サイレント・ホロウ
歩道
やや硬い感触の
空気塊、へいぼんな昼下り
歩いているが
立ち止まっているような
まぼろしのなかにいる
一日が
閉塞しすぎており
あまりにも不器用な図柄の
午後、そして雪で
芳しくないお返事と
宛名ちがいの配達物が
あんまりよくないの
来る日も
来る日も
虚無と
地続きの
場所で
静かに
息をひそめて
余りものの
愛に
満足している
または、位置の
わずからしいずれにすら
気を取られて
いきものとしての
あらかじめな運命ですら
超越できる気がした
そのような勝手なわたしといういのちへの期待で
圧し潰してくれよ、圧し潰してくれ
骨のひとかけらも残らないように
ほんらいの
剥きだしな、魂のまえで
なすすべもなく
死ぬだけ