新居と不滅の男
生きてたのでまた会えました。
都会の繁栄部分から少し離れた住宅街。そんな場所にまたひとりの新参者が降り立った。
「ふぃー、やっと引越し完了だ、前の家はもはや公共の場ってレベルで住所が知られてたからな、家でくらいゆっくりしたいよなぁまったく!でも、あんな喧騒とはもうオサラバさ、携帯の番号も変えたし誰にも引っ越すなんて言ってないからな!」
意気揚々と新居へと踏み込む、表札の名前は遠藤、真新しい壁紙に、鼻に付く木の香りが、生活感から家を守っているよう気がした。
「ンッンー、この匂い!まさに新居ってな感じで好きなんだよねぇ、それに段ボールだらけってのも、風情があるねぇ」
二階建ての一軒家での生活に期待を膨らませながら、軽く荷ほどきを行なっていく、鼻歌まじりに家具を設置していく様はまさに平和といったところか。
瞬間、男の頭から血が吹き出る、狙撃されたのだ。
体にも無数の穴が空き憩いの風景は一瞬のうちに、スプラッタホラーな光景へと変化していた。
「痛え!、誰だ!こんな物騒な新居祝い持ってきやがった奴は!お陰で綺麗な部屋が血肉まみれじゃねーかよ!
まだ1時間といないのに!」
男の不満と怒鳴り声は何も効果を為さず、再び体は穴ぼこまみれにされてしまった。
「そうかい、でも祝いにしちゃあ挨拶が足りねーんじゃないの?それにもらってばっかりじゃこっちとしても悪い、ちゃーんとお返ししてやらなきゃなぁ!」
手に取るものはなんでもいい、しかしなるべく殺傷力のあるものを、ダンベル、ペン、それらを撃たれた方向に向けて全力でぶん投げる。
だが、それら全ては空振りに終わり、また別の方向から狙撃される。銃弾がいくつも迫り、体を貫いていく。
「・・・クソがぁ!どこのどいつがどこから狙ってんのか知らねーが、いい気になんなよ!ここまでコケにされちゃ俺のプライドってもんが廃る!絶対見つけ出してボッコボコのグッチャグチャにしてやるからな覚悟しとけ!」
くっそー、いきなり銃をぶっ放してくるとか頭いかれてんじゃないのか?お陰で部屋が真っ赤っかになっちまった、お気に入りの本も血糊べったりで読めたもんじゃない、物の恨みがどれだけ恐ろしいか目にもの見せてやる!
次回 掃除屋と不滅の男
生きてりゃまた会おうぜ