✒ 罧寧の初依頼 5
確かタイトルは──、【 召喚された希望の救世主はタンバリンを片手に大陸を無双する。~ 救世主じゃなくて、テイマーじゃねぇの?! モンスターを引き連れて旅してたら、 “ 人類の敵 ” だと誤認識された上、指名手配までされてる件について ~ 】っていうやけに長ったらしいタイトルだった気がする。
何でオレ、覚えてるんだろう??
確か、毎週放送されていたバラエティ番組の “ 工場当てクイズ ” って企画の中で、タンバリンの製造行程が放送されていて──、それを見ていて思い付いた物語だった気がする。
世界観や設定はマオキノに丸投げ──任せたんだったよな。
異世界に転移召喚された主人公が冒険するファンタジーものだ。
登場するのは「 救世のススメ 」っていう本体が分厚くて重たい本。
移動出来るように人型の容姿で主人公と共に旅をする相棒だ。
サポートもするナビゲーター的な存在で、人型のモデルはセロだ。
本体は “ 本 ” なのに色々と万能過ぎるチートキャラクターでもある。
主人公を異世界から転移召喚して、救世主として≪ 大陸 ≫を旅させる。
≪ 大陸 ≫の名前は忘れちゃったな。
「 救世のススメ 」は主人公に対して傍迷惑な求愛ハラスメントをするんだけど、本人は軽いスキンシップだと思っているトラブルメーカーでもある。
とんでもないキャラクターに仕上がったもんだ。
オレは絶対に関わりたくない!!
主人公は何故かは分からないけど故郷から突如、異世界へ転移召喚された15歳に成り立ての少年だ。
マオキノ曰くモデルはオレらしい。
この時は≪ 日本国 ≫を故郷にした設定だった気がする。
とんだ迷惑野郎な「 救世のススメ 」により、大陸を救う救世主として生きる事を強要され強制される羽目になる不運な主人公だ。
人型に変化した「 救世のススメ 」から手渡された救世主の唯一の武器である “ 救世のタンバリン ” を使って、凶悪な怪物達を仲間にして≪ 大陸 ≫を救う旅に出る事になる。
求愛ハラスメントして来る「 救世のススメ 」の相手をしながら≪ 大陸 ≫を救うなんて、なんて酷い罰ゲームだろう。
因みに経験値が入ってもLVは上がらず、何故かLV1のままで強くなれない縛りプレイされる救世主なんだとか。
優しさの欠片も感じられない酷い設定だよ、全く!!
そうそう、主人公に与えられた “ 救世のタンバリン ” ってのがチート武器なんだ。
召喚された救世主は他にも居るんだけど、救世主達に与えられた何の武器よりも主人公の “ 救世のタンバリン ” は有能なんだ。
救世主の武器を作った凄い人が居るんだけど、“ 救世のタンバリン ” には物凄く拘って作った──っていう裏設定があるんだ。
“ 救世のタンバリン ” には攻撃力が無くて、打撃にも使えないから、武器扱いして良いのか疑問だけど、装備品で武器のカテゴリーに分類されている設定だ。
“ 救世のタンバリン ” を鳴らして敵対する怪物を仲間にして、戦闘力皆無の自分の代わりに戦わせる設定で、主人公のLVが上がらない代わりに使役──仲間にした怪物のLVが上がり易くなる設定らしい。
主人公はまんまテイマーだよな。
然もだ、転移召喚された救世主の中で唯一、怪物を仲間に出来るキャラクターでもある。
怪物をテイマー出来る所為で “ 怪物使い ” と勘違いされて毎回、とんでもなく散々な目に遭うんだとか。
何処迄も主人公に酷い設定だ。
因みに仲間になったテムモン──テイムモンスターには首輪が装着される設定だ。
何でも “ 友達の首輪 ” って名前らしい。
はっきり “ 隷属の首輪 ” って言えば良いのにな!
“ 隷属 ” と書いて “ ともだち ” と読むらしい。
“ 奴隷 ” と書いて “ ともだち ” って読むのと同じじゃないか。
“ 救世のタンバリン ” は大きさを変える事が出来て、ベッドに使う事も出来るし、テーブルとして使う事も出来る。
雨や雪が降れば傘としても使えるらしい。
裏返して中に乗ると宙に浮いたり、空に浮いて移動する事も出来るんだ。
歩かないで移動が出来るのは素晴らしい機能だと思う!
