第八十五話 加速する戦争
また別の日、ログインした俺は街の様子がおかしいことに気が付いた。具体的には街全体が慌てふためいているのだ。なにがあった?と思い情報の入手を開始する。そして入手出来た情報は他国についてのことだった。
嫉妬の国が暴食の国を攻めたそうだ。とは言ってもつい3時間くらい前の話らしくて暴食軍も嫉妬軍をなんとか食い止めている状況なんだとか。そしてなんでこんなにも慌てているのかというと戦争の激化に伴い悪魔の樹木の急成長が始まったからだとか。悪魔の樹木にどんな力があるのかは俺たちにもわからないが魔王様が警戒するってんならそれほどのもんなんだろう。
そして街を散策していた俺に念話が届く。魔王様からだ。恩恵がレベル4に達したら念話が可能になるらしい。領地内のみではあるらしいが。
《シェードよ。其方、此度の戦争の話は耳にしたか?》
《はい、もちろんす。》
《それで頼みなのだが、その戦争を見に行ってみてはくれぬか?参加はしなくてよい。見て状況を伝えてくれればよいのだ。》
ということらしい。それにしてもなぜ?と思ったがこれからに備え、強力な戦力の確認をしたいらしい。だがそれが出来る人材は領地内から出られないという制約がかけられているらしく、唯一出来るのが俺とブレイブで、今ブレイブはいないから俺に白羽の矢が立ったということらしい。俺も見てみたいとは思っていたし全然構わないのだが俺もずっと見れるわけじゃないんだがな。
《ずっと見れるわけではないですけどわかりました。行ってきますよ。》
《そうか、助かる。其方のタイミングでよいので行ってきてくれ。》
なんで、俺は早速飛んできた。戦争が行われているのは第四の街。俺たちはまだ解放できてない場所だ。パッと見た感じだが、だいたい1万対1.5万って感じだ。NPCも結構戦ってる感じみたいだな。それでも人数の有利には勝てないのか嫉妬軍がやや優勢のように見える。ん?嫉妬軍は全員炎系の魔法を使ってる?おかしくないか?誰かが流行らせたか、スキル共有みたいなスキルがあるのか、恩恵の一部か、だな。
お、暴食側も恩恵と思わしきスキルを発動したぞ。魔法を喰らった?それにNPCの死体も喰らったのか?それから急に動きが速くなった。”暴食”の名の通り何か喰らうと強くなる感じの恩恵とみてよさそうだな。けどこれはソロ向きな能力だと思うのだが。
なんだなんだ?暴食軍から一人、先ほどたくさん喰って強くなったやつが前に出て行った。なぜかと言われると邪魔になるから……かな?圧倒的力を持ってない限りそんなことをするよりも数を使った方が有利に決まってる。それほどの自信があるのか?うおっ!
速い!さっきより数段も!身体強化か?それにしては上がり幅が大きいような……基礎値が上がってるのか?それが暴食の恩恵?警戒が必要みたいだな。
嫉妬軍は蹴散らされてってる。その一人に続くように暴食軍も戦闘に参加する。押され始めた嫉妬軍は炎を合体させはじめた。前衛は守りを全力で固め、後衛が炎を準備する。そして炎を合体させ終わったのか、暴食軍に向かって放り投げた。そして暴食軍はその一人を残して壊滅したのだった。
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