表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/67

⭕ 雹が降る山 1


──*──*──*── 3日後


──*──*──*── 生い茂る森


玄奘三蔵法師

「 ──この先に噂の山が在るのですね…… 」


マオ

「 森を抜けないと雹が降る山に行けない──ってのは面倒だな…… 」


セロフィート

「 仕方無いです。

  川の増水で橋が流されてしまったのは誤算でした 」


マオ

「 こんなとおまわりしなくても新しい丈夫な橋を〈 (原質)(みなもと) 〉で構成したらかったんじゃないのか? 」


セロフィート

「 “ 急がば回れ ” と言いますし 」


マオ

「 急いでないだろ 」


セロフィート

「 急ぎでないならとおまわりしても問題無いでしょう 」


マオ

「 こうなる事を始めから狙ってたんだろ!

  情報収集に3らないし、3も待たなきゃ雨に降られる事もなかった!

  川が増水する前に山へは行けてたろ! 」


セロフィート

「 旅にアクシデントは付き物です。

  楽しみましょう♪ 」


マオ

「 楽しいのはセロだけだろが! 」


玄奘三蔵法師

「 まぁまぁ……マオ殿どの、森を抜ければいだけですし 」


マオ

げんじょうさんも怒っていんだからな! 」


玄奘三蔵法師

がとう御座います。

  私は大丈夫です 」


セロフィート

「 暗くなる前に森を抜けましょう 」


マオ

「 絶っ対に確信犯だろ! 」


セロフィート

「 マオ、山への1本道を作ります。

  先頭を歩いてください 」


マオ

「 分かったよ。

  戦闘もオレに丸投げする気、まん(まん)だな! 」


 セロが古代エンシェント魔法マジックを使って、生い茂る草木を動かして道を作るってくれる。

 まるで森版のモーゼの十戒だ。


セロフィート

「 これで歩き易くなりました。

  行きましょう 」


 歩き始めた〈 うま()にん(ニン)ぎょう() 〉の背丈が縮む。

 〈 うま()にん(ニン)ぎょう() 〉にまたがっているげんじょうさんの背丈が立っているセロより低くなった。


 しんちゅうを歩いていると森で棲息している猛獣と遭遇してはなんも襲われた。

 オレが猛獣を相手にして戦っている最中、セロはなにもしない。

 もの事だ。


 しんちゅうには珍しい山菜,薬草,果実なんかも有るみたいで、セロは裏野ハイツからマオキノを転移召喚して、珍しい山菜,薬草,果実なんかを採取させている。

 とうのマオキノは分裂して、分身たいに採取の作業を任せている。

 マオ()キノ()は分身たいと手分けをしなかまら、オレが倒した猛獣をテキパキとぎわく解体している。


マオ

「 やけに猛獣にくわすな~~。

  相手にするの疲れるよ 」


セロフィート

「 妖怪でなくてかったですね 」


マオ

「 思ってないだろ!

  それにしても、そんなに採取してどうするんだよ? 」


セロフィート

「 マオ、ワタシはくすです。

  くすりを作るには材料が必要でしょう 」


マオ

「 〈 (原質)(みなもと) 〉で構成しろぉ!! 」


マオキノ:本体

「 セロ様、大量ですエリ!

  これなら≪ ひんちょうの村 ≫で商売が出来ますエリ 」


セロフィート

「 これから寒くなります。

  冬支度を始める前に持ち込めば、丁寧に下処理をした毛皮,肉は高値で売れます 」


玄奘三蔵法師

「 セロフィート殿どのは先を見越して行動されているのですね 」


マオ

げんじょうさん、感心しなくていからね。

  それにしても、どの猛獣も異様なほどに殺気ってたよな?

  なんでだ? 」


マオキノ:本体

「 森から出て人間の≪ 村 ≫でも襲いそうな勢いでしたエリ 」


玄奘三蔵法師

「 雹と関係が有るのでしょうか? 」


セロフィート

「 先ずは森を抜けましょう。

  マオキノ、分身たいには採取の序でに森のすみ(ずみ)迄、調査をさせなさい 」


マオキノ:本体

かしこまりましたエリ! 」


セロフィート

「 ワタシ達は先へ進みましょう 」 


 森の調査は()オキ()()達に任せる事になった。

 森に棲息する猛獣を狩り尽くしたりしないよな??

 一寸ちょっと心配だったりする。






 取り敢えず、森は抜けた。

 森を抜けた先には山が在る。

 これから山を登らないといけないのか……。


セロフィート

今日きょうでキャンプをしましょう。

  夜に山を登るのは自殺行為です 」 


マオ

「 そんな常識がセロに有ったなんて吃驚だよ!

  もなら夜でも構わず登山させるくせに!

  どういう風の吹き回しだよ? 」


セロフィート

「 はい?

  げんじょうさんがるからに決まってます。

  マオだけなら夜でも登山します 」


マオ

ひどい扱いの差だぁ~~ 」


セロフィート

げんじょうさんに無理はさせれません。

  夜の山は冷えますし 」


マオ

「 ………………オレにも優しさを向けてほしいよ! 」


セロフィート

「 ワタシはもマオに優しいです 」


マオキノ:本体

「 キャンプの準備はボクに任せてくださいませエリ!

