──*──*──*── 翌日
──*──*──*── フィールド
マオキノ達にキャンプ地の後片付けを任せて、オレ達は≪ 巒圜の都 ≫へ向かって歩いていた。
捕獲した靈幽道士はマオキノに引き摺られていて、土まみれになっている。
だけど、そんな事は誰も気にしていない。
罧寧
「 もう直ぐ≪ 巒圜の都 ≫へ着いちゃうんですね 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
また依頼を受けたら出る事になるが、一旦旅館へ戻るとしよう。
靈幽道士を連れ回す訳にも行かないからな 」
マオ
「 《 仕事斡旋所 》に依頼を達成させた報告もしないとね 」
厳蒔弓弦
「 《 仕事斡旋所 》には私が向かおう。
依頼を受けた私が手続きをした方が良いからな 」
マオ
「 じゃあ、オレも行くよ。
皆は先に旅館へ戻ってて 」
獅聖幻夢
「 分かりました 」
罧寧
「 うん! 」
玄奘三蔵法師
「 空が曇って来ましたね。
今夜は一雨来そうです 」
マオ
「 本当だね。
雨って久し振りかも── 」
なんて他愛の無い話をして歩いていると、前方に見知らぬ女性が現れた。
見知らぬ女性
「 あらあらあら──。
情けない事この上無いわね。
意気揚々と出て行った挙げ句の果てに捕まっているなんて── 」
罧寧
「 貴女は── 」
見知らぬ女性
「 あらあらあら──。
誰かと思ったら罧寧ちゃんじゃないの。
お母扇せんさ公こうん主しゅを裏うら切ぎって何なにをしているのかしら?
蝙こう蝠もり道どう士しのアジトで玩具おもちゃにされていたのではなくて? 」
罧寧
「 何なんの事ですか?
僕はずっと牛ぎゅう魔王城じょうに幽閉されてましたけど! 」
見知らぬ女性
「 あらあらあら──。
それじゃあ、ワタクシの見た罧しん寧ねいちゃんは誰だったのかしら?? 」
罧しん寧ねいに成りすましていていた〈 器うつわキ人にんニン形ぎょうカ 〉を目撃してた?!
あのアジトの何ど処こかに居いたって事かよ?
後あとでセロに教えないとだぞ!
マオ
「 罧しん寧ねい、あの女ひ性との事を知ってるのか? 」
罧寧
「 彼女は蝙こう蝠もり道どう士しの姉あね弟子です。
彼女は蠍さそりを操る蠍さそり女おんなです!! 」
マオ
「 え゛っ?!
蝙こう蝠もり道どう士しの姉あね弟子?
じゃあ、この人も術術者師── 」
獅聖幻夢
「 なんと!
2人目の術術者師──道どう士しなのですね!
マオ殿どの、彼女も捕つかまえてしまいましょう! 」
マオ
「 幻げん夢むさん……嬉しそうだね…。
妖術で蠍さそりを操る道どう士しなんだ? 」
罧寧
「 えぇと──、禁忌とされている邪じゃ道どうへ進んで邪じゃ術じゅつを極めた道どう士しです 」
マオ
「 じゃどう?
じゃじゅつ?? 」
罧寧
「 とても危険な術じゅつです 」
マオ
「 ふぅん…… 」
危険な術じゅつを使うなら幻げん夢むさんも負けてないと思う。
闇やみ呪じゅ術じゅつは古いにしえに頑丈に封印されていた呪じゅ術じゅつの一種で、一般的に知られている呪じゅ術じゅつなんかより数すう十じゅう倍ばいも “ ヤバい ” って聞いたし。
「 邪じゃ術じゅつを極めた道どう士し 」なんて聞いちゃったら、幻げん夢むさんは引き下がったりしないだろうな。
獅聖幻夢
「 呪じゅ靈れいと式神を操れないのが口惜しい限りです…… 」
マオ
「 幻げん夢むさん…… 」
蠍女道士
「 あらあらあら──。
其そ処こに居いるのは玄げん奘じょう三さん蔵ぞう法ほう師しではないかしら??
錫杖を持っているわね。
もしかして、神しん将しょうが宿やどっている錫杖ではなくて? 」
玄奘三蔵法師
「 貴女も錫杖を狙っているのですか? 」
蠍女道士
「 あらあらあら──。
勿論よ。
蕘じょう罨あん様から命めいじられているもの 」
マオ
「 じょうあん??
