──*──*──*── 3ヵ月後
──*──*──*── 犖榮の街
マオ
「 漸くかぁ~~~~。
やっと≪ 犖榮の街 ≫に着いたんだなぁ~~ 」
≪ 犖榮の街 ≫に到着する前に立ち寄った≪ 秉凋の村 ≫へは無事に到着して、数日滞在をした。
≪ 秉凋の村 ≫を出発してからが大変だった。
4日後に牛魔王の配下だった妖怪に襲われた。
名前は金角と銀角って名前の厳つい双子の妖怪だった。
瓢箪を持っていて、名前を呼ばれて返事をすると吸い込まれる仕組みの摩訶不思議な瓢箪だった。
銀角の声真似にウッカリ騙されて名前を呼ばれちて返事をしたばっかりに、瓢箪の中に吸い込まれしった馬鹿なオレだったけど──、セロが居たから大した脅威にはならなかった。
何でかって?
瓢箪の中に吸い込まれても、セロが転移魔法を発動させて出してくれたからだ。
金角と銀角が持っていた摩訶不思議な瓢箪を〈 テフ 〉で構成する事だって簡単に出来てしまえるし、瓢ひょう箪たんと中身の液体だけを〈 テ原質フの源みなもと 〉に変換させる事だって出来てしまう。
摩訶不思議な瓢ひょう箪たんを自慢して調子こいてヒャッハーしている金角と銀角もセロの前では産まれたての仔猫も同然な訳だ。
因ちなみに金角と銀角はセロが〈 テ原質フの源みなもと 〉で構成した巨大な瓢ひょう箪たんの中なかに閉じ込められた。
中身が丸見えの透明な瓢ひょう箪たんで、中なかには身体からだを溶かす液体がタプタプと入はいっていた。
要ようは、金角と銀角は自力では絶対に出られないデカい瓢ひょう箪たんの中なかに閉じ込められて、身体からだが溶けて酒の一部になるのを飲まず食わずで待ってないといけない過酷な状態に陥ったんだ。
罪のない大勢の僧侶を瓢ひょう箪たんの中なかへ吸い込んでは溶けて酒の一部になるのを待って飲んでいた金角と銀角は、今度は自分達が酒の一部になるのを人間達にジロジロと見られる事になる訳だ。
完全に見世物パンダ宜しくな公開処刑ってヤツだな。
巨大で透明な瓢ひょう箪たんの管理はキノコンに任せてある。
荷車に乗せて≪ 村 ≫≪ 街 ≫≪ 都 ≫へ運んで見世物にして、笑いを届けるんだとか。
あれを見て笑えるのかは謎だけどな~~。
金角と銀角に襲われた後あとは、美女に化ばけた骨こつ女じょ郎ろうって名前の妖怪に襲われた。
骨こつ女じょ郎ろうも牛ぎゅう魔王の配下だった妖怪だ。
どっちも何なん番ばん目めの牛ぎゅう魔王の配下なのかは知らないけどな。
残念だけど、三さん蔵ぞう法ほう師し一行の中なかには骨こつ女じょ郎ろうの卑猥な術に掛かった男は居いなかった。
玄げん奘じょうさんは現役僧侶だから女性に興味を示さないし、猪ちょ八はっ戒かいさんは人じん外がい仙人だし、沙さ悟ご浄じょうも妖怪だから人間の女には興味無いみたいだった。
マオ本キノ体は──言う迄もなく、滝の様ように流れ出る涎を吸水性抜群のバスタオルで拭き拭きしていた。
人間はキノコンにとって餌だからな~~。
セロとオレは相思相愛だから、美女に変装した骨こつ女じょ郎ろうに誘惑されたり騙されたりもしなかった。
──っていうか、セロ曰いわく全身から妖よう力りょくが駄だ々だ漏れしていたらしい。
妖よう力りょくを抑えられない人間の女なんて居いやしないから、怪しさ全開だった訳だ。
三さん蔵ぞう法ほう師し一行の誰1人として騙されなかったもんだから、痺れを切らしてキレた骨こつ女じょ郎ろうが妖よう術じゅつでスケルトンを呼び出して襲い掛かって来きたから大変だった。
≪ 日にっ本ぽん国こく ≫にもデカい骸がい骨こつの “ ガシャドクロ ” って名前の妖怪が居いるんだけど、≪ 大陸 ≫にも似たような妖怪って居いるんだな~~って思った。
で──どうやって、大量のスケルトンとデカいガシャドクロに変へん化げした骨こつ女じょ郎ろうと戦ったのかと言うと──、猪ちょ八はっ戒かいさんが大活躍したんだ!
