魔法とか異世界のこと
魔法!!魔法!!!!俺が魔法を使えるとは!!!!!でも童貞は大学の時に捨てたから魔法使いにはなれなかったはずなんだよな。でも使える!さすが異世界ハンパねえ!
「佐藤さん、こちらの部屋へどうぞ。ここがステータスの部屋です。ここにある鏡であなたに使える魔法がなにか、分かります。質問があったらどうぞ聞いてください。」
入るとでかい鏡があった。そしてでかく「ステータスの鏡」の文字が台座に付いていて・・・あれ?日本語じゃないのに読める。ナニコレ?
「あー、説明します。先ほどの祝福でこちらの世界の文字と言葉を使えるようになるんです。ちなみに神官長は日本語勉強してペラペラです。」
なるほど、あの人は偉くてしかも勉強家か。すげーな。
「そして先ほどの光の大きさは魔法の強さによります。つまり貴方はチートがあります。」
「マジですか!!では俺は勇者や賢者に!ってあれ?なんか俺若くなってるんですけど?」
「佐藤さん、あなたは何歳ですか?」
「今年で34ですけど。」
「まずは鏡に向かってステータスと言ってください。そして内容を教えてもらえますか?」
「分かりました。ステータスっと」
名前 佐藤 忠志
レベル 18
職業 無職
魔法 土魔法5 水魔法2
MP 100/100
あれー?職業は無職?勇者でも賢者でもない。戦士や魔法使いでもない。さらにはサラリーマンでもない。
レベルは18・・・最初はレベル1とか逆に99じゃないの?高くも低くもないが微妙?というか弱くね?
魔法は土と水・・・土魔法が5で水魔法が2って高いのか低いのか分からん!でもチートなら5が一番上?
そして魔力は・・・うん、これも分からん。というか分からないことばかりだ。素直に聞こう。
「えーっと、こんな感じです。名前以外の説明を求めます。お願いします。」
「はい、まずはレベルですが、これは年齢です。佐藤さんは34歳でしたが、異世界に来た時に18歳の体になったようですね。次に職業ですが異世界に来たので会社は強制的に退職されたので無職です。これは転移者、転生者みなさんおなじです。魔法ですが土魔法が5、これは土魔法の強さが最大ですね。水魔法もなかなか・・・MPはすべての人が同じです。魔法を使うと減ります。百分率ですね。」
「若返ったのは嬉しいですね。会社を辞めたのはせいせいしました!・・・って転生者もいるのですか?」
「いますよ。ここでは説明しても難しいので、この件は後でお願いします。」
「はぁ・・・それで、私はなぜ異世界に来たのでしょう?」
「説明しますので、まずはここを出ましょう。ここから歩いて10分ほどしたところに私が働いている役所があります。そこの会議室でお話ししますね。」
神殿を出る。ちなみにここはアラノクス神殿というらしい。たしかに神官長が祝福の時に言っていたな。アラノクス様はこの国、アラノクス国を司る神様・・・ってそのまんまかよ!?分かりやすいけど安直だな!そして先ほど見た国民の声が分かった。田中さんは声をかけられ軽く話しながら歩いていく。
「田中さん!イキのいいニーラが入ったよ!どうだ?買わないか?」
なるほど、あの馬鹿でかい魚はニーラっていうのか。でも待て、何人家族なら食えるの!?どう見ても数十人は腹いっぱいになるぞ!
「いいですね。あとで買いに来ますので取っておいてください。」
食うのかよ!!田中さんすげえな!あれ?そういやなんで俺の名前を知っていたのか聞いてなかったわ。まぁ役所で聞けばいいか。
「毎度あり!ところで後ろの兄ちゃんは・・・転移者か。仕事中に話しかけてすまんな!おい、そこの兄ちゃん!アラノクス国へようこそ!」
「あ、はい。俺は佐藤と申します。よろしくお願いします。」
「かったいなー!まぁこの国に慣れたら買いに来てくれ!俺は魚屋のトーイだ!いいか、魚を買うならうちにしろ!たぶん国で一番の魚屋だ!たぶんな!」
すげー元気な人だったわ。笑いながら田中さんとその場を去る。
「すごい威勢のいい人でしたね。ところで・・・食べきれるんですか?あのでかい魚。」
「大丈夫ですよ。うちは大所帯ですので。むしろ足りるのか心配です。食べ盛りばかりなのでね・・・」
「大家族ですか。凄いですね・・・それで」
騎士や魔法などの話をしようとした時、子供が働いてる姿を見た。10歳くらいの獣人の男の子が一所懸命に店を手伝いしている。神殿に来るときに見た子供は遊んでいた。なのにあの子は大人に混じって真剣に働いてる。手伝いというよりは丁稚みたいだが・・・
「ユーヤ、真面目に働いてるようで何よりだ。今晩のおかずはニーラとみんなに伝えておいてくれ。」
「ススム兄さん、お疲れ様。みんなに伝えときます。ニーラは腹いっぱいになるからみんな喜ぶよ!」
「じゃあ私は役所に行くから、しっかり働くようにな。それじゃ。」
そういうと田中さんは歩き始めた。獣人のユウヤくんを残して。兄さんと言った。でも田中さんはどう見ても日本人。どういうことだ?
「佐藤さん、気になるみたいですね。それも役所で話しますので。まずは役所に行くことに専念しましょう。」
そしてしばらくすると役所に着いた。けどこの外観・・・どう見ても寺だ!アラノクス様それでいいの?鐘まであるわ!
「ツッコミしたそうですけど気にしないでください。これは大工が勝手に改築した結果です。しかも大工は日本人じゃありません。私にもなぜこうなったかは知りません。ということでこちらへどうぞ。」
田中さんにも分からない。つまり俺にも分からない。うん、思考放棄しよう。そして寺の中へ入ると普通の役所だった。余計に混乱するわ!
「あ、田中さんお疲れ様です。転移者の方ですね。私はミユ。受付をしております。会議室の準備は整ってますのでどうぞお入りください。」
入ると可愛いエルフっぽい子が挨拶してきた。ミユちゃんだな。覚えておこう。俺の未来の恋人さん!!!
「・・・はぁ、佐藤さん。ミユさんは今年で250歳の方です。子供どころかひ孫までいます。それでいいなら恋愛は自由ですが。」
「田中さん、年齢はいいじゃないですか。見た目は若いんですから!」
「毎回毎回、転移者に色目を使わないで下さい。あなたの孫から婆ちゃんを止めろ!と言われてるので・・・」
ミユさんはお婆ちゃん。忠志覚えたよ。ワスレナイヨ!!!!
「では佐藤さん。こちらへ・・・!?なぜ泣いてるのですか!?ってミユさん笑わないでください!だいたいはあなたのせいです!ほら、佐藤さんこちらへ!」
泣くのをすぐにやめて話しかける。「さて、転移者のことや私の名前を最初から知っていたこと、そしてさっきのユーヤくんのことを教えてください。」
「泣くの上手いですね。では話しますのでそちらに掛けてください。」
そして田中さんは語った。