✒ ドキドキ!初めての依頼 3
厳蒔弓弦
「 ──成る程な……。
私は3人の御札の何れかで召喚された──という事か…… 」
キノコン:本体
「 弓弦様が召喚されて助かりましたエリ 」
厳蒔弓弦
「 そうか?
役に立てて何よりだ。
それより、この霧は晴れないのか? 」
キノコン:本体
「 敵が現れた時に霧が出始めましたエリ。
敵を倒したのに霧が晴れないのは妙ですエリ 」
厳蒔弓弦
「 気の所為か霧が酷くなっていないか? 」
キノコン:本体
「 確かに濃くなって来てますエリ 」
厳蒔弓弦
「 分身体を集めて陣形を組ませた方が良い。
戦闘体勢を整えるんだ。
三蔵法師と沙悟浄だったな──。
未だ戦えるか? 」
玄奘三蔵法師
「 はい!
未だ神将降ろしは出来ます! 」
沙悟浄
「 僕は──妖力が尽きそうです…… 」
厳蒔弓弦
「 妖力か──。
妖力を回復させる薬は持ってないのか? 」
沙悟浄
「 持参した数は使ってしまいました…… 」
厳蒔弓弦
「 それは困ったな。
キノコンは妖力を回復させる薬を余分に持ってないか? 」
キノコン:本体
「 生憎と切らしてますエリ~~ 」
厳蒔弓弦
「 些か準備不足ではないか? 」
キノコン:本体
「 面目無いですエリ。
読みが甘かったですエリ… 」
厳蒔弓弦
「 あ、いや……責めている訳では無いんだ。
言い方がキツかったな。
すまない…… 」
キノコン:本体
「 弓弦様ぁ~~~~。
お優しいですエリぃ~~。
流石はマオ様の── 」
厳蒔弓弦
「 それは関係無いぞ?
──霧の中で何か飛んでいる気配がするな 」
厳蒔弓弦は魔喰らいの弓を構えると、法力を込めた1本の矢を天へ向かって射る。
弓技の1つ、破魔天弓だ。
敵の頭上に矢の雨を降らせる広範囲の技である。
矢の雨に当たり地面に落ちたのは────。
玄奘三蔵法師
「 蝙蝠……ですか?
何故こんな所を蝙蝠が飛んでいるのでしょうか? 」
沙悟浄
「 畑を荒らす野犬退治の依頼だったんじゃないの?? 」
厳蒔弓弦
「 この蝙蝠は普通の蝙蝠では無さそうだな。
用心した方が良い 」
キノコン:本体
「 弓弦様、此方の状況をセロフィート様に御伝えしましたエリ! 」
厳蒔弓弦
「 セロが居るのか。
ならば、何か遭った時は任せられるな。
セロは此方に来るのか? 」
キノコン:本体
「 僕達だけで何とかする様に言われましたエリ 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
セロらしいな。
私は転身をする。
この中で沙悟浄の妖力を回復させれるのは私だけの様だからな 」
キノコン:本体
「 弓弦様、転身が出来る様になりましたエリ? 」
厳蒔弓弦
「 玄武と幻夢に手伝ってもらったお蔭でな 」
厳蒔弓弦は転身をする。
転身を終えた厳蒔弓弦の全身からは溢れんばかりの禍々しい妖力が感じられる。
厳蒔弓弦は沙悟浄の右肩に手を乗せると膨大な妖力を流し込む。
沙悟浄
「 ──凄いです!
尽き掛けていた妖力がみなぎって来ます! 」
厳蒔弓弦:転身中
「 そうか。
どうやら妖力に違いは無いようだな。
足りなくなった妖力は、その都度私が補充しよう 」
沙悟浄
「 有り難う御座います!(////)」
転身を解いた厳蒔弓弦は魔喰らいの弓を構えると、法力を込めた1本の矢を天へ向かって射る。
弓技の1つ、蒼焔弓を放つ。
これは全体攻撃で、敵の頭上に青い炎の矢を降らせる技だ。
霧の中を飛んでいる蝙蝠が青い炎に包まれて燃えながら地面に落ちる。
蝙蝠の多さに不気味さを感じた沙悟浄は無意識に玄奘三蔵法師に抱き付いていた。
玄奘三蔵法師
「 こんなに多くの蝙蝠が──。
一体何処から飛んで来るのでしょう? 」
キノコン:本体
「 エリ?
