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⭕ 雹が降る山 4


猪八戒

「 ──いやぁ~~~~いましたわぁ~~!!

  えらいごっそっさんですぅ!

  こげなべごたえのあるめしうたんは初めてですわ! 」


マオキノ:本体

「 御粗末様エリ 」


猪八戒

「 よっしゃ!

  ワテ、決めましたでぇ!!

  ワテもさんぞうほうはんの旅に同行しまひょ! 」


マオ

「 えっ、なんで?? 」


猪八戒

「 こげなめしう機会を見す見すのがす馬鹿はまへんがな~~~。

  ワテは料理に惚れましたんや!

  さんぞうほうはんの旅に同行すれば、毎食えるんでっしゃろ? 」


マオ

「 マオキノの料理がじんがい仙人の胃袋をガッチリと掴んじゃった!? 」


セロフィート

「 賑やかな旅になりますね 」


マオ

「 セロ──いのかよ? 」


セロフィート

「 これはげんじょうさんの旅ですし、げんじょうさん次第です。

  げんじょうさんは旅にちょはっかいさんが同行される事に対して、なにかあります? 」


玄奘三蔵法師

「 いえ──、とんでもないです!

  どのような理由であれ仙人様が旅に同行してくださる事はがたいです。

  ちょはっかい様、私の方こそ宜しく御願い致します 」


猪八戒

「 宜しく頼むでぇ!

  さんぞうほうはん。

  げんさつさんの神託を受けた僧侶はんと出逢うなんて機会は滅多にないさかい、しっかりととくを積ませて頂きまっせぇ! 」


マオ

ところでさ、とくってなんだ?

  どうやってとくを積むんだ?? 」


セロフィート

ちょはっかいさんの言われる “ とく ” は、人間で言うところの “ どく ” に当たります。

  世の為(世間,社会)人の為(他人)に役に立ち、ぜんを積み、どくの貯金を増やす事です。

  どくの貯金は、生まれ変わる来世あのよの自分へ黒字繰り越しされ、今世このよよりもい環境に生まれる事が出来ます。

  今世このよれだけ多くどくの貯金を出来るかで、来世らいせの宿命を変える事が出来ます。

  これも()()が残しただいじょう佛教にかれています 」


マオ

「 あぁ~~~~。

  正しいぜんを積む為には、正しいぜんの積み方をしん(諸天善神)ぶつ(,諸菩薩)に教えてもらう必要があるってヤツだよな?

  しん(諸天善神)ぶつ(,諸菩薩)()()の疎通が出来ないと無理じゃん。

  仙人ってのは誰でもしん(諸天善神)ぶつ(,諸菩薩)()()の疎通が出来るか? 」


猪八戒

「 セロフィートはん、なんでそないな事を知っとんのや 」


セロフィート

「 マオとワタシの御先祖も若かりし頃、だいじょう佛教を学ぶ為、≪ てんじく ≫を訪れた事があります。

  説法(きょう)記録(もん)の1部を写経し、持ち帰ってたのです。

  すべ説法(きょう)記録(もん)の受け売りです 」


 大嘘の大運動会だな。

 「 説法(きょう)記録(もん)の受け売り 」か。

  なんて便利な言葉なんだ。


マオ

「 ねぇねぇ、仙人のちょはっかいさんはしん(諸天善神)ぶつ(,諸菩薩)()()の疎通が出来るの? 」


猪八戒

「 仙人っちゅうんは、それを目指して世俗から離れて修行しとるんやで。

  ワテの知る仙人でほとけさんと()()の疎通が出来る仙人なんからへんでぇ。

  御師匠さんでも無理やし、≪ れいほうざん ≫で暮らしとる御師匠さんの御師匠さんも出来るとは聞いた事ないわな 」


マオ

「 えぇと…………じゃあ、れいかんは?

