボクは1度完結させた “ 西遊記 ” をモチーフにした物語を手直しする事にしたエリ。
更なるファンタジー色を出す為に霄囹ちゃまを悪役で登場させる事にするエリ。
ラスボスは蝙蝠道士のまま──、真ボスをセロ様から霄囹ちゃまへ変更するエリ。
霄囹ちゃまが蝙蝠道士を裏で操っていた黒幕にするエリ。
裏ボスはセロ様のままにして──、裏ではセロ様と霄囹ちゃま,キノコンが手を組んで、壮大なドッキリをマオ様に仕掛けていた──という内容に変更するエリ。
セロ様が霄囹ちゃまを呼ぶ事を拒んだのは──、霄囹ちゃまが既に≪ 天竺 ≫に居たから──という事にするエリ。
創作意欲が湧いて来たエリ~~。
こうしてボクは、“ 西遊記 ” をモチーフにした物語の編集を最終話まで続ける事にしたエリ────。
◎ 寛大な心を御持ちの優しい読者の皆さん、大して面白くもない作品にお付き合いくださり、最後まで読んでくださって有り難う御座いました。
まだまだ書きたかったのですが、関所3ヵ所分の内容を考える事に限界を感じましたので、キリの良さそうな所で完結させて頂く事にしました。
才能も文才も無い凡人の作者は、冷め易くて飽きっぽく、力尽きるのも早いので御座います。
◎ 作中に書き忘れてしまいましたが──、弓弦が裏野ハイツへ帰る切っ掛けとなった原因は、菻犁に夜這いをされたからです。
弓弦は女性に対して苦手意識が強く、グイグイ寄って来る女性には嫌悪感を抱いてしまう体質のキャラクターにしているので、身の危険を感じた弓弦を裏野ハイツへ帰らせる事にしました。
「 同時に幻夢も一緒に裏野ハイツへ返しちゃおう 」と考えていました。
当初に思い描いていたラストとは違う内容になりましたが、此処まで書けた事には満足しています。
◎ 未完のまま “ エタってる ” 作品が多いので、少しずつでも完結させていきたいと思っています。
当時の──、過去の自分がノリノリで楽しく書いていた作品を完結させる作業は難しいと思いますけど……。
作家さんや漫画家さんの訃報をニュースで見る度に「 生きている間には完結させたい 」と思いつつあるこの頃だったります。




