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暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
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誰も死なせない、殺しの依頼②

 体育館の出入り口から入ってきた人物を見て、全員が戦闘体勢をとる。

 入ってきた人物は、フードが着いたローブを着ており。男か女か分からないが、その人物からは離れている琴音達の元まで届くほどの殺気を出していた。

 「皆さんは逃げてください、ここは私が相手をします」

 詩音がそう言いながら刀になった黒姫を片手で構える。そんなシェルタにたいし、琴音が一緒に戦うと言うが。

 「皆さんは、さっきの勝負での魔力が回復していません。それに、この相手紅 椿先輩クラスの実力者です」

 紅 椿と聞いて全員が驚くなか。それでもと残ろうとする琴音に、詩音が優しい声で言う。

 「なら、先生方に知らせて聖騎士の方を呼んで来てください。それまでなら、私一人で押さえられる筈ですから。

 これは、ここにいる皆さんにしか頼めません。だから、お願いします」

 そういい残し、詩音がローブの人物に斬りかかる。詩音の斬撃は、ローブの人物の剣で受け止められ、そこから凄まじい速度の斬撃の斬り合が始まる。

 「詩音ちゃん…」

 「琴音、早く先生方に知らせに行きますわよ!」

 「でも、……」

 それでも尚、詩音の事を気にする琴音の頬を美和が叩く。

 「今の私達では、詩音さんの邪魔ですわ。……悔しいですけど、ここは先生方に知らせて、聖騎士の方を呼びに行くのが正しいんですの」

 詩音とローブの人物の斬撃は、琴音達では速すぎて目で見えない。もし、へたげに援護をすれば、詩音の邪魔にしかならない。

 そう言う美和は、余程悔しいのか唇を噛み締めていた。

 「ごめん」

 「謝ら無くて良いですわ。それより、速く知らせに行きますわよ」

 雪を先頭にして、体育館の別の出口から琴音達が出ていく。最後に、琴音が体育館を出るさいに見たのは、いまだに斬り合をしている詩音とローブの人物だった。

 体育館を出て、辺りを警戒しながら避難シェルター迄向かう。襲撃者と戦闘している先生方を闇雲に探すより、生徒を守る為に避難シェルターにいる先生に連絡をする為だった。

 『静かに、音を絶てないで下さい』

 先頭の雪が何かを察知し、紙を後ろの琴音達に見せる。そして、ゆっくりと一点を指差す。

 琴音達が雪が指差した方を見ると、そこには全身を銀の甲冑で覆った騎士が立っていた。

 一瞬聖騎士かと思った琴音達だが、騎士の足元には生徒が数名と先生が一人倒れていた。

 「水よ敵を捕らえ動きを封じろ…水の鎖(ウォーターチェイン)

 琴音達からは見えないが、誰かが水の魔法を詠唱して騎士軒並み動きを封じようとするが。

 水の鎖で全身を拘束された騎士の鎧から、雷が放電し水の鎖を消し去る。そして、騎士が剣を振り下ろすと。剣から雷が放電し、魔法を詠唱したであろう人物の悲鳴が聞こえた。

 咄嗟に騎士に挑もうとした琴音を、美和と葵のを二人係で止める。

 「琴音、貴女の気持ちはわかりますわ。でも、今は違いますわよ」

 「琴音さん、落ち着いて下さい。私達では勝てませんし、今は違います」

 二人に押さえられていた琴音が大人しくなる、その間騎士を見張っていた雪が紙に何かを書く。

 『倒れている人達は、全員気を失っているだけです』

 それを見た全員が安堵の溜め息を溢す。

 『それと、ここの道は、通れそうに無いです』

 騎士は一歩もその場を動くこと無く、琴音達が通ろうとしている場所にいる。

 この道を通る事を諦め、違う道から避難シェルターに向かうが。どの道にも騎士達がいて、一向に避難シェルターに近付く事が出来ずにいた。

 『駄目ですね、近付けません』

 道を確認した雪が、紙を見せながら首を横に振る。

 「どうするんですの?。このままでは、何れ見つかりますわよ」

 美和が声を殺して囁く。いま琴音達は、校舎の空き教室の一つに隠れていた。

 「あの騎士異常に強いよ」

 「確かに、強かったですね」

 琴音と葵の二人が、汗を拭きながら戦った騎士の評価をしている。

 「強かったじゃ無いですわよ。何ですのあの鎧?、魔法を宿してるなんて反則ですわよ」

 「私の結界も、効果がなかった」

 琴音と葵の援護をした、美和と朝美は反則だと言い散らす。空き教室に隠れる少し前に、偶然歩いていた騎士に見つかり千棟をしていたのだが。

 魔法は騎士の鎧に宿った魔法で打ち消され。接近戦を挑んだ琴音と葵の二人は、騎士の雷を宿した剣の一振りで勝てないと判断し。雪が煙幕を張った隙に全員で、空き教室に逃げ込んだわけである。