誰だよ?? 」
罧寧
「 蝙こう蝠もり道どう士しの師匠です。
人じん外がい仙人の1人だったと思います 」
マオ
「 蝙こう蝠もり道どう士しと蠍さそり女おんなの師匠──。
じゃあ、蝙こう蝠もり女おんなも鉄てっ扇せん公こう主しゅとも面識があるかな? 」
罧寧
「 それは──分からないです…… 」
厳蒔弓弦
「 捕とらえた後あとで、セロの作った自白剤を飲ませれば良いいだろう。
三さん蔵ぞうと錫杖を狙うならば、手加減をする必要も無いな 」
弓ゆ弦づるさんはサラッと物騒な事を言うと愛用の魔ま喰ぐらいの弓を構える。
殺やる気満まん々まんだね、弓ゆ弦づるさんっ?!
玄奘三蔵法師
「 私も戦います!
この錫杖は渡しません! 」
罧寧
「 僕だって戦います! 」
マオ
「 悪いけど、オレ達は≪ 巒らん圜えんの都 ≫へ帰る途中なんだ。
邪魔するなら容赦しないよ 」
蠍女道士
「 あらあらあら──。
血の気けの多い男性陣だ事。
ワタクシに刃やいばを向けると言うのね?
降り掛かる火の粉こは払わせてもらうわ 」
マオ
「 それはオレ達の台詞だよ! 」
蠍女道士
「 あらあらあら──。
弱い人間風情が人じん外がい仙人のワタクシに勝てると思っているのかしら?
貴方達に捕つかまった靈れい幽ゆう道どう士しとの格の違いを見せてあげます 」
蠍さそり女おんなはトラック並みにデカい蠍さそりを10体も呼び寄せた。
蠍女道士
「 さぁ、ワタクシの可愛い蠍さそりちゃん達を倒して御覧なさい 」
罧寧
「 気を付けてください!
蠍さそり女おんなが操る大おお蠍さそりの毒は強力な酸を含んでいて身体からだを溶かすと言われています!!
刺されない様ように気を付けてください!! 」
そんな訳で、玄げん奘じょうさんと錫杖を狙う蠍さそり女おんなの道士と一戦を交まじえる事になった。
蠍女道士
「 中なか々なか粘ねばるじゃないの。
弓使いだと思って甘く見ていたわ。
錫杖の力ちからがワタクシの蠍さそりちゃん達を弱体化させるなんて──、とんだ誤算だわ 」
玄げん奘じょうさんが神しん将しょう降おろしをして、フィールド上じょうに出ている大おお蠍さそりを弱体化してくれる。
それが蠍さそり女おんなには痛い悲鳴だった訳だ。
其そ処こに間かん髪ぱつ入いれずに弓ゆ弦づるさんが法ほう力りきを込めた矢を射いって強力な全体攻撃を御見舞いする。
罧しん寧ねいも頑張って矢を射いっているけど、大おお蠍さそりの殻が頑丈なのか跳ね返されている。
法ほう力りきを込めた矢での攻撃は普通に通とおるみたいだ。
罧しん寧ねいには矢に妖よう力りょくを込めて射いれる様ようになってもらわないと今後は苦労しそうだ。
幻げん夢むさんが法ほう力りきを込めた矢が命中した大おお蠍さそりは一時的に動きが止とまる。
1分60秒と言う短い時間で、オレは大おお蠍さそりを真まっ二ぷたつに斬る。
セロがオレの為に用意してくれた刀や剣は切れ味あじが良いいから大おお蠍さそりなんか目じゃないんだ。
弓ゆ弦づるさんの攻撃で弱ってるし、倒し易いのが助かる。
蠍さそり女おんなは次つぎ々つぎと大おお蠍さそりが倒されて逝くから愕然としている。
フィールド上じょうに出ていた全すべての大おお蠍さそりを倒すと蠍さそり女おんなは「 信じられない! 」といった様ような顔をしている。
蠍さそり女おんなは罧しん寧ねい以外のオレ達の事を “ 人間 ” だと思っている。
マオ
「 ──残念だけどさ、オレ達は人間じゃ無いんだよね。
悪いけど捕虜になってもらうね 」
オレは蠍さそり女おんなに一撃を食くらわせる。
峰打ちだ。
蠍さそり女おんなは地面に両膝を付いて倒れた。
マオ
「 マオ本キノ体、縛る縄を頼む。
猿さる轡ぐつわも忘れずにな 」
マオキノ:本体
「 はいですエリ。
マオ様、どうぞですエリ 」
突然みょ~~んと地面から現あらわれたマオ本キノ体が笠かさから縄と猿さる轡ぐつわを出してくれる。
マオ
「 マオ本キノ体、離れた場所に居いた筈なのに何なんで此こ処こに居いるんだ? 」
マオキノ:本体
「 瞬間移動しましたエリ★ 」
マオ
「 えっ?!
