表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
51/66

誰も死なせない、殺しの依頼。琴音①

 動けない琴音達の元までたどり着いた猫の仮面の人物は、一枚の札を取り出し詠唱を始める。

 「さて、死んで貰いますか」

 猫の仮面の人物がそう言った瞬間、札からでた黒い光が琴音達を襲う。

 (詩音ちゃんごめん)

 黒い光に包まれる中、琴音は心の中で詩音に謝った。

 

 (あれ、ここは何処だろう)

 黒い光に飲み込まれた琴音が、意識を取り戻すと。そこは暗い何処かの部屋の中だった。

 琴音は何が起きても対応できるように、辺りを警戒しながら部屋の中を探る。その部屋は、子供部屋なのか沢山の玩具ややお人形が置いてあった。

 (あ、この熊の人形懐かしいな)

 琴音がピンクの熊の人形を手に取る。その熊の人形は、琴音が昔大事にしていた人形と同じタイプの人形だった。そして、この熊の人形もここの子のお気に入りなのか。他のどの人形よりも使った後があり、色んな場所を補修した後がある。

 (こんな事してる場合じゃ無いや!)

 我に返った琴音が熊の人形を元の場所に戻し、琴音が部屋のドアに向かう。そして、ドアごしに部屋の外の気配を確認して、ほんの少しドアを開けて様子を見る。

 部屋の外は長い廊下になっており、人がいないのをもう一度確認して琴音がそっと部屋を出る。

 (この家、僕の昔の家に似てる)

 ある程度色々な場所を調べた琴音が思ったのは、ここは誰かの家であり、今は誰もいない事だった。

 ただ、人が住んでる形跡はあり。住人が帰って来る前に家を出ようとするが。

 「無理だよ出られない。痛いし、痺れるよ」

 家から出ようとすると、見えない壁の様な物が邪魔をし。無理矢理力付くで出ようとすると、痛みと共に全身が痺れ家の中に押し返される。

 家から出るのを諦めた琴音は、また家の中の探索をまた始める。

 (この家、本当にそっくりだな)

 台所やお風呂、地下室や各部屋等作りも似ているが。そこに置いてある小物や、日用品等も昔琴音が住んでいる家と同じタイプの物だった。

 (懐かしいな)

 昔の自分の家にいる感覚を覚えながら、琴音が応接間で寛いでいると。二階の部屋のガラスが割れる音が聞こえる、琴音が急いで二階に向かうと。そこには、数名の黒ずくめの人物が数名いた。

 「誰だ!」

 琴音が黒ずくめの人物達に、剣を構えながら叫ぶが。黒ずくめの人物達は、琴音を無視して散開する。

 「え、無視?」

 剣を構えたまま一人残された琴音が思わず突っ込む。ただ、その突っ込みは部屋に虚しく響くだけだった。

 剣を構えたまま、どうしようか固まる琴音だったが。玄関の鍵が開く音が聞こえ、急いで玄関迄向かう。

 琴音が向かう間に黒ずくめの人物達が住人を襲ったのか、剣撃や魔法の詠唱等の戦闘音が聞こえてくる。

 琴音が玄関に辿り着くと、そこには血を流して倒れている黒ずくめの人物達が数名いた。

 「炎よ燃え盛り目の前の敵を捕らえ燃やし尽くす渦とかせ…炎の渦ファイヤーヴォーテクス

 玄関の外から男性の声で詠唱が聞こえると、炎が燃え盛り残った黒ずくめの人物達を捕らえる。炎の渦が消えた後には、焼かれた黒ずくめの人物達の死体が有るだけだった。

 「僕は必要無かったかな?」

 玄関から見ていた琴音が、そう呟いた時。魔法を唱えた男性に近付く二人の人物がいた、一人は女性であり。もう一人は少女だった。

 「お疲れ様です、貴方」

 女性の方が男性にそう言いながら、タオルで男性の顔の汗を拭いていく。

 (夫婦なんだ。じゃあ、あの子は二人の子供かな)

 琴音がそんな事を考えていると、もう一人遠くから夫婦に近付く人物がいた。

 (知り合いかな?)