  仙人はれいかんを授かってないって事か? 」


セロフィート

だいじょう佛教はれいかんが無ければ理解の出来ないもんげんが多いです。

  しんだいじょう佛教は経文の学問とれいかんおうの修行,かんおう修行とを平行して修行しなければ、理解も会得も出来ません 」


マオ

「 えぇ~~~~…… 」


セロフィート

説法(きょう)記録(もん)は文字として伝えられてますけど、しんかいが失われ、或いは歪められて、コジツケ的な理屈でかれている事が多いです。

  事実が誤った解釈を招いているからです 」


猪八戒

「 セロフィートはん、あんさん教祖になれますわ 」


セロフィート

「 ワタシはくすです。

  すべて御先祖が写経された説法(きょう)記録(もん)の受け売りですし 」


マオ

すうひゃくねんあとに弟子達が作った説法(きょう)記録(もん)だもんな~~。

  れいかんの無い人間が人知だけで書き残した説法(きょう)記録(もん)だから、歪められたり、コジツケ的な理屈でかれてても仕方無いんじゃないか? 」


玄奘三蔵法師

「 あの……それは事でしょうか? 」


マオ

「 あっ──、まずった…… 」


セロフィート

「 御先祖が写経した説法(きょう)記録(もん)かれてました。

  ≪ てんじく ≫で保管されている説法(きょう)記録(もん)すべて、()()じかふでを取り、書き残した説法(きょう)記録(もん)ではなく、当時の()()や当時の弟子達を知らないすうしゃくねんも未来の弟子達が、だい(だい)かたり継がれていた()()の説法を出し合い、纏めた物が現在の説法(きょう)記録(もん)です 」


玄奘三蔵法師

「 ………………あの、()()様はじかに説法を書き残されなかったのでしょうか?

  当時にはだ文字が無かったのでしょうか? 」


猪八戒

「 いんや、文字は既に有ったでぇ。

  遥か昔──、≪ 仙人界 ≫を追放され≪ 下界 ≫にざんした数名の仙人達が人間に絵文字を教えたんや。

  時代が経つに連れ、絵文字は文字に変化していったらしいでぇ。

  そやから、文字は有った筈や 」


マオ

「 文字が有ったんなら、じき(じき)に説法を書き残したらかったのにな。

  ()()は当時の〈 とうらいぶつ 〉だったんだろ? 」


セロフィート

じき(じき)に説法を書き残さなかったのには理由が有ったのでしょう。

  〈 とうらいぶつ 〉の考えはワタシ達には分かりません 」


マオ

「 そだな…… 」


セロフィート

たしかに当時には既に文字が有ったかも知れません。

 だからと言ってすべてのりんみんが平等に教育を受け、文字の読み書きが出来ていたとは限りません。

 教育を受け、文字の読み書き学べたのは一握りのりんみんのみだった可能性も有ります 」


マオ

「 あ、そっか。

  時代的に金持ちしか教育を受けれなかったかも知れないもんな。

  限られた少数のりくみんだけが文字を読み書き出来ても意味ないんだ…。

  今の時代には学校──寺子屋も無さそうだし、文字の読み書き,算術の出来るりんみんって少なそうだよな?

  僧侶は文字の読み書き,算術を学べてるって事だよな? 」


玄奘三蔵法師

「 そうですね。

  佛門にはいれば、読み書きは学べます。

  さんじゅつ……がなにかは分かりませんが…… 」


マオ

「 えっ!?

  算術を知らないの?!

  計算だよ、算数!! 」


玄奘三蔵法師

「 けいさん?

  さんすう??

  それは一体なんなのでしょうか? 」


マオ

「 えぇ~~!?

  僧侶って計算とか出来ないの?

  マジで?! 」


セロフィート

「 どうです、に教育水準が低いか分かるでしょう。

  現在でも、このていの教育水準なのです。

  ()()が生きていた時代の教育水準がにの低いか想像が付きません? 」


マオ

「 そだな……。

 { ≪ 村 ≫に寺子屋を作っといて正解だったよな?

   文字の読み書きだけじゃなくて算術が出来るようになった未来の子供達に期待だな }」


セロフィート

げんじょうさん、旅の道中に算術を習ってみません?

  算術が出来ると金銭の勘定を正確に出来ますし、損もしなく為ります。

  おおいに旅の助けとなり、役に立ちます 」


マオ

「 そうだな。

  げんじょうさんに弟子が出来たら算術を教える事が出来るようになるし、寺子屋を開いて、子供達にだいじょう佛教の教えだけじゃなくて、読み書き,算術を学ばせる事が出来るよ! 」


玄奘三蔵法師

「 そんなにいものなのですか?

  その “ さんじゅつ ” とやらは──。

  分かりました。

  是非、私にも “ さんじゅつ ” とやらを教えて頂きたいです 」


マオ

「 決まりだな! 」


セロフィート

「 では、こうしましょう。

  マオがげんじょうさんに算術を教えます。

  げんじょうさんはマオに文字の読み書きを教えてください。

  御互いに苦手な部分を学び合ってください 」


マオ

「 セロが教えてくれないのかよ 」


セロフィート

「 ワタシはくすです。

  薬剤を作るのに忙しい身です 」


マオ

、薬剤を作ってるんだよ…… 」


玄奘三蔵法師

「 マオ殿どの、宜しく御願い致します 」


マオ

「 あ、うん。

  此方こちらこそ宜しく御願いします 」


 という訳で、だか、オレがげんじょうさんに算術を教える事になった。

 別にいんだけどな!