得意な土ど術じゅつを使ったんじゃなくて、神しん獸じゅうに転身して神しん技ぎを使ってスケルトンとガシャドクロ化した骨こつ女じょ郎ろうを圧倒したんだ!!
猪ちょ八はっ戒かいさん曰いわく、人じん外がい仙人は神しん獸じゅうに転身が出来るらしい。
広範囲に使える強大で強力な神しん技ぎを使って敵に大だいダメージを与える事も出来るんだ!!
猪ちょ八はっ戒かいさんが転身した姿は、巨大な猪で名前は “ 天てん崩ぽう巨きょ猪ちょ ” っ言うらしい。
土ど術じゅつだけじゃなくて、風ふう術じゅつと雷らい術じゅつまで使える様ようになるみたいで、3属性を組み合わせた妖よう術じゅつの威力は脅威になるぐらいに絶大だった。
猪ちょ八はっ戒かいさんは、「 元もとは食用豚やったんやでぇ 」みたいな事を言っていたけど、豚じゃなかったんだ。
確たしかに名前には “ 猪 ” って入はいってるけど──、姿は豚じゃん。
転身した姿も巨大な豚だと思っていたから予想外だった。
巨大な豚だったら名前は “ 天てん崩ぽう巨きょ豚とん ” だったかも??
抑そもそも戦えてたのかな??
どんな神しん技ぎを使っていたんだろう??
骨こつ女じょ郎ろうを倒した後あとも牛ぎゅう魔王の配下だった妖怪達と戦いながら進んだから≪ 犖らく榮ようの街 ≫に到着するのが大幅に遅れてしまった訳だ。
マオ
「 3ヵ月かぁ~~。
長かったよな……。
セロ、妖怪に襲われずに足あし止どめを食くらわなかったら何なん日にちで到着してたんだ? 」
セロフィート
「 そうですね、順調に進めたても1ヵ月は掛かったでしょう 」
マオ
「 1ヵ月かぁ~~。
2ヵ月の遅れを取り戻すのは難むすかしそうだな。
{ 転移魔法を使えば取り戻せるんだけどな! }」
セロフィート
「{ マオ、古代エンシェント魔法マジックに頼らないで旅をしましょう。
急ぎの旅ではないのですから }」
マオ
「{ それはそうなんだけど…… }」
玄奘三蔵法師
「 セロフィート殿どの、何なん日にちぐらい滞在されますか? 」
セロフィート
「 そうですね。
旅の疲れを癒す為にも1週間は滞在しましょう。
宿屋はマオとワタシで探します。
夕方まで自由行動にするとしましょう。
マオ本キノ体、玄げん奘じょうさんの護衛をしなさい 」
マオキノ:本体
「 お任せくださいませエリ!
怪しい輩やからは駆逐しちゃいますエリ 」
マオ
「 マオ本キノ体、程ほど々ほどだからな?
