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転生少女は色のない魔法で無双する  作者: 小谷草
第4章 色のない魔法使いと貴族と王族と
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第199話 南領の動向とライムント

 北から第2王子が帰還した。北の貴族に配慮した戦いを繰り広げた人らしく、北の貴族は喜ぶ声と残念がる声が半々だったらしいってドロテーさんが言ってた。まあ騎士団長はそのまま残っているから、戦力的には大きく減少することはないらしいけどね。


「側近たちを王城の広間に集めて、第一王子の廃太子が告げられたでござる。拙者たち影も、あのお方から解放されたでござるよ。あ、拙者たちは陰ながら英雄のダクマー様をお守りされることになったでござる。王家の客室でしっかり守ったことを評価されたでござるよ。いや~、見る人は見てくれてるものでござるなぁ」


 どこか得意げに言うヨッヘム。なぜかこいつ、定期的にうちに飯を食べに来るようになったんだよね。でもここ、女子寮ですから! 男子禁制じゃあなかったの?


「まあヨッヘムがパワハラから逃れられたのはよかったけど。でも本当に第一王子の勢力はなくなったの? ライムントは相変わらず学園で偉そうにしてるけど」


 そう。原因の一人であるライムントを学園で見かけることは多いんだよね。いつも偉そうだけど、護衛に当たり散らしたりする姿を見かけている。


「でも貴族の援護はかなり小さくなったでござるよ。なんか、フランメ家ともまたもめたそうでござるし。ライムント様がフランメ家との約束を全然守らなかったそうで、フランメ家のご当主がかなりご立腹だったそうでござるよ」


 なんでもフランメ家の当主は貴族をきちんと尊重するよう要望を出していたそうだ。ライムント様は口では応じたものの、相変わらず行動は変わらなかったそうで。


「本人は自分はちゃんとしていると言っていたけど、外から見たら全然変わらないって感じだったらしいでござる。フランメ家は再三注意したけど変わらなくて、最終的にハイデマリー様からも厳しく叱責されたようでござる」


 まあ、ハイデマリーもプライド高そうな感じだからね。俺様気質のライムントとは合わないと思っていたんだけど、やっぱり仲違いしちゃったか。


「じゃあ、ライムント先輩を担ぎ出そうという貴族はもういないんですか?」


 夕食を食べに来たアメリーが疑問を口にした。なんか、よくわかんないんだけど夕飯の時間になると、アメリーも私の部屋にご飯食べに来るんだよね。元ラーレの護衛の双子も今はアメリーの護衛になってるし、今はグレーテと3人で協力しながら護衛してくれてるんだよね。


 コルドゥラやグレーテたちは交代で護衛しながら、夕食を取っている。たくさんご飯作らなきゃいけないカリーナは大変だよね。まあ、ラーレもアメリーも手当てを渡しているらしく、カリーナはホクホクだ。なんか私は主人なのになんも渡してなくて申し訳ない気持ちになる。カリーナ本人は「ダクマー様の分はちゃんと当主様から給料いただいてるので気にする必要はありません」って言ってくれてるんだけどね。


「それが、そうでもないのでござる。フランメ家のライバルのゲルド家や中央のゴルドー家やハノーヴァ家、西のウェルボル家なんかは、未だにライムント様を支持しているでござる。ライムント様をトップに据えて傀儡にしようとしているように見えるでござるが・・・。うまくいくとは思えないでござるよ」


 う~ん、ライムントが貴族として生きるなら変わらないといけないといけないと思うけど、支援してくれる人がいる限り難しいのかも。貴族ってやつはやっぱりよく分からないよね。


「まあライムントのことは正直どうでもいいんだよね。それよりやっぱりフランメ家だよ。第一王子派と揉めたんなら、もう無茶はできないよね?」


 ライムントのこととかどうでもいい。私にとって重要なのは、ラーレが気持ちよく生きていけるかどうかだ。


「う~ん、それはどうでござるかな。南をまとめられる『炎の巫女』に対する執着は強くなってると感じるでござる。巫女がいないと動かせない魔道具もあるという話でござるからなあ。南の女子寮を巫女のために改造しているという情報もある。油断は禁物でござるよ」


 へ? 寮を改造ってなに?


「そういえば、南の子から聞いたことあります。領の警備がすごく厳重になってるって。王都で活動する南の貴族がよく訪ねてくるようになったし、巫女にしか使えない魔道具も運び込まれたそうです」


 アメリーは相変わらず情報収集に余念がないみたいだ。王都の貴族を集めて結束を強めてるのは分かるけど、寮を要塞化してるってどういうこと? お金持ちのやることって怖いんだけど!

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