戦闘時には “ 救世のタンバリン ” を鳴らして、テムモンのパラメーターを一時的に上げる事が出来るんだ。
強化するとテムモン達から感謝の気持ちとして♥️が貰える。
♥️を貯めて “ ともだちゲージ ” を満タンにすると主人公は特殊技を使う事が出来る様になるらしい。
特殊技を使うと “ ともだちゲージ ” に貯まった♥️を消費する事になるから、“ 救世のタンバリン ” を鳴らして、テムモンを強化してあげればテムモン達から♥️を貰える。
戦闘中の主人公はひたすら “ 救世のタンバリン ” を叩いて鳴らしてさえいれば、テムモン達が勝手に敵対する怪物を倒してくれるらしい。
テムモンにしたい怪物と遭遇したら、取り敢えず♥️を消費して特殊技をバンバン使う必要があって、 “ ともだちゲージ ” を貯めないといけないらしい。
何でそんな設定にしたんだよ、マオキノ──。
マオキノはセノコンと協力して【 召喚された希望の救世主はタンバリンを片手に大陸を無双する。~ 救世主じゃなくて、テイマーじゃねぇの?! モンスターを引き連れて旅してたら、 “ 人類の敵 ” だと誤認識された上、指名手配までされてる件について ~ 】のフリーゲーム──体験版みたいなのを作って配信もしていたらしい。
人気があったかどうかは分からない。
何はともあれゲームまで作っちゃうんだから凄いよな。
マオ
「 マオキノ、オレは皆と夕食を食べて来るよ 」
マオキノ:本体
「 はいですエリ 」
漫画を描いているマオキノをテントの中に残して外に出ると、玄奘さんと鉢合わせた。
玄奘さんと一緒にマオキノが居る焚き火へ向かって歩く。
──*──*──*── 焚き火の前
テーブルの上には既に料理が並べられている。
弓弦さん,幻夢さん,罧寧は既に席に付いていた。
マオ
「 土蠡は狩り終わった? 」
獅聖幻夢
「 未だ残っています。
明日も土蠡狩りの続きをします 」
マオ
「 結構、苦戦してるみたいだな。
明日はオレも手伝うよ 」
罧寧
「 有り難う、マオさん 」
厳蒔弓弦
「 それならマオと三蔵には土蠡を50体程狩ってほしい 」
マオ
「 50体も?!
随分と多いね 」
玄奘三蔵法師
「 頑張りましょう、マオ殿 」
マオ
「 そうだな!
高級食材なら食べてみたいよな 」
マオキノ:分身体
「 明日の御弁当に入れさせて頂きますエリ 」
マオ
「 有り難な、マオキノ。
期待してるよ 」
マオキノが作ってくれた料理を皆で食べ終えたら、土蠡に関する話し合いをしながら情報の共有をした。
これで明日の土蠡狩りは完璧だな!
話し合いが終わると囲碁タイムだ。
マオキノから貰った月刊囲碁の雑誌を弓弦さん,幻夢さん,罧寧にも見せてみる。
因みに玄奘さんは掲載されている囲碁漫画を読んでいたから知っている。
罧寧
「 これが来月から碁会所で配布されるの?
すごぉ~~い!!
続きが気になるよぉ~~ 」
どうやら罧寧は漫画が気に入ったみたいだ。
子供だからかな??
厳蒔弓弦
「 この幽霊は──幻夢に似ているな。
この碁盤は──玄武が憑依していた碁盤と似ているな。
懐かしいな 」
マオ
「 描いてるのはマオキノだよ 」
獅聖幻夢
「 主人公の少年はマオ殿に似ていますね。
幽霊が私に似ていてセロ殿的には良いのでしょうか? 」
マオ
「 セロをモデルにしたキャラクターは後々登場するらしいよ 」
獅聖幻夢
「 そうなのですか?
それは楽しみですね 」
厳蒔弓弦
「 ………………………………似ているな 」
獅聖幻夢
「 弓弦殿、どうかしたのですか? 」
厳蒔弓弦
「 玄武に借りた単行本という漫画に描かれている内容と似ている気がするんだ。
私の気の所為だろうか?? 」
マオ
「 気の所為じゃないと思うよ。
オレも玄武さんから借りて、シュンシュンに読んでもらったけど、明らかに内容をパクってるよ…。
此方の世界には著作権なんて無いし、原作者も居ないし、コンプライアンスなんて皆無だからさ、やりたい放題だよ 」
獅聖幻夢
「 ちょさくけん…ですか?
