潜入二日目
保健室にいるももちゃんに、昨日の一件を言うと。盛大な溜め息と共に言う。
「はぁ~、目立つなと言った日に。暗殺者を返り討ちとは、君は目立つなの意味を間違って覚えてないかい」
「目立って無いさ、死体は処理したし。血痕も今頃、双子が掃除中だろ」
「人に見られるなって、意味じゃ無いんだがね…君が人格を作るのを失敗したのは、始めて見るよ」
そこまで言った後、ももちゃんがテーブルの上のを指差す。そこには、校長からの感謝状。と書かれた紙と、封筒が置いてあった。
封筒に何も仕掛けが無いのを、確認してから開ける。中には500ポイント書かれたカードが一枚入っていた。
「何だこれ」
意味が解らず呟くと。
「生徒を守った御礼だそうだ」
ももちゃんが、答える。
「此所での生活は全てポイントせいでね、1ポイント100ユースだと思ってくれて良い。ポイントは、学園外でも使えるから安心したまえ…そう言えば、君は昨日の夜何処で寝たんだい。部屋には帰って無かったようだが」
ももちゃんが珍しく首を傾げた、ほんとに何処にいたのか解らなかったのだろう。一瞬このまま謎のままに仕様と思ったが、辞めておく。
「薄紫 朝実の結界の中だよ。占いだと暗殺者は、暫くこないらしいけど。念の為にな」
昨日の夜は、そのまま校舎にある薄紫 朝実の部屋に泊まった。学校の防衛魔法や、警備を掻い潜り。結界も難なく突破出来る暗殺者がいる以上、占いで占えない暗殺者がいても可笑しくない。
守ると取り引きした以上、何かあってもすぐに対応出来るよう。護衛対象の側にいるのは、当たり前だと思っていたからだ。
「薄紫 朝実の結界って、通りで解らない訳だよ。ああ、言い忘れてた。暗殺者を学園内に手引きした奴は、小飼の奴に探させてる。見つけ次第始末するが、もしかしたら力を借りるかも知れない。
何せ軽く調べただけで、4つの組織の名が挙がったからね。小飼の奴らだけでは、少し数が足りないかもしれん」
そう言っている、ももちゃんの顔には笑みが浮かんでいた。ももちゃんはこう見えて、100人前後の暗殺者を束ねる組織の長だ。
主に暗殺より情報収集をメインにやっており、小飼の奴等も暗殺の腕は余り高くない。
高くないと言っても、一部の上位連中と比べてであり。裏の暗殺者の実力では、全員上位に入る強者である。
(ももちゃんの笑顔か、何処か敵対している組織の名があったなこりゃ)
裏の社会でもいちを暗黙のルールがあり。その一つに、無闇に同じ裏の組織を襲わない事がある。裏の組織同士で潰しあっても、聖騎士に嗅ぎ付けられたり。裏の組織全体の戦力が減るだけで、良い事が無いからだ。
ただ、今回は知らなかったとは言え。あっちが先に手を出してきた訳であり、報復を行う事は組織が舐められない様にする為に必要である。
ももちゃんは、報復を言い訳にして。敵対関係にある、組織を潰す気何だろう感じた。
「報酬はいらないから、二つくれないか」
「別にこっちは助かるから良いが、君熱でも有るんじゃないか」
そう言って、ももちゃんがおでこをくっ付けてきた。
「熱はねえよ。ただ、死の感覚を思い出したいだけだよ。こいつとね」
そう言いながら、出した拳銃は白色だった。
「…解った。だからそれを早く仕舞ってくれ」
白色の拳銃を仕舞うと、一瞬ももちゃんが悲しそうな。それでいて哀れんでいるような顔をする。ただ、すぐに表情を元に戻すと。
「そう言えば、紅 琴音と三條 美和が。君を探してたぞ」
「紅 琴音はいいとして、三條 美和って誰だ?」
そんな奴知らないと言おうとすると。
「君に倒された連中のリーダー各の子さ、琴音に大浴場で洗われた女子。と言えば君でも解るだろ」
「あ~…、彼奴か!。って、何で大浴場での事をしってんだよ」
「それは、詩音ちゃんと一緒にお風呂入った。って琴音が私に言ったからさ」
「あいつ、何回俺に暗殺させる気だよ!」
「おいおい、生徒は殺さないでくれよ。それと、暗殺は一回しか出来ないだろ…まあ、琴音には君の事を余り言うなと注意しといたさ」
「それで治るか?」
「解らんさ、それでも何もしないより良いだろ」
そこで、ふと時計を見た。授業が始まるまで、残り一時間だった。
「悪い、迎えに行く時間だ」
「迎え?。誰を?」
「薄紫 朝実」
「薄紫 朝実の迎えって、…良くあの引きこもりが出る気になったな」
「俺が授業中に、襲われたら守れないからな。同じ一年生だったし、監視もかねて丁度良いからな」
(それに、校長を殺して助けて。って意味も気になるしな。結界の外に出せば、何かしらの反応があるだろう)
「まあ。私の方から他の先生方には、上手く言っとくさ」
「お願いするよ。それと報復がいつになるか、解ったら教えてくれ」
「そう確認しなくても大丈夫さ、何せタダで二つの組織を潰してくれるんだ。後から嫌だと言っても、教えるさ」
ももちゃんそう言って、手を振る。
迎えに行く前に、影霧 詩音の仮面を被る。
(あれ、何か忘れた気がするけど…まあ、いいか)
紅 琴音と三條 美和が探してる事を忘れて、そのまま薄紫 朝実を迎えに行った。
誰もいなくなった保健室で、ももちゃんが何かを考える様にしながら呟く。
「君はまだ、囚われているのか」
呟き終わると、机の上の小さな笛を短く吹く。何も音は、ならなかったが。
「頭お呼びで」
一人の忍び装束の人物が、保健室に現れた。ももちゃんは、その人物に笑みを浮かべながら命令する
「これから、面白いものが見られるから。ちゃんと記録しておくように」
「面白いものとは、亡霊ですか。それとも、影霧 詩音の方ですか」
「安心したまえ、影霧 詩音のほうさ」
「それなら、喜んで。また、あの大浴場での事みたいに笑えると良いですね」
「そうだな、多分だがもっと面白い筈さ。そろそろかな、ちゃんと記録頼むよ」
それだけ言って手を振る、忍び装束の人物は音もなく消えた。
いっそ、開き直って。小説家になろうで一番誤字、脱字が多いい作者です。作者自頑張って誤解、脱字を減らそうとしていますが。まだまだ、多いいです。なので、バンバン誤字、脱字を注意して貰えると助かります。
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