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○○教師が教える英雄学  作者: 樫原 翔
第1章:新任教師の幕開け
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セーレンド帝国学園

 かつて、世界は『魔王』と呼ばれる存在により混乱と破滅の一途を辿っていた。


 その脅威に当時争って国々も共同戦線を築き、対抗しようとした。


 だが、それでも魔王は倒せなかった。


『世界はもう崩壊するしかない』

 誰もがそう思い、絶望に呑まれかけた。

 そんな中、一人の存在がその絶望を打ち消した。


 各国の精鋭部隊ですら手も足も出なかった魔王を相手に一人で相手した者がいた。


 その者は『勇者』と呼ばれた。


 幾度もの魔王との戦いの末、遂に勇者は魔王を討ち取った。


 そして世界は魔王の脅威から救われた。

 そして勇者はいつの間にか消えていた。


 時の流れから勇者について詳しく知る者は少なくなった。

 共に戦った国々も今ではまた争う国もう生まれていた。

 それでも人々は勇者の存在を知り、その偉大さを強くに胸に刻んでいた。


 その存在は後に多くの人々が憧れる英雄の一人となった。

 そして、次代の人々は英雄を目指す。

 このセーレンド帝国東端に存在する辺境の街オリエでも。




『セーレンド帝国』

 過去の魔王との大戦時に最も規模の大きかった連合諸国の中心として活躍した大国である。


 敵対している国からは『腑抜け』と称される程穏やかな初代皇帝の遺志を継ぎ続けたことから歴史の長さに反して他国との大戦が数える程しかない国である。


 ただし、国としての勢力は決して弱いものではなく、本気で侵略しようものなら小国ならなす術はなく、同格の大国でも苦戦が当然と評されているほどの力を有している。


 そんな実力と歴史に裏打ちされた『平和』が、ある学園の存在を許している。


 それが帝国の東端に位置する辺境の街オリエの中心部『セーレンド帝国学園』である。

 この学園はかつて魔王を倒した英雄『勇者』の仲間であり、後に夫婦となった戦士ライオと魔導師ソフィアの二人が基盤を作り上げた学園である。


 当初はまだ国内で十数人の若者を教え導く程度だったが、帝国の支援により施設の拡大、職員の増員等を果たし、現在では友好国の人間も多数在籍する程の学園となった。


 この学園は勇者の仲間が築いたことから次代の英雄を生む学園として支持され、学園を卒業した者の多くは学園での経験を活かして時には一国の騎士団長となって国の防衛を担い、時には魔物の研究家となって魔物の生態を調べその危険性や対処法を後世に残し、時には宮廷魔導師として魔法の更なる発展に貢献してきた。


 この学園にいることは職員にとっても、生徒にとっても誉れなのである。




 そして、今日からこの学園の生徒として入学する彼女、アリスティア=スターラもこの日を迎えることに胸を高鳴らせていた。

 増築・改築に伴い一つの城となっている学園の正門を前に彼女は強く拳を握った。


「遂に....来た!」

 胸の高鳴りは抑え切れず、顔がにやけてしまいそうだった。

 それを必死に堪えて彼女は歩み始めた。


「私は....絶対に勇者になる!」

 決意を言葉に彼女は学園に入って行った。

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