✒ 犖榮の街 3
乳製品のデザートを食べていると、セロが食堂に入って来た。
マオキノも一緒だ。
大事な話とやらは終わったのかな?
どんな話をしてたのか気になる。
後で聞いてみようっと!
マオ
「 セロ──!
随分と長く話してたじゃないか! 」
セロフィート
「 どうしました、マオ?
ちゃんと料理は食べました? 」
マオ
「 勿論、食べたよ。
今はデザートを堪能してるんだ! 」
セロフィート
「 乳製品を使った料理は口に合いました? 」
マオ
「 合うに決まってるだろ。
キノコンが腕を振るって作ってくれた料理だぞ。
何れも美味しかったよ 」
セロフィート
「 それは良かったです。
〈 器人形 〉からマオの案を聞きました。
キノコンに任せている≪ 都 ≫≪ 街 ≫≪ 村 ≫から始めましょう 」
マオ
「 セロ──、有り難な! 」
セロフィート
「 マオ、話が有ります。
部屋へ戻りましょう 」
マオ
「 えっ、未だデザートが途中── 」
セロフィート
「 大事な話です 」
マオ
「 分かったよぉ~~ 」
オレは食べ足りないデザートを諦めて、セロと食堂を出る事にした。
未だ猪八戒さんと沙悟浄が美味しそうにデザートを食べている。
オレも食べたいのにぃ~~~~!!
意外な事に食いしん坊なのは猪八戒さんだけじゃなくて、沙悟浄もだった。
どうやら妖怪は人間よりも多く食べれるらしい。
沙悟浄が猪八戒さんみたいに肥えたりしないか心配になる。
沙悟浄は豚じゃないから大事かな?
──*──*──*── 宿泊室
マオ
「 セロ、2人だけで話って何だよ?
玄奘さん達に聞かれたら拙い内容なのか? 」
セロフィート
「 セノコンから報告が来ました 」
マオ
「 報告って? 」
セロフィート
「 齊天大聖孫悟空が≪ 都 ≫に現れました 」
マオ
「 齊天大聖孫悟空ぅ?
確か猿の妖怪だよな? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 そいつが何かしたのか? 」
セロフィート
「 保護していた鉄扇公主と紅孩児の実子が連れ去られました 」
マオ
「 は?
鉄扇公主と紅孩児の実子ぃ??
鉄扇公主は牛魔王の奥さんだろ?
紅孩児って誰だよ?
鉄扇公主の愛人とか?? 」
セロフィート
「 紅孩児は牛魔王と鉄扇公主の実子です 」
マオ
「 は?
どゆこと?? 」
セロフィート
「 牛魔王は男色家でした。
同性の愛人が大勢居ました。
夫である牛魔王が愛人を侍らせ現を抜かしている間、鉄扇公主は実の息子である紅孩児との間に一子を作りました 」
マオ
「 えっ──??
母親が息子と子作りしたって事かよ?
確か、鉄扇公主は蝙蝠女の人外仙人なんだよな?
息子と子作りしても仙人で居るって事は結婚してないから──って事かな? 」
セロフィート
「 そうでしょうね。
息子と結婚するつもりなら、亡くなった夫を蘇生させ様とはしないでしょう。
子供を産んで育てても結婚はしていないのでしょう 」
マオ
「 でもさ、おかしくないか?
牛魔王と夫婦になったなら、鉄扇公主は仙人では居られない筈だろ?
もう仙人じゃないって事かな? 」
セロフィート
「 何も結婚して籍を入れた者達だけを “ 夫婦 ” と言う訳ではないです。
籍を入れずとも事実婚を利用し “ 夫婦 ” と偽り “ 家族ごっこ ” をして暮らす方法も有ります 」
マオ
「 家族ごっこかぁ……。
血の繋がった両親が居て、一緒に暮らしている仲良し家族なのに、当の両親は入籍もしないで事実婚の関係で暮らしている。
何かさ……子供視点だと複雑なんだけど…… 」
セロフィート
「 子供の感じる複雑さ等、大人には関係無いです。
事実婚を推奨するのは大人にとって好都合だからです。
子供の事情等知った事ではないです 」
マオ
「 でもさ、入籍してない事実婚って関係なら、鉄扇公主は仙人で居られる──って事になるよな?
入籍して結婚をしているから “ 所帯を持ってる ” って言える訳だし……。
だけどさ、鉄扇公主と牛魔王が入籍してない事実婚の関係なら、牛魔王は追放される事はなかったよな? 」
セロフィート
「 牛魔王は仙人となる為の修行時代に鉄扇公主と出逢いしました。
自分から仙人の道を捨てたのです。
≪ 仙人界 ≫を追放されたのは仙人は齊天大聖孫悟空です 」
マオ
「 そうだっけ?
