第五十一話 決着
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バッ!っと飛び出したのはシェード。シェードからすれば短期決戦でないといけないからだ。それを見て鋼化を発動するブレイブ。カウンターの構えだ。身体強化を併用すればギリギリ耐えられると踏んだのだろう。
「『結界』」
ただの足場として結界を張るシェード。ブレイブの周囲に無数に展開された結界。どこから攻めてくるかなどわからない。そう感じてブレイブは身構えた。
「『納刀・光閃』」
シェードの取った手は結界など完全に無視してそのまま突撃だった。いきなり現れるシェードの切り上げに対し、盾を前に出すブレイブ。しかし、そんなもので防げるはずはなく、防御など簡単に破られた。だが、間一髪で後ろに飛び退き、致命傷は回避する。残りHPはシェードが40%、ブレイブが54%といったところだろう。シェードはそろそろ刀剣解放の解除を考え始めるころだ。だが、なくては攻めきれないのもわかっているため、ギリギリまで解除する気はない。
「『カウンター・リリース』!」
そうこうしている間にブレイブのカウンターが繰り出される。一気にHPを半分も削った大技だ。カウンターにしたとなれば残り40%を削り切るなど容易いだろう。
「『魔の太刀』」
ここで選択されたのは更なる追撃、食らったら負ける、防ぐこともできない、逃げると時間が無くなるというこの状況で選べたのは攻撃しかなかったのだ。しかし、避けられてしまったシェード。追い詰められた状況の中、攻撃の軌道はあまりにも単純なもので、長い付き合いであるブレイブにとって、避けることはレベル1の魔物を倒すのと同義であった。
「『ブリザードミサイル』!『ストームブレス』!『フレアバースト』!『ロックバレット』!『ライトニングボルト』!」
徐々に冷静さを失っていくシェード。無造作に魔法を連射するだけとなっていた。
「これで終わりだ!おりゃぁぁあ!」
勝ったのはブレイブだ、と会場の誰もが思ったその時。シェードはニィと笑った。刀を構え、攻撃の意志を見せた。
「この距離なら避けられないよな?『抜刀・百花繚乱』!」
シェードが狙ったのはゼロ距離まで相手が近づいてくるのを待つこと。自分の攻撃が全然当たらなくなっているのはすぐに理解し、この作戦に切り替えた。そんな二人の全力がぶつかり合う。そして二人の間に静寂あ訪れたその時、実況の人が声を上げた。
『勝者!なし!両者引き分け!』
システム的においてもHPが削られるのは完全に同時だった。そんなギリギリの戦いを見せてくれた四人に対して観客が送ったのは盛大な拍手だった。そんな中、次のパーティ戦に出るプレイヤーたちは震えあがり、魔王たちはさすがだと感嘆の声を漏らした。
「勝ちきれなかったか。また強くなってお前に挑むぜ、シェード!」
「待ってるよ、ブレイブ。」
すると、マイクが目の前に降りてきた。
『今の気持ちはどうですか?』
「戦い足りないですかね。」
「楽しかったです。」
「まだまだだと思いました。」
「次は絶対勝ちます!」
いつの間にかアミとアーヤも戻ってきて四人がそれぞれの気持ちをマイクへと話す。この戦いは、動画サイトにて生放送されており、他国の人間をも恐怖させた。この戦いを見た後、刀を使う人が増え、散っていった話はここだけにしておこう……
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