第七十二話 ”暴走ウイルス”
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今回の暴走は俺たち以外が暴走した。この暴走は俺たちが来る前の暴走と何か違うのだろうか。まあまず違うのは暴走した規模だろう。一人と何十人ではまるで違うからな。あとは……個々の実力か?あの中には大会で本選まで残った人が何人もいた。それなのに俺の一撃で全員が倒れた。ありえないと言わざるを得ないだろう。最初の暴走では逆に強化されていたらしい。
ここから考えられるのは最初の暴走が本家で今回のは劣化したもの……だが暴走させた人物が変わったわけではないだろう。ちょっと前に言ったがプレイヤー同士の魅了はできない。だから出来る人物は一人に絞られる。そう、―色欲の魔王だ。そして、一回目の暴走と二回目の暴走の間、二回目には弱くなっていたことを踏まえると、導き出される答えは……一回目の暴走からなにかウイルスのような、周りに伝播するものがバラまかれたということだ。
仮にこれを”暴走ウイルス”と呼ぶとしよう。暴走ウイルスの特徴は三つ。
一つ、感染した人間を魅了、または暴走させる。
二つ、伝播していくにつれ感染したプレイヤーのステータス減少が起こる。
三つ、これは仮説だが、サーデストのダンジョンをクリアすればこのウイルスには感染しない。
だから、色欲の魔王に近づく、倒すためには最低限この街のダンジョンのクリアが必須というわけだ。今、プレイヤーでその条件を満たしているのは俺たち四人だけ。避難が完了するまでにダンジョンクリア者を増やさなきゃならねぇ。考えろ、俺が今取るべき行動はなんなのかを!
……はっ!アレはどうなった?グランドクエスト!それが俺たちにしか関係ないなんておかしな話だ。
「ブレイブ!グランドクエストの進行で起きた変化、知ってるか!」
「ッ!知らねェ!調べてみる!」
「おう!頼んだ!俺は仮説ではあるが暴走の原因と対策を突き止めた!それを教えて回ってくる!」
俺はそろそろ戻ってくるであろう死に戻り組にダンジョン攻略を促すため、全力で駆けた。ブレイブは情報集めのために公式サイトや掲示板などを漁りに行った。他の二人は復興を、俺も伝えたらすぐに復興の手伝いへと戻った。今回、NPCはウイルスの対象になっていないみたいだ。NPCは殺すわけにいかないので正直助かる。
♢♢♢♢♢♢
《うふふふ、マモンたち、今どんな顔してるのかしら?怒り?驚き?焦り?悲しみ?あぁ、想像しただけでも興奮するわぁ。》
ここは色欲の魔王の治める国の王都である。これは色欲の魔王、アスモデウスの言葉だ。魔王というのは就任と同時に名前を捨て、初代から続く魔王の肩書と名前を継ぐ。強欲の魔王だとマモン、色欲の魔王だとアスモデウスといったように。
《もう少しで奴らが攻めてくるわ。ねぇみんな?準備は出来たかしら?》
「「「「「もちろんでございます魔王様!!」」」」」
《そう、ならこちらから攻めるわよ。奴らに準備なんてさせないわ!行きなさい!》
「「「「「分かりました魔王様!!」」」」」
ズサッズサッズサッ。今のは色欲の魔王の忠実な僕。この国に住むNPCである。それにクエストとして発生したことで攻める気満々のプレイヤーたち。さらに色欲の魔王が従えた魔物。合計10万ほどの大群が強欲の国へと向かって一直線だ。それをまだ強欲の魔王たちは知らない。
♢♢♢♢♢♢
ブレイブが調べた情報によると、今回のグランドクエストによって起きた変化は悪魔の樹木が育ち始めたというものらしい。それ以上の情報は出てこなかったという。悪魔の樹木とはなんなのか、どういった効果をもたらすのかなどもわかっていないため、事の重大さが俺たちにはわからなかった。
そして、少しすると、遠くにズサッ、ズサッという音が聞こえ始めた。なんだろうと思い、【遠視】を持つアーヤに見てもらった。すると、とんでもない言葉が返ってきた。
「人と魔物が、攻めてきてる!」
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