喰たべる時ときは人目の無い裏路地でな 」
マオキノ:本体
「 マオ様、心配性ですエリ~~ 」
という訳で──、セロとオレ,玄げん奘じょうさんとマオ本キノ体,猪ちょ八はっ戒かいさんと沙さ悟ご浄じょうの組み合わせで別行動をする事になった。
連絡用に猪ちょ八はっ戒かいさんと沙さ悟ご浄じょうにはマ分オキ身ノ体も同行する事になった。
マオ
「 ≪ 街 ≫だけあって宿屋も沢山あるよな。
何ど処この宿屋に決めるか迷っちゃうよな~~ 」
セロフィート
「 妖怪の沙さ悟ご浄じょうさんも居いますし、難むずかしいでしょうね。
何ど処こも断られた場合は、犖らく榮ようで1番高級な宿屋に宿泊しましょう。
宿やど主ぬしの記憶を改竄すれば、無料で宿泊が出来ます♪ 」
マオ
「 そだな~~ 」
オレにはセロを止とめる気すら起こらない……。
疲れてるんだ。
宿屋が決まるなら何なんだって良いいよ!
幾いくらでも記憶の改竄でもしてくれ──って気分だ。
セロフィート
「 マオ、見てください。
寺院です 」
マオ
「 あっ、本ほん当とだな。
やっぱり≪ 街 ≫の寺院は立派だな~~。
≪ 都 ≫の寺院の方が立派だけど。
≪ 村 ≫に在る寺院は全然立派じゃないけよな 」
セロフィート
「 立派だから素晴らしい寺院とは限りません。
寺院で説といている教えの正しさが重要です 」
マオ
「 また寺院を乗っ取って〈 器うつわキ人にんニン形ぎょうカ 〉に丸投げするんだろ? 」
セロフィート
「 伝えている教えが正しければ乗っ取りはしません 」
マオ
「 良よく言うよ。
それよりさ、犖らく榮ようは牛乳が有名なんだろ?
乳製品は何ど処こで作るんだ? 」
セロフィート
「 寺院の地下です。
寺院で作り、販売すれば、何ど処こも乳製品の真似は出来ません 」
マオ
「 セロらしいな~~。
で──、セロが乗っ取った彼あち此こちの寺院でも販売するのか? 」
セロフィート
「 当然です。
乳製品でガッポリしましょう 」
マオ
「 因ちなみにさ、どんなパッケージにするんだ? 」
セロフィート
「 セロカ君のイラストを使います 」
マオ
「 セロカ君!?
可愛いけど……寺院のマスコットにでもする気かよ? 」
セロフィート
「 それも良よいですね。
神しん幻げん水すいを使い作りますし、仮に他ほかが真似をして作ってもセロカ君印じるしの乳製品の味あじは出せません 」
マオ
「 だろうな。
神しん幻げん水すいはセロにしか出せないんだ。
誰にも真似なんて出来やしないって。
乳製品に使う牛乳だって、犖らく榮ようで作られて販売されてる牛乳よりも格段に上質な特別製の牛乳を使うんだろ~~。
敵かなう訳ないだろ。
薬物よりヤバい依存性を食べた相手に植え付けるしな~~ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
寺院でしか買えない乳製品の売り上げ金きんを寺院の維持費や修繕費に回します。
御布施制度,納付金制度を廃止し、寄賽附銭制度は残しましょう。
本来は1.000允インで販売する乳製品を初回では記念価格として500允インで販売します。
御布施制度,納付金制度を廃止する事を公表し、乳製品を大だい々だい的てきに宣伝します。
乳製品を購入した一家には儀式用経典を1冊、手渡します 」
マオ
「 儀式用経典って、セロが供養する時ときに使ってる薄っぺらい指針だよな? 」
セロフィート
「 そうです。
説法経きょう記録文もんは漢文で書かれています。
解読をして翻訳しなければ先ず読めません。
読み書きを習っていない陸りん民みんには翻訳された経典を読む事は出来ませんし、何なにが書かれているか意味も解わかりません。
儀式用経典を持参して寺院に訪れた信者には、希望者に限り無料で読み書きを教えます。
