✒ スカウト 2
──*──*──*── とある部屋
罧寧の容姿をしている〈 器人形 〉が押し倒されている。
マオ
「 何事ぉぉぉぉぉおおおおおっっっ!?!? 」
オレは思わず声を張り上げて叫んでしまった。
仰向けで押し倒されている状態の〈 器人形 〉の上に乗っている男が、ドアを凝視している。
男
「 ………………何でドアが開くんだよ……。
鍵を掛けてた筈なのに…… 」
あっ、そうだった!
セロとオレの姿は見えないんだった!
叫んでもオレの声は聞こえないんだ。
マオ
「 セロ──。
コイツ、ドアに鍵を掛けてたみたいだぞ 」
セロフィート
「 鍵を掛けても無駄です。
古代魔法で簡単に開錠を出来ますし 」
マオ
「 此方を見て震え上がってるな 」
セロフィート
「 開かない筈のドアが開いたのです。
驚くのは当然でしょう 」
マオ
「 コイツ、どうするんだ? 」
セロフィート
「 柄を握りながら聞きます?
悪い悪戯をする気が失せる様に脅してみてはどうです? 」
マオ
「 ドアを閉めたら両腕を切り落としてやるよ! 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロがドアを閉めて鍵を掛けてくれる。
オレは逆刃刀を鞘から抜くと、〈 器人形 〉の上に乗っているけしからん男に振り下ろした!!
刹那──、斬った男の両腕が室内で宙を舞う。
特別製で斬れ味抜群の逆刃刀だから、斬り口から血が飛び散らない。
男は唖然としている。
室内の奥にボトッと音を立てて落ちた両腕の方へ目を向けた男が悲鳴を上げる。
ついさっき迄確かに付いていた両腕が室内の床に落ちてるんだから、そりゃ叫ぶよな。
セロフィート
「 彼には室内から退場してもらうとしましょう 」
マオ
「 煩いもんな 」
セロフィート
「 斬り落とした2本の両腕は鉄扇公主と紅孩児の元へ送りましょう 」
マオ
「 えっ…………まさか、斬り落とした旬な両腕をプレゼントをフォー・ユーする気かよ?!
とんでもない嫌がらせだな 」
セロフィート
「 粋でしょう? 」
マオ
「 何処がだよ…… 」
そんな訳でセロはあっさりと両腕を古代魔法で転送してしまった。
包装紙に包んでリボンで巻いたり一切しないで転送してしまった。
マオ
「 セロ、あんなに雑に転送させて良かったのかよ? 」
セロフィート
「 日常生活にドキドキは必要です。
斬り立てホヤホヤの両腕が突然目前に現れたらドキドキするでしょう? 」
マオ
「 ドキドキする処か心臓が止まるんじゃないか? 」
セロフィート
「 鉄扇公主さんは仙人です。
夫を殺害する妻の心臓が柔い筈ないでしょう 」
マオ
「 今頃、悲鳴を上げてパニクってるんじゃないか? 」
セロフィート
「 良いではないですか。
序でに全裸にした彼も鉄扇公主さんへプレゼントしましょう♪ 」
マオ
「 えぇ!?
この男をかよ??
丸裸にしてか?
おぃおぃ、真っ裸の男が突然現れたら──、マジで心臓が止まるんじゃないか? 」
セロフィート
「 大丈夫です。
こんなプレゼントは未々序の口ですし♪ 」
マオ
「 序の口って……。
セロぉ~~~~、敵のアジトだからって、楽しんでないか? 」
セロフィート
「 ちっとも楽しんでません。
だって、居ると邪魔でしょう?
部屋の外にポイするだけです 」
マオ
「 そのポイする場所が問題なんだけどな! 」
オレが何を言ってもセロが決めた事を覆す事なんて滅多にないんだ。
セロが転移魔法を発動すると両腕を失った男が目の前から忽然と消えた。
セロフィート
「 この部屋に結界を張りました。
仮に外から攻撃をされても無傷です。
情報収集を始めましょう 」
マオ
「 相変わらずデタラメな凄さだよな 」
オレは床に仰向けで倒れている〈 器人形 〉に手を差し出して起き上がるのを手伝った。
今気付いたけど、〈 器人形 〉には両足が無い。
膝から下が無い。
マオ
「 どゆことだよ!? 」
罧寧:器人形
「 “ 逃げない様に ” と先程の男から切断されました 」
マオ
「 ………………逃げない様にって──。
罧寧は鉄扇公主と紅孩児の実子なんだろ?
何で……そんな酷い事をしやがるんだよ!! 」
罧寧:器人形
「 母親の鉄扇公主は知りません。
あの男は鉄扇公主の兄の様です 」
マオ
「 あ…兄だって??
じゃあ、あの男も仙人…… 」
罧寧:器人形
「 はい。
人外仙人の1人で、蝙蝠男です。
彼は自分の事を “ 蝙蝠道士 ” と呼んでいました。
とんだロリコン野郎です。
このアジトの何処かに蝙蝠道士の隠し部屋が在るそうです。
其処には他にも未成年の子供達が大勢捕まって居るみたいです。
蝙蝠道士の慰みモノにされた後は実験台として利用されているそうです 」
マオ
「 なっ──?!
このアジトに未成年の子供が居るのかよ!?
慰みモノ?
実験台!?
何してんだよ!! 」
セロフィート
「 隠し部屋が在りましたか。
逃がしてしまいましたね 」
マオ
「 セロぉ~~!
暢気過ぎだぞ!!
子供達を助けないと!! 」
セロフィート
「 それは後で良いです。
他に情報は? 」
罧寧:器人形
「 はい──。
鉄扇公主の息子──紅孩児は此処には居ません。
どうやら牛魔王の蘇生実験は実子の紅孩児を目覚めさせる為に必要な儀式の一環だという事が判明しました 」
マオ
「 えと──、紅孩児を目覚めさせる儀式??
どゆことだよ? 」
罧寧:器人形
「 紅孩児は約50年程前から意識を失い昏睡状態の様です。
居場所は分かりません。
紅孩児を昏睡状態から目覚めさせる為に鉄扇公主は夫である牛魔王を殺害し、蘇生実験を始めた様です 」
マオ
「 息子の為に夫を殺害したってのかよ?!
意味が分からないよ!
何で牛魔王を殺害して、蘇生実験を成功させると紅孩児が目覚めるんだよ?? 」
セロフィート
「 他にも裏が有りそうです。
他には? 」
罧寧:器人形
「 宝具である芭蕉扇の隠し場所は鉄扇公主の胸元だと判明しました。
牛魔王の蘇生実験に蝙蝠道士は無関係の様です。
牛魔王の蘇生実験の事を鉄扇公主に吹き込んだ怪しい術師は蝙蝠道士ではなく、不明なままです 」
セロフィート
「 他には── 」
罧寧:器人形
「 はい── 」
〈 器人形 〉はアジトで知り得た限りの情報をセロに伝えている。
両足を切断されてるのに、どうやってアジト内を調査したのか無性に気になる──。
だけど、セロが用意した〈 器人形 〉だし、秘密なんて幾ら有ってもおかしくないか。
な~~んか、悪寒がして気分が悪くて仕方無いんだよなぁ~~~~。
無駄に背筋がゾワゾワするぅぅぅぅぅぅぅ~~~~!!!!




