第八十四話 帰還
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そして始まった第二ラウンド、先手を取ったのはフルールの方だった。
完全な人型となり突っ走ってくるフルールは、速度じゃシェードには勝てないとわかっているので【闇のオーラ】を纏いながら走ってきた。これに触れるとどうなるかわからないシェードとしては触れたくないが、攻撃には触れる必要が出てくる。また、魔法攻撃に移ろうもんならそのまま距離を詰めてくるので回避に徹するほかなかった。
「『結界』」
張った結界はパリンと一瞬で割れる。割れたのはあのオーラが結界に触れてからだ。効果の予測は今のところ触れた対象の破壊。だが、そんな強力なスキルが無制限に使えてもよいものだろうか。俺はオーラの効果の解明に取り掛かることにした。
「『結界』」
大量に結界を展開する。オーラに触れても確実に壊れるわけではないらしい。だが、耐久値が減っていっているのは確実だ。だからオーラに触れてるものに継続ダメージかとも思ったがオーラに触れる時間が短い結界の方が触れる時間が長い結界よりも早く壊れるものもある。耐久値は全て同じだ。どういうことだ?触れる……場所?そうか、オーラの発動の中心はフルール、フルールに近い結界の方がすぐに割れてる。だから、オーラに触れてるものに継続ダメージが正解で、それにプラスしてフルールから遠くなるほどダメージ減少か。よし、仕組みがわかればもう大丈夫だ。
そして俺が取った行動はフルールへと突っ込むことだった。
突っ込んでいった俺を見たフルールは驚きはしたものの好機とみてさらに深く踏み込んでくる。そして俺は一つのアーツを使う。
「『反撃の構え』」
スピードを出しているフルールは急には止まれない。そのまま俺に攻撃を加えた。
「『解放』!」
少しのダメージとの引き換えに与えたダメージ。これは単純なダメージだけでなく、そう容易に突っ込んでこれないという意味も含まれていた。そしてその通りになる。フルールはこれを見てから攻めあぐねていた。想定以上に反撃のダメージが大きかったからだ。
次に攻めたのはシェードだ。ダメージを食らう以上にダメージを与えるという荒業だが、それを可能にしてしまうのがシェードなのだ。
「『抜刀・居合』」
初手は遠距離斬撃。ここから距離を詰めていった。【闇のオーラ】の効果範囲は体を中心に一メートルほど。ギリギリ刀が入らないくらいだ。ヒット&アウェイ、ダメージを食らわないほどの高速、それは魔物であるフルールでさえも見えないレベルの速さであった。
だが、フルールもただでやられているわけはない。シェードの行動を予測し、反撃に出る。それが見事にヒットし、シェードは吹っ飛んだ。状況は振り出しに戻る。一度離れた二人だが、間髪入れずに接近する。接近して武器をぶつけ合う。その状態から魔法を使う。
《『ダークジャベリン』!『ダークボール』!》
魔物の魔法というのは型のある魔法ではなく火魔法なら火、闇魔法なら闇と本質から操る魔法を使うため、アミなどが使わないような魔法を使ってくる。そして俺は新たな刀を取り出す。
「はっ!」
宝刀・白雪。俺がここまで使ってこなかったもう一本の刀。先ほどの反撃によって発動条件がクリアできた。俺は詠唱を始める。
《我が名は宝刀・白雪》
《我が望むは白銀の世界》
《我が望むは一面の雪景色なり》
《今、我の力を解放せし者よ》
《世界を雪で染め上げろ!》
「『雪景色』!」
俺の中での最強の武器アーツ。パキパキと音を立てて周囲が凍り始める。
《な、なんだ!?》
俺が注目したのは【海の鱗】。これを凍らせられれば防御面も弱くなると踏んだのだ。そして鱗は凍った。チャンスだ!と俺は駆け出す。これが最後の攻撃になる。なぜならフルールの体力は残り3割を切っているからだ。防がれる要素がないのなら俺はこの程度削り切る!
「『抜刀・百花繚乱』!『抜刀・彗星』!『抜刀・山桜』!『抜刀・黒龍一閃』!『抜刀・昇り竜』!『抜刀・画竜点睛』!『納刀・光閃』!『抜刀・居合』!『抜刀・冥王閃』!『抜刀・夢幻斬』!これで終わりだ、フルール!『抜刀・結』!」
連撃、連撃、連撃。反撃をさせる隙も与えず攻撃をした。そして、俺はフルールを倒しきった。この戦いで疲れ切った俺は報酬も碌に確認せず、街に戻ってログアウトしたのだった。
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