表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生少女は色のない魔法で無双する  作者: 小谷草
第1章 色のない魔法使いは領地ですくすくと成長する
51/395

第51話 空を飛ぶ闇魔

「今代の星持ちにこんなところで出会えるとはな。ふふふ。私は運がいい。お前の首、魔王様に供えてえてやろうではないか」


 闇魔がそう言うと、隣で宙に浮いていた魔物たちが勢いよく飛び出してきた。あれはビックバット。巨大なコウモリ型の魔物だね!


「させるかよ!」

 グスタフがその一帯に斬りかかる。グスタフは私たちの護衛のために控えていてくれたんだよね。戦う機会が得られてうれしいのか、彼は笑顔で大剣を振るっている。


「私の娘に触らせるわけがないでしょう!」


 叔母さんが、ラーレのほうに向かおうとしたビックバットに、勢いよくムチを放つ。


 叔母さんって、なんか女王様って言いたくなるような風格があるよね。使ってる武器もムチだし。


「あれ? でも叔母さんがムチを使うってことは、闇魔法を使う気になったってことかな? 鞭で攻撃すると同時に闇魔法を使うのが、バル家で使われていた戦術らしいし」


 叔母さんが打ち据えた魔物は、闇魔法の効果なのか、確実にスピードを落としていく。その隙を、グスタフは逃がさない。着実に追いついて仕留めていくんだけど・・・。


「魔物ばかりに気を取られていていいのかな! 私もいるんだぞ!」


 闇魔は羽をはばたかせ、さらに1、2歩ほど上空に上がると、アメリーに再び狙いを付けた!


「キョオオオオオオオオ!」


 闇魔が頭から突っ込んでくる!


「くっ!」


 アメリーは横に飛んで躱すが、体勢を大きく崩してしまう。闇魔は地面に降りると、再び爪を構えて突撃してきた!


「危ない!」


 私は思わず叫ぶ。アメリーとは距離がある。すぐに守りに行くことなんてできないよ!


 でも・・・・。


「くっ! そうそう好きにやらせるかよ!」


 グスタフが闇魔の爪を剣で受け止めた。


「グスタフ! やるじゃん!」


 私がほめるが、グスタフは厳しい表情を崩さない。


 グスタフは前蹴りを放って距離を作ると、大剣を大きく振りかぶった。


「どらああああああああ!」


 大剣の一撃が、闇魔の頭上に振り下ろされた!


「ふっ」


 闇魔が邪悪に笑った。


 グスタフの大剣は、しかし闇魔の魔力障壁に阻まれてしまう。


「クッソオオオオ! またかよ! また俺の剣は通じないのか!?」


 グスタフが悔しそうに叫んだ。


 そうか、グスタフは前も渾身の一撃が、闇魔の魔力障壁に阻まれたんだよね。近接戦闘が得意なグスタフからしたら、こんなに悔しいことはないかもしれない。


「吹き飛びなさい!」


 闇魔が右手をかざすと、グスタフは勢いよく吹き飛ばされた。


「くっ! 好きにさせるわけには!」


 叔母さんが鞭を振るうが、闇魔は魔力障壁でその一撃を簡単に防いでしまう。そして手をかざすと、叔母さんも一瞬で吹き飛ばされてしまう。


「さて、邪魔者はいなくなったな。魔物たちも追いついてきたようだし」


 闇魔がアメリーを睨んだ。


 アメリーは気圧されたように一歩下がった。


 闇魔の言葉通り、前からコボルトの群れが走り込んでくるのが分かった。コイツ! あらかじめ数体の魔物を伏せていたな! しかも私の妹を怯えさせるなんて! ただで済まされると思うなよ!


「きえええええええ!」


 私は全身に魔力を循環させた。


 そして――。


「秘剣! 鴨流れ!」


 素早く接近すると、闇魔に横薙ぎに一閃した!


「なっ! ばかな!」


 私の剣閃は闇魔の魔力障壁を引き裂いたものの、仕留めるには至らない。胸を浅く斬り裂いたに過ぎなかった。


「くっ! 次で!」


 私は上段から剣を振り下ろそうとするが、闇魔は上空へと逃れていく。


 私は悔しくて上空を睨みつける。上に逃げられたら、私の剣が届かないじゃない!


「ふ、ふふふ。ここに攻撃する手段はないようだな」


 闇魔がニヤリと笑う。遠距離魔法が使えない私には、上空にいる闇魔を倒すことなんてできない。


 でもね、ここには私だけがいるわけじゃないんだよ!


「食らいなさい! レイ!」


 アメリーが火魔法で顔を狙った。


 火線が闇魔の顔に直撃すると、闇魔はたまらず数歩下がった。


「くっ! やるな! だが私を倒せるほどでは!」


 闇魔が空中で静止してアメリーを睨む。


 そしてその表情は驚愕に染まった。


 アメリーの後ろで、ラーレが黒い炎を作り出したのを見て!


「バカな! なんだ、その炎は! ま、まさかお前は!」


 ラーレが闇魔に向かって右手を突き出した。


 そして――。


「燻り、焼き尽くせ」


 ラーレの右手から黒い炎が発射された。


「くおおおおおおおお!」


 闇魔がとっさに右手を突き出すが、黒い炎はその魔力障壁を簡単に突き破った。


 体の右側を焼かれながらも、闇魔は驚愕の表情を浮かべていた。


「ば、ばかな!? そんなバカな! こちらの障壁が、一瞬で!」


 黒い炎は闇魔の右半身をあっという間に炭へと変えていた。


 闇魔の右羽も一瞬で燃え尽きていた。これじゃあ、飛び立つことなんてできそうにない!


「く、くそぉ! このままやられるわけには! お前たち! 後で覚えていろよ!」


 飛べなくなった闇魔は、それでもすごいスピードで北のほうへと身をひるがえす。


「あ! 逃がすか!」


 私は追おうとするが、いつの間にか現れたコボルトの群れに行く手を防がれた。


「邪魔を、するなぁ!」


 私はコボルトの群れに剣を振るった。


 アメリーもきっちりと援護してくれた。


 それでも――。


「くっ! 逃げられたってこと!?」


 私たちがコボルトの群れを倒すころには、闇魔の姿はどこにも見えなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