シュウとフロウ
二話合わせてちょうどいい感じの文字数ですかね。
正直うまく書き上げれた気はしないんで、どっかでがっつり書き直すかもしれません。
「いや、なんてことは無くてただ不滅の先輩とお話ししたかっただけなのさ」
「それにしちゃあ気前が良いことで、老いない奴ってのは宵越しの銭もいりゃしないのかい?」
「ハッハッ!残念なことに俺は不老ではあるが不死では無いんでね、病気や事故で簡単に死んじまうのさ。
ま、気前の良さは若気の至りってやつさ」
フロウは寂しそうに話した
「なぁ、あんたは完璧に死なないんだろう?体が吹っ飛んでも、毒が体に回りきっても、何があっても死にゃしないんだろう?羨ましい限りさ」
「俺はただ老いないだけで死にはする。なんだか中途半端で嫌になっちまうよ」
またコーヒーに口をつける
「おいおい、そう悲観的に捉えんなって、老いないってんならこの世のことぜーんぶやり尽くせるぜ?」
「それもそうなんだが、どうにもな。今じゃもっぱら家の中でアニメを見続けるだけさ。勿論その生活も悪くはないさ、進化していく全てを観れるのも悪くはないんだがね」
「いまいち、生きている実感とか自分の生きてる意味ってのを見失いそうなんだよ」
「ふーん、結構つまらんこと考えて生きてんのな?」
「なんだと?」
心底つまらなさそうに終は話し出す
「そんなこと考えるくらいならさっさと死んじまえばいい、どうせ寿命じゃ死なねーんだ。延々とそんなことに頭使うんなら来世に期待した方がマシだぜ」
「この野郎!人の悩みを...!!」
耐えきれず、口から怒鳴り声が出る
「じゃあ、あんたは一体何者なんだ!!何故生きてる!」
「そんなこと知らねーよ」
「ハァ?」
「だから知らねーってのそんなこと、俺は俺だよ。これから先もずっとな。だからわざわざそんな問答しないんだよ、そんなことしたって誰かが答えをくれるわけでもなし、はっきり言って考えるだけ無駄なんだよ。そんななんの得にもならないこと考えるよりも、俺は今食ってるこのカレーのレシピをどう聞き出すかの方が重要だね」
「なんだよそれ... 」
肩を震わせながらもしっかりと言葉を吐き出す。
「それ、最高じゃんか!確かにそうだ、どうせ俺は生き続けるんだ、そんなこと考えても答えなんか一生かかってもでやしないだろうからな!やっぱりあんたに話して正解だったぜ!」
「そーかい、解決したんなら何よりだぜ、それよりもさっさとコーヒー飲みきっちまえよ、冷えても美味いがここのはホットが一番美味いんだぜ、フロウ」
「そうか、そりゃいいこと聞いた」
フロウから肩の力や悩んだ様子は消えて、生きる希望に満ち溢れてるように感じられる、しかしそこに水を差す奴が現れた。横にも縦にも大きな男が入ってきたのだ。
「お前が噂の不滅野郎か、そこの若作り野郎と一緒に来てもらおうか!」
「あーあ、なんでここまで絡まれるかね?帰ったら絶対引越してやるからな」
「おいおい、随分と物騒な誘い文句じゃないか?エスコートもできないようじゃ、男として失格だぜぇ?
それに俺は帰ってアニメの続き観んだよ、邪魔すんなこのブタ野郎!」
巨漢に対して鋭く一撃を入れてやるとアッサリとその巨体は崩れ落ちた。
「重量級は噛ませ役ってルールをしっかり守ってるな、なかなか良く訓練されてるな」
「ヒュー!マスター見たか今の!俺の目で追えないくらい速かったぜ!」
「今日はすまなかったなマスター、これは迷惑料含めてだ、とっといてくれ」
しかしマスターは頑なに受け取ろうとしなかった。
「見くびってもらっちゃ困るね、私はただのカフェのマスターさ、自分の仕事の分しかもらう気は無いね。それにたかが男一人がぶっ倒れてるだけなんて迷惑のうちにも入らんさ。 それよりもさっさと行ってそこのやつの組織をぶっ潰してから、またこい」
「サンキュー!ほんじゃ行ってくるわ、フロウはどうするよ?」
「勿論ついてくぜ、俺らへの喧嘩代は高いってのをちゃんと教え込んでやらなきゃな」
ふと思い返したかのように一言告げる
「こちら側へようこそ!元人間クン」
「フフッ、こちらこそどうぞよろしく!化け物の先輩」
いやー、新しい家ってのはいいねぇ、木の香りがたまらなく好きなんだよね俺。そんなご機嫌な時にまーた物騒な新居祝いがきやがった、どこで俺のことを知ったか知らないが祝ってもらったからには、ちゃーんと礼をしなくちゃなぁ?
次回 新居と不滅の男
生きてりゃまた会おうぜ