こんぷらいあんす……??
マオ殿は難しい言葉を知っているのですね 」
厳蒔弓弦
「 ≪ 日本国 ≫は色々と規制が有るらしいからな。
私達の故郷の≪ 島国 ≫には無いものだな 」
獅聖幻夢
「 私達の故郷よりも遥かに近代的で便利な≪ 島国 ≫ならではなのですね 」
マオ
「 そう言えば、シュンシュンが妖怪が登場する漫画や呪術関連の漫画をコレクションしてたっけ。
シュンシュンの無節操って変わらないんだな~~ 」
獅聖幻夢
「 呪術関連のまんがと言うのが気になります。
マオ殿は読んだ事があるのですか? 」
あ……やってしまった。
幻夢さんの興味スイッチが入っちゃったみたいだ。
幻夢さんがウキウキしながらグイグイ来るぅ~~!!
マオ
「 ──オレは本とか読むと睡魔に襲われるから、シュンシュンに教えてもらった内容しか知らないんだけどぉ…… 」
獅聖幻夢
「 存じている事だけでも構いません!
是非とも教えてください、マオ殿! 」
おふぅい──。
グイグイ来るぅ~~!!
近いよ、幻夢さぁん!!
セロに「 浮気者 」って言われちゃうよ……。
マオ
「 ──じゅ……呪術とか、呪詛だとか、呪霊とか──が、登場するみたいだよ?
物語の舞台は現代の≪ 日本国 ≫になっていたかな?
陰陽師の家系の子孫達が──、呪詛を使って、悪さをする呪霊を祓う話だったかな?
専門の学校が在って── 」
オレはシュンシュンが教えてくれた事を思い出しながら、幻夢さんに教えた。
漫画の内容を正確に話せているか自信は無いけど──、陰陽師じゃなくて “ 呪詛師 ” って呼ばれてる術者達達が “ 呪いの力 ” を活用して、活躍する物語だって事を伝えれたら良いと思う。
幻夢さんは妖怪に関して大した興味は無いみたいだ。
マオ
「 ≪ 日本国 ≫で若者に人気の漫画だったみたいだよ。
当時は映画化の話も上がってたとか──。
もう完結はしていて、シュンシュンから教えてもらった時には、ジャンルの違う漫画を描いて連載していたらしいよ 」
獅聖幻夢
「 そうなのですね。
物語の名前は何と言うのですか? 」
マオ
「 何だったかな……。
タイトル迄は覚えて無いんだ……。
御免ね、幻夢さん 」
タイトルかぁ……。
何だったかなぁ~~。
シュンシュンに聞いた記憶が無い。
マオ
「 スマホが有れば直ぐに検索が出来たんだけど……。
そうだ!
セロに漫画を〈 テフ 〉で構成してもらえば良
幻
獅聖幻夢
「 マオ殿
マオ
「 うん!
序
セロなら出来るよ! 」
獅聖幻夢
「 それは助かりますね 」
厳蒔弓弦
「 この時代にスマホ
玄奘三蔵法師
「 あの……すまほ……とは何
罧寧
「 僕も知りたいです 」
マオ
「 スマホ
オレは玄
オレも詳しくは知らないから、離れた場所に居
間違ってはないだろ?
玄奘三蔵法師
「 ──そんな宝
離れた場所に居
罧寧
「 良
僕も宝
厳蒔弓弦
「 罧
罧
マオ
「 そうだね!
猪
罧寧
「 そうなんですか?
僕、宝
話
幻
罧
今は弓
弓
だけど、勝てないと分かっている相手と楽しそうに打てる弓
玄
分かるもんなのかな?
オレにはさ
マオキノ:分身体
「 マオ様、そろそろ御就寝の時間ですエリ 」
マオ
「 えっ、もうそんな時間になったのか? 」
マオキノ:分身体
「 はいですエリ。
テントに御戻りくださいませエリ 」
マオ
「 分かったよ。
罧
罧寧
「 この対局が終わったら寝ます 」
マオ
「 罧
呼びに来
──*──*──*── テント
マオキノ:分身体
「 マオ様、御休みなさいませエリ 」
マオ
「 うん、御休み 」
セロがくれた飴を食べれば、体内の〈 テ
用意されている敷