 教えるのは──、足し算,引き算,掛け算,割り算,分数……くらいでいかな?

 分数なんて日常生活に使う機会が有るか分からないけど、知らないよりは知ってる方がいもんな。


 だいじょう佛教でかれている〈 大自然の法則 〉や “ 自己の住位 ” だって同じだ。

 まったく知らない状態で()の生活を過ごすのと、知っていて()の生活にかしながら過ごすのとでは雲泥の差がでる。

 知っていて損はない。


 知識が増えれば選択肢も増えて、視野が広がる。

 選択肢が増えて視野が広がれば、見方や捉え方,考え方も切り替え易くなるし、自分の助けにもなる。

 なにごとぜんかいして悟りに持っていけるようにもなる。

 為になるし、い事づくめだ。


 げんじょうさんとは御互いに先生になったり生徒になったりの関係になるんだなよな。


セロフィート

「 マオ──、げんじょうさんには受け身の取り方も教えてください 」


マオ

「 は?

  受け身の取り方ぁ?

  そんなのは()オキ()()が教えてるじゃんか 」


セロフィート

「 基礎,基本は教えられますけど、実戦での応用活用はマオでなければむずかしいです。

  体術は知識だけでなく、実際に活用が出来なければ意味がないです。

  知識だけあっても、身を守れなければ、絵にいた餅です 」


マオ

たしかにな。

  じょうじゅつときも手合わせで打ち合ってるもんな。

  分かったよ、実戦に役立てるように受け身の取り方も教えるよ 」


セロフィート

「 御願いしますね。

  げんじょうさんも宜しいですか? 」


玄奘三蔵法師

「 はい。

  がたい限りです。

  みなへの土産みやげと考えています。

  教えられるように精進しまので、改めて宜しく御願い致します 」


マオ

「 うん。

  身体からだの負担にならないていにやって行こう。

  武人を目指す訳じゃないんだし、無理せず覚えよう 」


猪八戒

「 セロフィートはん、ワテにも “ さんじゅつ ” を学ばしてぇな。

  ゼニの勘定に困らんようになるならワテも知りたいわ 」


セロフィート

「 分かりました。

  マオ、ちょはっかいさんにも算術を教えてください 」


マオ

()オキ()()るじゃんかよ 」


セロフィート

げんじょうさんも1人で習うより、一緒に習う相手がた方が退屈しないと思いますし 」


マオ

「 退屈って──。

  オレの教え方が “ っぴぃ ” みたいな言い方しやがってぇ~~! 」


セロフィート

「 御願いしますね 」


マオ

「 わかったよ。

  ちょはっかいさんにも算術を教えるよ。

  ちょはっかいさん、宜しくね 」


猪八戒

「 ワテの方こそ宜しゅうたのんますわ 」


 ちょはっかいさんにも算術を教える事になるなんてなぁ~~。

 ──っていうかさ、仙人って文字の読み書きは出来ても計算は出来ないのかよ?

 オレ、そっちの方が吃驚だよ!!


 オレですらしょうはいる前からマーフィに簡単な算術を学ばされたってのに……。

 マーフィにがとうだな。

 今度、会うときには土産みやげを持参しよっと。

 なにいかな~~?


マオキノ:分身体

「 御待たせ致しましたエリ。

  くちなおしに食後のデザートですエリ。

  御賞味くださいませエリ 」


マオ

がとな、()オキ()()


マオキノ:分身体

「 お代わりも御用意していますエリ 」


玄奘三蔵法師

「 ……………この黄色くてプルンプルンしているのはなんですか?

  初めて見ますね 」


猪八戒

「 うっひょぅ~~!!

  なんやねん、コレわぁ!?

  ワテも初めて見るわ~~ 」


マオキノ:本体

「 “ プリン ” と言う名前のスイーツですエリ。

  食後のデザートように甘さを控え目にして食べ易くしてますエリ 」


マオ

「 プリンかぁ!

  久しりだなぁ~~。

  いただきまぁ~~す♥️ 」


猪八戒

「 ワテもいただきますわ 」


玄奘三蔵法師

「 マオキノ殿どのがたく頂戴致します 」


マオキノ:本体

「 どうぞ、御召し上がりくださいませエリ 」


 プルンプルンしてしたざわりのいプリンは滑らかだ。

 甘さ控え目だから、いくつでも食べれてしまう。


 お代わりをしたら、()オキ()()からは鍋にはいった状態のプリンを出された。

 流石だよ、分かってるじゃんか!

 鍋プリン、最高ぉ~~~~♥️♥️♥️

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