 「これから、どうするの?」

 朝美の問い掛けに、雪が答える。

 『巡回している騎士達に遭遇する危険がある以上、上を通って避難シェルターに行くのは危険です。

 賭けになりますが、地下通路を通って避難シェルターに向かうのが良いかと』

 避難シェルターは、万が一の事を考え。地下からも行ける様になっているが、地下通路は隠れる所が無く。騎士達がいた場合、隠れてやり過ごすことが出来ない。

 「行こう!」

 琴音がそう言い全員が頷くと、雪を先頭に地下通路迄向かう。途中何度か岸に出会うも、雪の持っていた煙幕で何とか戦闘をせずに地下通路迄辿り着く。

 「……やっと着いたね」

 「疲れましたわ」

 「もう、駄目」

 「「朝美様、あと少しです。頑張って下さい」」

 最後の騎士に見つかってから、避難シェルター迄後少しもと言うところまで走って逃げた所意で、朝見と美和の体力が尽き掛けていた。

 だが、後は避難シェルターの扉を開ければ良いだけになっていた。体力に余裕がある雪が、生徒しか知らないパスワードを打ち込むと扉が開く。

 「これで、聖騎士を呼べますわ」

 「早く、詩音ちゃんの事をしらせないと」

 琴音が走って開ききっていない扉に近付く。そして、隙間から強引に中に入り言葉を失った。

 「どうしたんですの?」

 美和が固まっている琴音に話し掛ける。その時扉が全て開き避難シェルターの中が全て見えたが。

 そこには、生徒や先生方の姿は無く。替わりに、一人の人物が丁度避難シェルターの真ん中辺りに立っていた。

 「襲撃者ですの!」

 美和の言葉に、琴音以外の全員が戦闘体勢をとる。少し遅れて、琴音も戦闘体勢をとる。

 (僕は、この人にあった事がある気がする)

 琴音達の目の前には、猫の仮面を着けた人物がいる。

 「貴女は敵ですの。それとも味方ですの?」

 美和が大喜な声で訪ねると、猫の固まっていの人物が答える。

 「依頼でお前達を殺す。悪く思うな」

 答えと同時に猫の仮面の人物の回りに、氷の塊が何個も浮かび上がる。それを見た琴音と朝見が、同時に炎の壁(ファイヤーウォール)を唱える。

 二人分の魔力を込められた炎の壁と、氷の塊がぶつかり相殺する。

 「こっちは、二人係りですわよ!」

 属性的に有利である筈の炎が、氷に負け驚く美和だが。猫の仮面の人物は、次に水の槍を構えると、物凄い速度で投げつける。

 『水なら、任せて下さい』

 雪が植物の壁を詠唱し水の槍を防ぐが、直後植物の壁を灼熱の炎が襲う。炎により燃える植物を、朝美の結界で守り何とか防ぐが。次の瞬間、地面が盛り上がり出入り口を塞ぐ。

 「逃げられなくなりましたわ!」

 美和が同じ土魔法で、土の壁をどかそうとするが。美和の魔法を受けても、出入り口を塞ぐ土の壁はびくともしない。

 「逃がしはしない」

 猫の仮面の人物がそう言い、右手を放り下ろす。その瞬間、琴音達を雷が襲う。

 結界をはっていた朝美や、防衛魔法を唱えた雪を嘲笑うように。雷は結界を壊し、防衛魔法を貫く。

 たった一撃で、琴音達は動けない程のダメージを負う。ダメージと雷の影響で動けずにいる琴音達に、猫の仮面の人物がゆっくりと近付いていく。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

登場人物

影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。

暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。

詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3


紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。

学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7

過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。


三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。

自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である。今分かってるのは、炎と土の魔法の二つ

勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。

努力が実ったのか、今は詩音に個人指導をして貰える位になった。

詩音と同じメイド喫茶で働いており。知られていないが、ファンクラブがある。



薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。

家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。

占い時など、人格が変わった様になる事がある。

こう見えて魔力ランクは7


葵と蒼…朝実の護衛である双子の少女。学年は詩音や朝実より下で中等部の生徒。

 ランクはどっちも5である。葵が姉で蒼が妹。


凪茶 雪…学年は2年で女

元暗殺者であり、暗殺者を育成する施設の出。拘束札を詩音に解除して貰い、詩音を我が主マイロードと呼んでなついている。

詩音に会うまでは、図書資料館に住んでおり。図書資料館の主と言われていた。

かなりの無口であり、主な会話方法は紙に書いた文字であり。また、感情を表に出すのが下手である。


黒姫…妖刀であり。死を知らせる者バンシーの名前があるが、その名前で呼ばれる事を嫌う。

全体的に黒い色であり。刃紋は朱殷色で、鎬の部分は紺色。

恐ろしく鋭い切れ味で、普通の鞘だとおさめられず。口付けでご機嫌にした後、精霊樹の鞘におさめている。

詩音が大好きで、かなりの焼き餅焼き。

人の姿の時は、黒い着物を着た少女。顔に紅いお化粧(おもに目の下)をしており。

「わっち、でありんす」と良く言う。


ローブの人物…詩音と斬り合が出来る程の実力者。猫の仮面の人物との関係は不明


猫の仮面の人物…氷、水、炎、土、雷の5の魔法を使う人物。ローブの人物との関係は不明

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