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転生少女は色のない魔法で無双する  作者: 小谷草
第4章 色のない魔法使いと貴族と王族と
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第187話 救援の必要性 ※ ラーレ視点

※ ラーレ視点


 宙に飛ぶのは風の闇魔の特徴だ。確かに前に見た風の闇魔は空を飛んでいたようだけど・・・。


「くっ。気づかれたか! だが、炎の巫女はここで葬らせてもらうぞ!」


 闇魔は手で何かを挟み込むように構えた。すると、両手の間に風の弾が現われたのが分かる。かなり強力な魔法みたいだけど、でも!


 私は迎撃しようとあの秘術を構えた。風に強い火の魔法なら!あいつを倒すことだってできるはずだ!


 しかしその時、私の前に素早く人影が立ち塞がった。


「ラーレに何するんだ!」


 私の前に現れたのはダクマーだった。


 え? この子、別の場所を探索していたはずだよね? なんでここにいるの?


 私が驚いている間に、闇魔の魔法が放たれる。私をかばうように立ったダクマーは、闇魔の魔法を避けることなく受け止めた!


「アンタ! アンタなら簡単に避けられるでしょうに!」


 そう。ダクマーはホルストと違って攻撃を耐えるタイプじゃない。それにあの程度の魔法だったら、私だって避けられるのに!


 風の弾がダクマーに直撃した。風は刃となってダクマーを傷つけた。だけどダクマーは傷を気にすることなく闇魔を睨んだ。


「卑怯者! 降りてこい! 降りて、私と戦いなさい!」


 ダクマーは叫ぶけど、闇魔が降りてくるわけないじゃない! 反撃されないように、上から魔法を撃ち続けるのに決まってる!


 苦戦が予測されたその時、闇魔に向かって一筋の閃光が伸びていった。赤い光の束は、闇魔の肩を貫いていく。


 え? 何が起こったの!?


「ちっ! 仕留め損ねたか!」


 吐き捨てたのはフェリクス様だ。フェリクス様が、騎乗しながら槍を投擲したようだった。


 闇魔は一瞬バランスを崩したものの、すぐに態勢を戻し、そのまま東の方に逃げていく。


「くそっ! 逃がすか!」


 フェリクス様が闇魔を追っていく。そしてあっという間に、2人の姿は見えなくなった。


「ラ、ラーレ! 大丈夫!? ケガはない?」


 心配そうに尋ねるダクマーに、思わず怒鳴り返した。


「何しに来たのよ! アンタがいなかったら魔法で反撃できたのに!」


 ダクマーはびくりと震えるが、すぐに言い返した。


「だって闇魔が出たんだよ!? ラーレって戦闘に出るの初めてのはずだよね? 危ないマネ、させるわけがないでしょう!」


 ダクマーは言い返してくる。でも、闇魔の攻撃でこの子は傷だらけになってしまった。私はあいつの魔法を避けることができたし反撃もできたはずだ。でも、彼女が前に立ちふさがったせいで、何をすることもできなかったのだ。


「私のせいで傷だらけになって! そんなんで私が喜ぶと思うの!? 私をかばう必要なんてないでしょう! 私だって、敵の攻撃を避けることくらいできるんだから!」


 私は思わず怒鳴り返した。


 あの公開処刑の一件から、ダクマーは私に過保護になった。この子に守ってもらうなんて望んでいないのに。私は、この子と一緒に戦いたいけど、いつも庇ってもらうつもりはないのに!


 さらに言い返そうとするダクマーを止めたのはフェリクス様だった。


「お前たち、それくらいにしろ。悔しいが、闇魔に逃げられたようだ。情報を持っていかれたかもしれん」


 いつの間にか戻ってきたフェリクス様は悔しそうに吐き捨てた。そんな私たちに、エッボ先生がため息混じりに話しかけた。


「とりあえず、学園に戻りましょう。今回の一件、学園長にきっちりと報告せねばなりません。言い合いは、あとでもできますからな」


 私たちはまだ口論したりなかったが、このままここにいるわけにはいかない。不承不承、エッボ先生に従うことにしたのだった。

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