──何か聞こえてますエリ 」
沙悟浄
「 何も聞こえないよ? 」
キノコン:本体
「 蝙蝠の音で聞こえませんでしたエリ。
蝙蝠の数が減ったから聞こえますエリ 」
キノコンの言った事は本当で蝙蝠の数が減った事で聞こえて来なかった奇妙で不気味な呪文の様な言葉が聞こえて来た。
バンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロバンボロ────。
沙悟浄
「 えぇぇぇぇぇ??
何か聞こえて来たよぉ~~~~ 」
年相応に怖がる沙悟浄のお蔭で周囲が和む。
厳蒔弓弦
「 蝙蝠は倒しても埒が明かないな 」
キノコン:本体
「 何かが居るのは確かですエリ。
分身体を偵察に行かせますエリ 」
厳蒔弓弦
「 偵察は助かるが無理しない様にな 」
キノコン:本体
「 心得てますエリ! 」
キノコンは身体を上下に揺らすと分裂する。
掌に乗るサイズのキノコンが数体、霧の中へ消えて行った。
厳蒔弓弦
「 私は引き続き蝙蝠を攻撃するが──、三蔵法師と沙悟浄は後に控えて温存していてくれ 」
玄奘三蔵法師
「 分かりました 」
沙悟浄
「 はい! 」
厳蒔弓弦は魔喰らいの弓を構えると、法力を込めた1本の矢を天へ向かって射る。
弓技の1つ、黒焔弓を放つ。
これも全体攻撃で敵の頭上に黒い炎の矢を降らせる技だ。
玄奘三蔵法師
「 弓使いの技は凄いのですね…… 」
沙悟浄
「 ………………僕、一寸恐いです……。
人間の中にも凄い人が居るんですね 」
玄奘三蔵法師
「 厳蒔殿は戦いも出来る僧侶なのですか? 」
厳蒔弓弦
「 いや──、僧侶ではないな。
私は妖怪を退治する退魔師だ 」
沙悟浄
「 えっ!?
妖怪を退治するっ?! 」
厳蒔弓弦
「 あ、いや……全ての妖怪ではなく──、主に悪さをする妖怪を対象にしている。
沙悟浄を退治したりはしないから安心してくれ 」
沙悟浄
「 あ……はい…。
良かった~~(////)」
玄奘三蔵法師
「 聞こえる声は変わりませんね。
ずっと同じ事を繰り返しています 」
沙悟浄
「 今度はどんな敵なんですか?? 」
厳蒔弓弦
「 私には見当も付かないな。
セロでも来てくれれば分かるのだろうが…… 」
キノコン:本体
「 ──弓弦様ぁ!
蝙蝠の事を報告したら、セロフィート様から返答が来ましたエリ! 」
厳蒔弓弦
「 セロは何と言っているんだ? 」
キノコン:本体
「 蝙蝠からして “ 蝙蝠道士 ” ではないかとの事ですエリ 」
厳蒔弓弦
「 蝙蝠道士だと?
他には何か言ってなかったか? 」
キノコン:本体
「 蝙蝠道士は鉄扇公主の兄との事ですエリ 」
厳蒔弓弦
「 てっせんこうしゅ?
それは誰だ? 」
玄奘三蔵法師
「 牛魔王の奥さんです。
人外仙人とも聞いています 」
厳蒔弓弦
「 ぎゅうまおう??
せんにん??
…………………敵である事は変わらないのだな? 」
玄奘三蔵法師
「 はい……。
鉄扇公主は神将が宿っている錫杖を狙っているのです。
亡くなった牛魔王を蘇らせるのに必要だとか── 」
厳蒔弓弦
「 死者を蘇らせるのか??
そんな事は出来ない筈だが? 」
沙悟浄
「 セロフィートさんも同じ事を言われてました。
輪廻の流れに還った魂は呼び戻せない──とか…… 」
厳蒔弓弦
「 その “ てっせんこうしゅ ” とやらは知らないのか……。
騙されている可能性も捨て切れないな。
蝙蝠道士は三蔵法師の錫杖を狙っているのだな? 」
玄奘三蔵法師
「 鉄扇公主の仲間で有るならば、目的は錫杖かと思います 」
厳蒔弓弦
「 そうか。
ならば、倒す前に確かめねばならぬな 」
◎ “ 蝙蝠道士 ” の事を知っている読者さんって居られるのでしょうか?
気になった読者さんは「 幽幻少女 」か「 来来!キョンシーズ 」で検索してみてください。
確か “ コウモリ道士 ” だったような気がします。
「 霊幻少女 帰って来たテンテン 」の続編、誰か作ってくれないかな……。
当然、テンテン役は可愛い子が良いですよね❗