 夫婦より先にその人物に琴音が気付く。琴音が気付いてから、sukosi前にたって夫婦も近付いて来る人物に気付いた。

 「下がってなさい」

 夫の方がそう言いながら、妻と子供を後ろに下がらせる。雰囲気からして近付いて来る人物が夫婦の知り合いじゃないと分かった琴音が、叫びながら玄関から飛び出すが。

 「……聞こえてない⁉」

 琴音が自分の家から飛び出して来たのに、夫婦は何も反応しない。さっきの、黒ずくめの人物達が人物を無視した事を思いだし。

 自分が他の人には見えておらず、声も聞こえていない事を察する。

 「炎よ撃ち抜き燃やせ…炎の弾丸(ファイヤーバレット)

 男性が炎の弾丸を近付い来る人物に放つが、相手はそれをかわすと一瞬で男性の眼の前に現れる。

 「危ない!」

 琴音が叫ぶが、相手は男性の顔を手で掴むと地面に叩き付ける。琴音が男性の頭が潰れる瞬間を想像し、眼を両手で覆う。

 男性の頭が地面に当たるのと同時に、男の悲鳴が辺りに響きわたる。

 「炎の身代り!」

 指の隙間から琴音が見たのは、男性の頭が地面に叩き付けると。一瞬にして炎に変わり、叩き付けた男に引火したのだ。

 炎に焼かれる男が悲鳴をあげながらも、見失った男性の替わりに女性と子供を狙うが。

 女性に近付く前に、背後に現れた男性により。剣で胸を貫かれ、血を流しながら生き絶える。

 「凄いな、全員倒しちゃった」

 琴音が男性を見ながら呟く。自分なら殺られていたかも知れない戦いを、無傷で切り抜けた男性に琴音が見とれていると。

 琴音の後ろから誰かがナイフを投げる。ナイフは子供を狙った物あり、間一髪で男性が自分の腕で受ける。

 「何で?。死んでいた筈なのに!!」

 琴音が振り返った先には、血を流して倒れていた黒ずくめの人物達だった。

 黒ずくめの人物達は、首や胸から血を流しており。傷は何れも致命傷であり、死んでいるのは間違いない。

 「貴方!」

 女性の叫び声で琴音が夫婦の方を見ると、ナイフを受けた男性が洗い息を吐きながら、地面に倒れこんでいた。

 倒れている男性は、大量の汗をかいており。何かしらの毒物を喰らった可能性が高かった。

 「くそぉー!」

 琴音が叫びながら、死んでいる黒ずくめの人物達に斬りかかるが。

 「当たれ、当たれ!」

 剣は黒ずくめの人物達をすり抜けるだけで、何も出来ない琴音が叫ぶ。その間に、死んでいる筈の黒ずくめの人物達は夫婦の元に向かう。

 女性が男性の腰に差していた剣で応戦するが、斬られても立ち上がり襲ってくる黒ずくめの人物達になすすべがない。

 「琴音逃げて!、逃げなさい!!」

 女性が子供に向かって叫ぶと同時に、女性の胸を剣が貫く。

 「お母さん?、お母さん!」

 少女が大粒の涙を流しながら母の事を呼ぶ。毒で動けない男性は、歯を食い縛り口から血を流しながら立ち上がると。

 少女を手で呼び、近寄ってきた少女の抱き締め頭を撫でると。

 「椿、琴音、お父さんを許してくれ」

 そう言って少女を突き飛ばす。突き飛ばされた少女は、必死に父に手を伸ばすが。背中を向け黒ずくめの人物達に向かっていく父には届かない。

 「お父さん!」

 少女が涙ながらに叫ぶのと、父が自身の命と引き換えに。黒ずくめの人物達を消滅させるのは、殆ど同時だった。 

 「お父さん!、お母さん!」

 少女の叫びが辺りに木霊するなか、琴音が力無くその場に崩れ落ちる。

 「僕だ、ここは僕の記憶中何だ」

 昔の記憶を見た琴音が、地面を叩きながら叫びだす。

 「何で?、何で僕は何も出来ないんだ!!」

 また、目の前で父と母が殺される。そして、自分はまた何も出来ない。琴音は、泣き叫ぶ昔の自分を見ながら剣を構える。

 「もし僕が防衛魔法を使えば、あの時父さんはナイフを喰らわなかった。そうすれば、母さんも死なずにすんだんだ。

 そうだ、僕が魔法を使わなかったのがいけないんだ。……違う、僕がいなければ良かったんだ」

 自分さえいなければ父と母も死なずにすんだ。そう思った琴音が、昔の自分に向かって剣を振り上げる。

 目の前では防衛魔法の中で、いまだに泣きながら父と母を呼ぶ自分がいる。

 「五月蝿い、五月蝿い、五月蝿い!。今更防衛魔法を使っても意味が無いんだ!、僕さえいなければ良かったんだ!!」

 琴音が叫びながら、剣を振り下した。

 

 


紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。

学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7

過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。


琴音の父…聖騎士であり、炎の魔法の使い手。琴音を庇い毒を受け、死んでも襲ってきた黒ずくめの人物達を倒すために自爆をした。


琴音の母…一般人であり。琴音の父に助けられた事を切っ掛けに付き合い始め、一年後結婚。夫と琴音を守る為に、死んでも襲ってきた黒ずくめの人物達に挑み。胸を剣で貫かれ死亡。


黒ずくめの人物達…暗殺者達であり、何故死んでも襲っえるのかは不明。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