第八十九話 契約
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「ありゃりゃ。もうバラしちゃったか。まあいいよ。―ボクの名はシーファ改めルシファー。傲慢の魔王さ。この名前では初めまして、だよね?シェード。」
ルシファー……傲慢の魔王……
「なら、なんでお前はここにいるんだ!」
そう、まず気になるのはそこだ。魔王を含めた高位の魔族は領地内を出ることが出来ないとされているはずなのだ。それがどうして……
「なんだ、そんなことか。出ることが出来ない、ではなく正確には出ると大幅な弱体化を食らうというだけなのさ。まあボクにはそんなことも関係ないけどね。」
大幅な弱体化を食らうだけ……まあ戦争中に弱体化してまで前線に来ようとする魔王なんていないか……けどそんなの関係ないってどういう意味だ?魔王様を捕えてるこの鎖がこのルシファーの能力なのか?
「おっと、その顔は少しぐらいボクの能力にアタリがついた感じかな?ボクが呼ばせておいて悪いけど君に邪魔されても困るしね。ちょっとおとなしくしててもらおう。『傲慢の鎖』」
地面から鎖が伸びて俺を拘束した。最初は全然強いとは感じなかったのに、この鎖は解こうとすればするだけ強度が増していく。
「気になるかい?なら教えてあげよう。その『傲慢の鎖』は縛ること、拘束することに特化した技だ。傲慢の魔王であるこのボクから逃げようなんて、それこそ《傲慢》じゃないのかい?」
落ち着け、頭を回せ、脳をフル回転させろ。ルシファーが今言った情報から推察するに、《傲慢》の感情、つまりこの場合ならこの鎖から解放されたいと願う気持ちがこの鎖を強くしているのか!
「気づいたみたいだね。落ち着いたようだ。ならボクも早く用事を済ませなきゃ危険だね。」
「なら単刀直入に言うよ。―ボクと手を組まないかい?」
は?
「貴様はいつもこのような手しか取れんのだな。父上から聞いた通りだ。―同盟の件、了承しよう。」
「え?いやちょっと待うぐッ!」
「今いい感じに決まりそうなんだから黙っててくれるかな?シェード。」
ルシファーが少し怒気を孕んだ声で告げる。たったそれだけで俺は恐怖した。
「我の民を攻撃するのは止めてくれないか。特にそこにいるシェードは我が国の中でも随一の冒険者なのだ。」
「はぁ……わかったけど、次口を挟もうとしたらわかんないからね?」
俺の口に伸びてきていた鎖はなくなった。けれど俺自体を拘束している鎖はついたままだ。
……いや、ちょっと待て、ルシファーはなんで交渉を持ちかけに来といて俺たちを拘束してるんだ?他の側近たちも拘束されてるし……
「じゃあもっと同盟の話を進めようか。」
二人は同盟についての話を進めていった。かいつまんで説明すると、これから戦争の激化がさらに加速する。それで生き残るために同盟を組みたいんだと。結局残るのは一つなんじゃないかと思うのだが、俺はアスモデウスを殺したが、殺さないでおくことが普通なんだとか。それに魔族序列的なのがあってこの戦いはそれを決める戦いでもあるらしい。そのためにも生き残ること最優先なんだとか。
「おっけー、じゃあボクはもう帰るよ。今日はゴメンね。」
そうルシファーが言うと俺たちを拘束していた鎖を解いた。そして一瞬で姿を消した。
「ふぅ、やっと終わったか。いきなり呼び出してすまなかったな。」
「いや、別に……そういえばなんで魔王様は拘束されてたんですか?」
気になったことを聞いてみる。
「ああ、それはだな、我らの方が圧倒的に強いからだ。」
詳しく聞くと、スキルは問題なく使えていたように見えたが、あれでも弱体化を食らっており、ステータスに至っては全部1に近いらしい。それは……確かに拘束しないといけないな……
「まあ弱体化された、といってもその中でスキルを使えるのはあいつ位なものだがな。」
なにか特殊な効果があるのかはわからないが……あいつは強い。それこそ色欲の魔王アスモデウスなんて目じゃないくらいには強い。俺が最強を目指すのならあいつも超えないといけないんだな……まだまだ上がいるな。俺ももっと頑張るぞ!
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