65話
すいません、体調不良で物凄く短いです。
地獄。もし、今の光景を例えるなら地獄と表現するのが最も近かった。大鬼が金棒を振り回す度に、桃木の部下が吹き飛ばされるが。吹き飛ばされるた部下は、桃木の操る紫色の煙に包まれると。折れた腕や潰れた内蔵が急激に治り、また大鬼へと斬りかかっていく。
「苦しいか?。生憎だが、楽に倒せる相手では無いのを知っているんでね。部下には悪いが、この魔法が完成するまで時間を稼いで貰ってる」
大鬼を見ながら桃木が呟く。大鬼は、紫色の煙の毒にやられ触覚以外の五感を全て失っていた。
それでも、第六感とでも言うのか、桃木に一本一本近付いて行く。桃木は、強大な魔法の準備をしておりその場を動けないが、部下が桃木の魔法が完成するまでの時間を身体をはって稼ぐ。
「私も昔より、弱くなったな。ここまで時間が掛かるとは」
部下の足止めにより、桃木に向かう歩みが遅い大鬼だったが。後二、三歩で金棒が桃木に届く距離まで進んでいた。
「guxaaaaaa」
大鬼が吠えながら金棒を振り上げ、足に力を込める。一気に距離を詰め、桃木を狙うと気が付いた部下が何とか攻撃を仕掛け倒そうとするが。攻撃を耐えきった大鬼が、足に込めた力で地面を蹴り桃木との距離を潰す。
「零」
自分に迫る金棒を見ながら、桃木が部下の名前を呟く。直後、忍び装束を着た零が大鬼と桃木の間に現れると、鋭い蹴りを放ち金棒を砕く。
「砕けとは言って無いが、上出来だ」
魔法の準備が終わった桃木が、零に笑いかけながら金棒を砕かれ態勢を崩した大鬼目掛け魔法を放つ。
「【|腐毒霧竜《ベノム·ミスト·ヴィーバ》】」
零が桃木と大鬼から距離を取った瞬間、桃木の周りを覆っていた紫色の煙から巨大な口が現れ、大鬼の折れていた腕を食い千切る。
大鬼が、残っている腕で腕を食い千切った口を殴りつけるが。触れた瞬間水を殴った様に腕が沈み込み、激しい激痛が腕を襲う。
激痛に慌てて腕を引き抜いた大鬼だったが、引き抜いた筈の腕は跡形も無く溶けており。溶けてた部分の断面からも、徐々に身体へ向けて腕が溶けている。
余りの出来事に大鬼の動きが止まる。そして、動きが止まった大鬼は自分に何が起きたかわからないまま、煙から襲ってきた口に食われ消滅したのだった。
「…………やはり、この魔法は被害が大きすぎるな」
大鬼の消滅を感じた桃木が魔法を解くと、紫色の煙がはれ色々と見える様になるが。紫色の煙が覆っていた場所は無惨にも全て溶けており。
地面は紫色に染まり毒を吐き出し、空気は吸うだけで意識を失う毒に変わっている。桃木は、そんな惨状を見ながら小瓶を取り出し中の粉をばら蒔く。
「浄化は、完了ね」
浄化の粉により浄化された地面と空気を確認し、桃木が被っていた仮面を取る。
「頭、聖騎士が向かって来てます。足止めしますか?」
零の報告に、桃木が少しだけ悩んだ後に答える。
「目撃者はいないな?。なら、後は私に任せてお前達は引け」
零が目撃者はいないと頷くと、桃木は部下を下がらせる様に命令する。零が頷き部下がいなくなるのを確認し、着ていた白衣を一度見直し整えると、ゆっくりと息を吐き出しながら呟く。
「亡霊。この貸しは、高いからな」
桃木が急いで聖騎士への対応が終わった頃、聖騎士が現れ桃木へ事情聴取を始める。
桃木は、情報を誤魔化しながら聖騎士の事情聴取を受けるのだった。