信仰心があり、信しん心じん深ぶかい信者は儀式用経典に書かれている内容を読める様ようになりたい望むでしょうから、寺院が御手伝いをします。
寄賽附銭をした信者の中なかで算術を学びたい希望者が居いれば、算術を教えます 」
マオ
「 算術に関しては寄賽附銭って形で授業料を貰うわけだな。
じゃあさ、寺子屋は作らないのか? 」
セロフィート
「 寺院の裏手に作ります。
寺子屋では未成年を対象にした学舎です。
寺院は成人対象になります。
寺子屋に通かよう子供達には儀式用経典に説とかれている内容を子供向けに分かり易い内容で読める “ ゆずり葉 ” を渡します。
子供の脳は柔軟ですから洗脳し易いです 」
マオ
「 ははは……。
言葉だけ聞いてると悪い奴の台詞だよな~~ 」
セロフィート
「 間違った洗脳をするより、正しく洗脳する方が良よいでしょうに。
乳製品でガッポリするには、乳製品のファンとなる信者が必要です。
寺子屋では10時,12時,15時と3度に渡り乳製品を食べさせ、身体からだに乳製品を慣れさせます 」
マオ
「 まるで薬やく漬づけみたいだな……。
子供の頃から乳製品の味あじを覚えさせたら、乳製品のファンは間違いなく増えるだろうな 」
セロフィート
「 そうだと良よいですね。
──マオ、あの宿屋で最後です。
交渉してみましょう 」
マオ
「 とうとう最後の宿屋か。
此こ処こを断られたら、宿やど主ぬしの記憶を改竄して高級な宿屋に宿泊が出来るんだよな!
犖らく榮ようで1番高級な宿屋かぁ~~。
楽しみだな、セロ! 」
セロフィート
「 マオ、気が早過ぎます。
先ずは交渉してからです 」
セロと話ながら色んな宿屋を回って交渉したけど、何ど処こも断られていた。
最後の宿屋の前に到着したら、セロと一緒に中なかへ入はいる。
外観は立派じゃないし、一寸ちょっとボロい感じがするぅ~~。
──*──*──*── 宿屋
中なかに入はいってると、御世辞にも綺麗とは言えない。
この宿屋に泊まるのは嫌いやかも知れない。
だけど、この宿屋に決まりそうな気もしてモヤモヤするなぁ~~~~。
セロが宿やど主ぬしに話し掛けて交渉している。
宿やど主ぬしは渋い顔をしている。
やっぱり妖怪が一緒に泊まるってのは、宿屋からしても嫌いやなのかも知れないな。
うん?
セロが布ぬの袋ぶくろを出している。
宿やど主ぬしが重そうな布ぬの袋ぶくろを抱えて宿屋から出て行ってしまった。
マオ
「 御客を置いて何ど処こに行ったんだ? 」
セロフィート
「 マオ、この宿屋を買いました。
宿屋を改装,模様替がえをし、乳製品料理を味あじわえる唯一の宿屋にします 」
マオ
「 えっ!?
かっ買ったぁ??
宿やど主ぬしは── 」
セロフィート
「 ワタシです♪
直すぐキノコン達に改装させます。
夕方には間に合うでしょう 」
マオ
「 宿屋の運営は〈 器うつわキ人にんニン形ぎょうカ 〉に任せます。
乳製品料理はキノコンに担当させます。
神しん幻げん水すいだけでなく、料理には隠し味あじに “ キノコン汁じる ” を加えます。
此こ処こに宿泊しなければ味あじわう事の出来ない料理を提供します。
大繁盛間違いなしです 」
マオ
「 依存性と中毒性を高めただけじゃん。
人じん体たいに害がいが無いのが幸さいわいだな 」
セロフィート
「 宿屋の改装,模様替がえが終る迄、観光を楽しみましょう 」
マオ
「 放っといて良いいのか? 」
セロフィート
「 キノコンに任せるのです。
問題ないです。
行きましょう 」
マオ
「 うん── 」
という訳で──、セロと一緒に≪ 犖らく榮ようの街 ≫を観光する事になった。
セロはオレの右手を握って歩き出す。
セロから指を絡めてくれるのは素直に嬉い(////)