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暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
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誰も死なせない、殺しの依頼。琴音③

 猫の仮面の人物が、光に包まれ全身が石になった琴音達を確認すると。一つの水晶を取りだし、水晶に向かって話し掛ける。

 「そっちは、大丈夫か?」

 「はい大丈夫です兄様」

 水晶から聞こえる戦闘音と共に、帰ってきた返事は智利の声だった。

 「そうか。それで、そっちには紅 椿に薄紫 日向がいるか?」

 今回の依頼の中で、最も障害になり得る二人の名前を出す。避難シェルターに来ていないので、智利の方にいると思い聞いた亡霊(ファントム)だったが。智利から帰ってきた返事は、予想外の答えだった。

 「その二人なら、ネコさんが相手してます」

 「ネコって、チャシャネコか?」

 亡霊が最初に二人を会わせた時の事を思い出しながら訪ねると、智利が弾んだ声で答える。

 「はい兄様♪、チャシャネコさんですよ」

 「……まあ、何があったか知らんが。チャシャネコが相手してるなら、大丈夫か。

 智利ゴーレムの方はどうだ、何か掛かったか?」

 この混乱に乗じて暗殺者や、何か不審な事をする人物がいないか。監視と防衛の意味で配置しているゴーレムの状況を聞くが。

 「いえ、今の処何も」

 何も変わった事が無いと言う智利からの答えに、亡霊がそれなら良いと言って水晶を仕舞う。

 「さて、最初に死ぬのは、この様子だと美和と雪か。その後が、朝実に葵の二人。このままだと不味いのが、琴音と蒼か」

 既に体の半分以上にヒビが入っている美和と雪、半分に届きそうな朝実と葵の四人に比べ。全くヒビが入ってい無い、琴音と蒼の二人を見ながら亡霊が何も書かれていない札を取り出す。