ごちゃごちゃしてるから分からないな…… 」
セロフィート
「 亡くなってしまった牛魔王は仙人にはなれません。
齊天大聖孫悟空が鉄扇公主と紅孩児の子供を連れ去った理由は調査中の為、未だ不明です 」
マオ
「 齊天大聖孫悟空は、鉄扇公主,紅孩児とグルって事だろ。
自分達の子供が茸の姿をした正体不明の喋る怪物に捕まってて、捕虜にされてる──って思ってるなら、救出しようと考えるのは普通なんじゃないのか?
あっち側からしたら、オレ達の方が悪者なんだろうしさ 」
セロフィート
「 確かにそうです。
齊天大聖孫悟空を言いくるめて自分達の代わりに救出させるぐらいはするかも知れません。
事実、奪還されてしまいましたし 」
マオ
「 態とらしいな~~。
どうせ本物じゃないんだろぉ~~。
本物は別の場所に保護してて、態と偽物を救出させたんじゃないのかよ? 」
セロフィート
「 流石です。
ワタシのマオだけ有ります♪ 」
マオ
「 セロだけのマオになって長いんだからさ、好い加減にピンと来るよ!
それで、齊天大聖孫悟空に何を救出させたんだ? 」
セロフィート
「 罧寧の〈 器人形 〉です 」
マオ
「 〈 器人形 〉って──。
バレたりしないのかよ? 」
セロフィート
「 罧寧の記憶を持ってますし、直ぐにバレる事はないです。
アジトの場所も判明しましたし、挨拶に行きましょう 」
マオ
「 は?
挨拶に行くって? 」
セロフィート
「 場所さえ特定出来てしまえば、転移魔法で一瞬です 」
マオ
「 古代魔法は使わないんじゃ無かったのかよ? 」
セロフィート
「 マオ、時と場合に依ります。
使い所を間違えてはいけません 」
マオ
「 何かズッコいよ…… 」
セロフィート
「 ワタシは齊天大聖孫悟空をマオの眷族に入れたいと考えてます 」
マオ
「 はぁぁぁぁ!?
何言ってんだよ。
未だオレの眷属を増やす気かよ?
もう十分過ぎるだろ 」
セロフィート
「 マオ──、ワタシは君に寂しい想いをしてほしくないです。
マオとワタシの別れは必ず来ます。
回避する事は出来ません。
マオがワタシを失っても賑やかで楽しい眷属達に囲まれて居れば寂しくない筈です。
眷属達がマオの寂しさを紛らわせてくれます 」
マオ
「 セロ…………。
誰もセロにはなれないんだぞ!
セロの代わりにもなれないんだ!!
眷属が沢山居たって、セロに会えない寂しさは消えやしないよ……。
眷属達を見る度に縁を結んでくれたセロを思い出すに決まってる!
オレの心はセロに囚われてるんだ。
2度と会えなくてもオレは生きてる限り、セロを想い続けるんだ……。
寂しさが紛れたりなんてしない… 」
セロフィート
「 時間と仲間が癒してくれます。
玄奘さん,猪八戒さん,沙悟浄さんもマオの眷属にと考えてますし 」
マオ
「 セロ!
そんなに要らないよ! 」
セロフィート
「 仙人を眷属に持つ〈 皇 〉はマオくらいです 」
マオ
「 セロ…… 」
セロフィート
「 齊天大聖孫悟空を仲間にしましょう 」
マオ
「 仲間って……。
なる訳ないだろぉ~~。
だって鉄扇公主と紅孩児の仲間なんだろ?
逆に捕まるんじゃないか? 」
セロフィート
「 マオ、そんなヘマはしません。
行きますよ 」
マオ
「 本当に行く気かよ?
分かった、行くよ。
どうなってもオレは知らないんだからな! 」
セロフィート
「 ふふふ(////)
誠心誠意、真心を込めて誠実に “ お願い ” すれば、マオの眷属になりたがります。
必ずです♪ 」
マオ
「 セロの “ お願い ” が言葉通りの “ お願い ” だった事なんて有ったか? 」
セロフィート
「 何時もです 」
マオ
「 嘘ばっかだな!
頼むから出来る限り穏便にな? 」
セロフィート
「 はいはい。
善処はしましょう 」
あっ、これは善処してくれない「 はいはい 」だな。
オレはセロの「 はいはい 」の区別が少しだけ出来る様になったんだ!
齊天大聖孫悟空か──。
セロに遊ばれるのか……。
御愁傷様だよな……。




