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夢心地
少女は、暗闇の中で目を覚ます。
たった今見た夢が信じられなくて、何も見えないのに、きょろきょろと辺りを見回す。
しばらくして落ち着くと、今見た夢が確かに予知夢だったことを確信する。
しかし、それでも信じられない。
「嘘……」
彼女は自分の火照った頬を、両手で包み込んだ。
ここが暗闇でなく、また誰かが傍にいたなら、彼女の頬が真っ赤に染まっていることが、見て取れただろう。
少女は、今夜、予知夢を見た。
輝かしく、幸せな夢を、見たのだった。
了
これでこの物語はおしまいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
この話の続編、「その白い花が咲く頃、王は少女と夢を結ぶ」、完結しております。
よろしければそちらも読んでみていただけると嬉しく思います。
ありがとうございました!