瞬間移動??
マジで! 」
マオ
「 冗談ですエリ~~。
キノコンに瞬間移動は出来ませんエリ。
胞子を飛ばしておくと胞子を伝って移動が出来ちゃいますエリ 」
マオ
「 そんなの初耳だけど? 」
マオキノ:本体
「 セロ様に改良してもらいましたエリ♥️
胞子も無移害動用と有攻害撃用と分けて使う事が出来る様ようになりましたエリ 」
マオ
「 何い時つの間まにだよ……。
ちゃっかりしてるなぁ~~。
身体からだに異変は無いのか? 」
マオキノ:本体
「 はいですエリ。
頗すこぶる快調ですエリ。
今迄以上にマオ様の御役に立つ為に改良して頂きましたエリ 」
マオ
「 マオ本キノ体……。
今迄も十じゅう分ぶん過ぎる程ほど、役に立ってくれてたよ。
オレの為に有あり難がとな(////)」
マオ本キノ体から受け取った縄で蠍さそり女おんなの両手首,両足首,胴体を確しっかり縛る。
猿さる轡ぐつわも忘れずに口に装着するけど──、女性だからかな?
何なんか卑ひ猥わいで厭いやらしい。
蠍さそり女おんなを引き摺ずって弓ゆ弦づるさんの待つ場所へ向かう。
地面は足場が悪くてゴツゴツして歩き難にくいけど気にしない。
蠍さそり女おんなが怪我をして痛い思いをしても知ったこっちゃない。
マオ
「 弓ゆ弦づるさん,幻げん夢むさん!
蠍さそり女おんなを捕つかまえたよ! 」
厳蒔弓弦
「 マオ──、良よくやったな 」
獅聖幻夢
「 マオ殿どの──、流さす石がです!
斬り込み隊長のマオ殿どのが居いないと捕つかまえられませんでした 」
マオ
「 弓ゆ弦づるさんが体力を削ってくれて、幻げん夢むさんが動きを止とめてくれたからだよ 」
獅聖幻夢
「 この道どう士しからも色いろ々いろと聞き出したいですね 」
マオキノ:本体
「 それなら此方こちらを使ってくださいませエリ 」
マオ
「 また自白剤か? 」
マオキノ:本体
「 はいですエリ。
此方こちらは自白剤ゴールドプレスEZイージー5ファイブですエリ 」
マオ
「 さっきの自白剤と名前が違うけど? 」
マオキノ:本体
「 此方こちらの自白剤には、キノコン汁じるの原液がブチ込まれてますエリ。
めちゃんこヤバい自白剤ですエリ 」
マオ
「 濃縮じゃなくて原液だって?!
キノコン汁じるの原液って生き物には有害な毒になるんだよな?
そんな危険物が入はいった自白剤なんて大丈夫なのかよ? 」
マオキノ:本体
「 自白剤を使う相手は仙人ですエリ。
死にはしませんエリ。
使ってOKオッケーですエリ。
1滴残らず使ってくださいませエリ 」
獅聖幻夢
「 有あり難がとう御座います、マオ本キノ体殿どの。
此方こちらも惜しみ無く使わせて頂きますね 」
幻げん夢むさんは嬉しそうにマオ本キノ体からヤバ過ぎる自白剤を受け取った。
何なんて言うか──、靈れい幽ゆう道どう士しも蠍さそり女おんな道どう士しも御愁傷様だな。
だけど、これで不明な事が分かるかも知れないんだよな。
大きな1歩を踏み出せそうだ!