潜入一日目…依頼主との出逢い
(くそ、あいつら長すぎだろ)
あの後、二時間にわったって大浴場で捕まっていた。会話は、殆どがさっきの勝負の事だったが。ちょいちょい恋愛や身体の話になり、二人が納得するまで解放して貰えなかった。
(何て答えたか、後で思い出さなきゃな)
影霧 詩音としての作られたプロフィール通りに答えたが。恋愛については、憶測で答えており。後で、何て答えたか確認する執拗があった。
(ここか)
今、目の前には保健室と書かれた、部屋の扉があった。あの、依頼を受けた次の日に、電話で協力者が学校に潜入しており。無事入学したら保健室に行くように指示されていた。
(一人か。かなり手練れだな聖騎士長クラス…いや、もっと上か)
用心の為、ナイフでは無く。制服に仕込んだ魔方陣から黒い拳銃を何時でも撃てる様にしながらドアをノックする。
「どうぞ」
中から聞こえた声は、若い女性の声だった。
(ちっ…こいつかよ)
声で誰だかかり、舌打ちをしながらドアを開けて入る。
「あら?、誰かしら。一年生?」
長い紫の髪を団子状に纏めた。20~25歳くらい大人しめの白衣を着た女性が。椅子に腰掛けていた。
「ちっ、気付いてんだろ」
「ああ、何だ君か」
さっき間での大人しめの雰囲気を一変させた女性が、気付いていたのにわざと驚いた様な声で答える。それを、無視して椅子に座る。
「で、何であんたが此所に居るんだよ」
拳銃を構え、何時でも撃てる様にする。
「おお、怖いね。此所にいるのは、私も依頼でね。此所には、5年前からいるよ」
「なら、校長くらいの見たことあんだろ?、何であんたが殺んないんだよ」
そう言うと、さも面白い物が見れると言わんばかりに。
「此所の校長が依頼でね、君の監視が依頼さ。5年間いるのは、今の所これが本職だからさ」
「どっちだ、どっちの監視だ」
「仕事の成功の方さ」
依頼主が監視を雇うには、主に二つの場合がある。
一つ目が、自殺志願者が、保険金目的で自殺する為に暗殺者を雇う事で。その場合、暗殺成功の際に報酬を払うために。監視役の人物雇う。
二つ目が、そもそも殺される意思など無く、逆に暗殺者を殺し名をあげる事である。その時には監視役、この場合においての目撃者を雇う。
「仕事の方って事は、自殺か……」
二つ目の時は、仕事と言わず。殺しの方と答えるのが裏の世界のいちをルールである。
(自殺なら、何故影武者をたてる?…訳が解らん)
考え混んでいると。
「まあ、気楽に考えたまえ……それにしても、良く似合ってるじゃないか」
依頼主が、話かて来た。そこで、意識を切り換える。
「そう言えば、何て呼べばいい」
「ああ、そうか。此所では桃木 桃と名乗ってるよ。気楽に桃先生か桃木先生と呼べばいいさ、ただ、ももちゃんだけは許さないがな」
「わかったよ、ももちゃん」
「…喧嘩売ってるのか。…まあ、良いだろう。私と君の仲だ」
そう言いながら、見えない様に何かのボタンを取り出した。
「そう言えば、何故絡んで来た生徒を全員倒した。君なら、誰にも気付かれずに意識を奪えただろ」
「その事か、ならそれしか知らないからだよ」
「それしか知らないって…ああ、忘れてたよ。今まで潜入した事があるのは、全部実力主義の所だったね」
「そうだ。だから実力を見せ付けとかないと後が、大変になるからな」
今までの潜入では、絡まれたら倒してきた。
「ああ、忘れてたよ。君が表の世界に疎い事を」
「裏の世界しか知らないからな、何か不味かったか」
「いや、別に不味くは無いが大変になるぞ。まあ、私には関係が無いがね」
ももちゃんが、面白そうに笑う
「そう言えば、いい忘れていたが。この学園では二人一組のパートナーを組むのがルールであってな。今、君はモテモテだよ」
「モテモテって…俺ランク三だが」
「簡単さ、パートナーが強ければ毎年行われる。聖騎士を決める大会で優勝しやすくなるかからね。
君はランク六~四の生徒十四人を相手に勝ったんだ。それもほぼ無傷でね。まだ、パートナーが決まっていない一年を筆頭に、パートナーに不満がある。二年や三年辺りも来るさ、最高学年の四年は誘いに来ないだろうが、潰しに来るかもな ああ、めんどう事は無しで頼むよ」
「パートナーね、あんたが言い出したんだ。何かしら組まなくていい方法があるんだろ」
「あるが、今は無理さ」
ももちゃんは、そこまで言うと一度席を立ち。わざわざ隣に座る。
「何で近寄るんだよ」
「ああ、気にするな。…さて、パートナーを組むのが嫌な生徒は、生徒の五人と風紀委員の五人を説得若しくは、倒し実力を示せばいい
ただ、今は生徒会長の紅 琴音の姉の紅 椿は、学年は琴音の一つ上の三年だが、聖騎士の仕事をしている。
風紀委員長の薄紫 日向は、紅 椿と同じ三年でこっちは、違法魔術の尋問に行ってる
どっちも後、一ヶ月位は帰ってこないだろうな」
「なら、他のを先に倒しとけば」
「そうさせない為に、隣に座ったんだが正解だったか。いいか、これ以上目立つなが以来主からの新たな以来だ」
「以来ね、なら従うよ」
そこまで言った時、保健室に向けて多数の人物が近付いて来る気配があった。
「てめ、何した」
ももちゃんの手には、何かのボタンがあり押されていた。
「ああ、ももちゃんと言われた腹いせに、君が此所にいることを教えただけさ」
「誰に?」
「全校生徒さ」
文句を言う前に、保健室のドアが開き何人かの生徒が勢い良く保健室に入ってくる。
(くそ、後であいつも殺す)
窓から全力で逃げ、追ってくる生徒の後ろで。保健室の椅子に座りながら笑っているももちゃんを殺す事を誓う。
「頑張れ~」
遠くから、ももちゃんの声が聞こえた。