  マオ様ぁ~~、に使う枝を集めててくださいませエリ 」


マオ

「 マオキノの分身たいが集めてくれてたんじゃないのか? 」


マオキノ:本体

「 予備の枝が欲しいですエリ 」


マオ

「 分かったよ……。

  猛獣を倒しまくってオレも疲れてるんだからな! 」


マオキノ:本体

「 お願いしますエリ 」


セロフィート

「 マオ、このカゴって枝集めしててください 」


マオ

「 どんだけ枝が必要なんだよ!!

  薪を〈 (原質)(みなもと) 〉で構成しろぉ!! 」


 オレはセロが出した大きなカゴを背中にうと再び森の中へはいった。

 セロもマオ()キノ()も人1倍に頑張ってるオレに対する扱いがひどい気がする!!

 げきおこプンプン丸だプン!!











──*──*──*── キャンプ地


 オレが森でたきに使う予備の枝を拾い終わってキャンプ地へ戻ってると、即席のかまどが作られていた。

 薪を使っているのか暖かそうな火が燃えている。

 オレがわざ(わざ)枝を拾いに行く必要なんて無かったんじゃないのか?


マオキノ:本体

「 マオ様、お帰りなさいませエリ。

  温かいスープを用意してますエリ。

  座って飲んでくださいませエリ 」


マオ

「 マオキノ……。

  オレが枝を拾いに行く必要なんて無かったよな?

  枝じゃなくて薪を使って火をいてるもんな! 」


マオキノ:本体

「 そんな事ないですエリ。

  枝は使わせて頂きますエリ 」 


 オレが背中にっていたカゴ()オキ()()が受け取るとかへ持って行った。

 オレはマオ()キノ()から椅子にうなされる。

 椅子には柔らかいクッションが敷かれている。

 オレがクッションの上に腰を下ろして座るとマオ()キノ()からスープのはいった木製のうつわを受け取った。


マオ

身体からだが芯からあったまるな。

  セロとげんじょうさんは? 」


マオキノ:本体

さんぞうはテントの中で写経をされてますエリ。

  セロ様はテントの前で読書されてますエリ 」


マオ

「 また読書かよ……。

  疲れてヘロヘロなオレに枝拾いなんかさせといて、自分は読書かよ。

  い気なもんだな! 」


マオキノ:本体

「 マオ様、随分とズタボロになってますエリ~~。

  枝を拾いに行った先でなにか有りましたエリ? 」


マオ

「 兎が飛び出してた弾みで足を滑らせて落ちたんだよ。

  拾った枝を拾いなおすのに苦労したんだ。

  まったく、迷惑な兎だった! 」


マオキノ:本体

ゆうまえには掃除クリーン魔法マジックよごれを落としてくださいませエリ 」


マオ

「 分かったよ。

  そっちはなにも起きてないか? 」


マオキノ:本体

「 異常なしですエリ。

  キャンプ地の周辺に分身たいを配置してますエリ。

  なにか有れば独断で始末しますエリ 」


マオ

「 独断で……。

  それはこころづよいな…… 」


マオキノ:本体

「 料理が出来る迄、だ時間が掛かりますエリ。

  セロ様と一緒に読書をされてはどうですかエリ 」


マオ

「 読書なんかしたら寝ちゃうだろが。

  このままよごれた状態でセロに抱き付いてやるんだ! 」


マオキノ:本体

「 マオ様、悪い子ちゃんですエリ~~ 」


マオ

「 これぐらいの仕返しをしたってバチは当たらないだろ!

  今からオレがセロにするのは、自分だけラクしてるセロに対するバツなんだ! 」


マオキノ:本体

「 マオ様は恐い者らずですエリ。

  そんな事したら普通は〈 (原質)(みなもと) 〉に変換されちゃいますエリ~~ 」


マオ

「 どっちかって言うと実験台モルモット行きだろ 」


 という訳で──、オレは抜け足,差し足,忍び足で、セロがるテントの前に移動した。

 テントの前に座って読書をしているセロの背後に回ろうとしたら、森の方からガサガサガサッ──と大きなおとが聞こえた。


マオ

「 なっなんだぁ!? 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  マオのビビりさん♪

  どうしました? 」


マオ

「 セロの仕業かよ! 」


セロフィート

「 失礼ですね、違います。

  御客様みたいです 」


マオ

「 日が暮れる時間にかよ? 」


セロフィート

ときるものです。

  お出迎えするとしましょう 」


マオ

なんでだよぉ~~~~。

  ()オキ()()に任せればいだろぉ 」


セロフィート

「 そんな泥だらけな姿でワタシに抱き付こうとしたのは誰です? 」


マオ

なんで知ってるんだよ…… 」


セロフィート

「 丸聞こえでした。

  行きましょう、マオ 」


マオ

「 ちぇ~~ 」


 とか言いながら、残念な振りをしつつ~~~~の、オレは背後からセロの腰に抱き付いてやった!!


マオ

「 どうだ、油断しただろ! 」


セロフィート

「 マオのさん。

  ≪ ひんちょうの村 ≫に着いたら『 いいこと 』しましょう♪ 」


マオ

「 ……………………オレが悪かったよ……。

  マジで御免なさいです!

  許してくださいっ!! 」


セロフィート

「 駄目です♥️

  覚悟しといてください 」


マオ

「 はい………… 」


 あぁ~~~~セロの地雷を踏んじゃったな……。

 オレ、終わったぁ~~~~!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