 「俺が出きるのは、これぐらいか」

 そして、その札を琴音と蒼に向かって離すと。札は一瞬で燃えて灰になり、琴音と蒼の二人に降りかかった。

 「さて、こっちも用意を始めるか」

 亡霊がそう言いながら、服に書いてある魔方陣から二振りの巨大な剣を取り出す。

 剣は其々炎と雷、風と氷を纏っており。持っているだけで、避難シェルターの床を削り破壊している。

 亡霊が剣を取りだし構えるのと同時に、美和と雪の体が砕け散った。


 「さて、君は何を知りたい?」

 背後から聞こえた声に、琴音が振り替えると。そこには小さな小人の人形が浮かんでおり、小人の人形が口を開く。

 「もう一度聞くよ、君は何を知りたい?」

 感情が無い機械な様な声で人形が訪ねる。何を教えてくれるのか、琴音が訪ねる前に人形が答える。

 「教えられるのは、全部で五つ。一つ目、何故君の両親が暗殺者に殺されなければならなっかたのか。

 二つ目、君の仇であった暗殺者を殺した少年について。

 三つ目、ここから出る方法。」

 三つ目迄言って、人形が器用に指を鳴らすと。一瞬で風景が変わり、さっきまでいた避難シェルターが浮かび上がる。

 そこでは、雪と葵の二人が其々炎と雷、風と氷を宿した巨大な剣を持った猫の仮面の人物と戦っていた。

 「これって、」

 「そう、今行われてる事だよ」

 琴音が言い終わる前に人形が答える。その答えを聞いた琴音が、戦闘の様子を観ながら呟く。

 「二人とも強くなってる」

 雪と葵の二人は猫の仮面の人物の攻撃で傷付きながらも、反撃で少しだけだが猫の仮面の人物にも傷付を負わせている。

 仮面の人物の実力は琴音の予想道理なら、自分の姉である椿と同等かそれより少し上くらいであった。

 そんな、聖騎士と同等の実力者相手に。雪と葵の二人が押されてるとは言え、戦えている事が琴音には不思議だった。

 ただ、それ以上にここから出ないと行けないと思い。ここから出る方法を人形に聞こうとするが。

 「四つ目、蒼を救う方法」

 唐突に人形が四つ目の教えられる事を言いながら、写っている場所をずらす。そこには、石になっている蒼と琴音に寄り添い、守っている美和と朝実の二人がいた。

 「今君達は石になってる。でも、それは見た目だけで、体の中は石になってないが。後五分くらいで心臓まで石になって、苦しみながら君達は死ぬ」

 そう言って人形が苦しみ倒れ、何事も無かったように起き上がる。

 琴音が蒼を救う方法と戦えばここから出る方法の二つを急いで聞こうとするが。

 人形が首を振りながら、指を1本立てる。

 「教えられるのは、五つの中の一つだけ」

 それを聞いた琴音が叫ぶ。

 「なら、もし僕がここから出る方法を聞いたら。蒼ちゃんはどうなるの?」

 「間違いなく死ぬ。そして、蒼を救う方法を聞いたら君が死ぬ」

 自分が死ぬか、蒼を助けるか。固まる琴音に人形が喋る。

 「一つ目と、二つ目を聞いた場合。君は助かるだけで無く、過去の秘密も知れる。替わりに蒼と、避難シェルターで戦ってる人達が死ぬ。

 三つ目なら、君と避難シェルターの人達は生きるけど。蒼いが死に、君は過去の秘密を知れないまま

 四つ目なら、君が死ぬだけで皆助かる」

 人形がそう言いつつ、四個の鍵を琴音に向かって投げる。鍵には其々番号と、誰が死にました誰が生きるかが書いてあった。

 そして、琴音の目の前に一つの扉現れる。扉には其々、五ヶ所鍵を刺す鍵穴が空いており、其々に番号が書いてある。

 「僕が死ねば、皆は必ず助かるんだよね」

 琴音が確認するように、人形を見ながら訪ねると。人形は大きく頷く、それを見た琴音が四と書かれた鍵を、四と書かれた鍵穴に入れる。そして、鍵を回す。

 「五つ目、詩音の隠してる秘密」

 人形が等々に言った一言に、琴音が扉を開けようとしていた手を扉から離す。

 「詩音ちゃんの秘密。それを聞いたら誰が死んで、誰が生きるの?」

 自分以外の友達が死ぬなら、自分が死ぬと決めた琴音が人形に訪ねると。人形からは、琴音の予想外の答えが帰ってきた。

 「五つ目は、誰も死にません」

 「え、誰も死なないの?」

 思わず琴音が聞き返す、今までのパターンだと個の場合詩音が死ぬと思っていたからだ。

 「誰も死にません」

 人形がもう一度答え頷く。琴音はゆっくりと四番の鍵穴から、鍵を一度回して閉めてから引き抜く。

 そして、五番の鍵に持ちかえ五番の鍵穴に入れる。そして、鍵を開けようと回す瞬間。

 「誰も死なない替わりに、詩音は学園を去ります」

 「え!?」

 人形の言葉に琴音が再び固まる。そして、人形の方を見る。

 「五つ目を聞いたなら、君の詩音を見る目が変わるだろう。それに、秘密を知られた以上、詩音は学園を去ります」

 「詩音ちゃんが学園を去る、何で村な事になるの!?」

 「簡単に言える範囲で言うなら、それだけの秘密を抱えてるという事です。

 でも、考えて見てください。君達に隠し事をしている人物を追い出す、其れ丈で君もそれ以外の人達も助かる。これ以上良い条件は無いでしょう。

 後余計な事を、君の過去にも隠された秘密沢山あります。……良く考えてから、扉を開けて下さい」

 人形がそれだけ言うと、静かに地面に落ちて動かなくなる。

 琴音は鍵を見ながら考える、自分が死ななくても皆助かる方法がある。でも、それを選べば詩音の秘密を知り、詩音が学園を去る。

 もし、自分が死ねば自分以外の皆が助かる。もし、蒼を見捨てれば何も得ない替わりに、自分と蒼以外の皆が助かる。

 そして、自分の過去の出来事について知れば。自分以外が死ぬ替わりに、未だに分かっていない過去の事が分かる。

 琴音の両親の死には不審な点が何個もあり、捜査は未だに全く進んでいない。それに、人形の最後の言葉の所意で余計に過去を知りたい気持ちが膨らんでくる。

 「僕は何を選べば良いのかな?」

 何も決められずに、を向きながら呟く琴音の上に、何処からか白い灰が降ってくる。

 琴音が無意識に白い灰を手に掴む。掴んだ灰は崩れ舞い上がり、それを見た後琴音は一度強く自分の頬を両手で叩く。

 「ええい、悩んでも意味が無いんだ。僕は僕が決めた事をするだけだ!」

 琴音がそう叫びながら、鍵穴に鍵を差し込み回すと。勢い良く扉を開けて、暗い扉の中に入っていった。

 琴音が入った扉が消えた後、残された人形が浮かび上がる。

 「その道を選びますか。でも、貴女ならきっと……」

 優しい女性の声でそう言って、人形は暗闇に消えた。

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