次は、大勝負
聖騎士魔導学園の保健室では、一人の女性生徒がベットで休んでいた。
そんな、女性生徒が寝ている保健室でのドアを、静かに開ける影が六つあった。
全員気配を消しながら音をたてない様に気を付けながら、女子生徒が寝ているベットに近付く。
そして、十分近付くと一斉にベットで寝ている女子生徒に襲い掛かる。
「よし、捕まえた!」
最初に保健室に入ってきた生徒がそう言いながら、布団ごとベットで寝ている女子生徒を紐で縛っていく。
「私は知りませんからね。こんな事をして、後で絶対怒られますわよ」
そう言っているが、紐で縛るのを手伝う二人目の生徒と。
「「何で、私達も手伝わされてるんですか?」」
顔がそっくりな二人の生徒が、縛った紐の余計な部分を切り落としていく。
「ごめんね。葵に蒼、これも詩音ちゃんの為何だって、だから手伝って欲しい」
「「いえ、朝美様がそう言うなら。私達は喜んで手伝います」」
「こら、そこの三人。名前を出しちゃダメだよ」
琴音が名前を呼んだ、朝美と葵に蒼を叱る。怒られ謝る三人を許した後、ドアの側で外を見張ってる雪を見る。
琴音が見てる事に気付いた雪は、誰も来ていない、大丈夫だと頷く。
「よし、今の内に運ぶよ。セーノ」
琴音の掛け声と共に、布団と紐でグルグル巻きになった詩音を運ぼうと持ち上げる瞬間。
「誰を何処に運ぶ気ですか?」
背後からの質問に琴音が咄嗟に振り替えると、そこには笑顔のまま。額に青筋を浮かべた詩音がいた。
「何で?、詩音ちゃんが後ろにいるのかな!?」
琴音の声で詩音に気付いた全員が固まるなか、美和がグルグル巻きになってる布団に気付く。
「詩音さんがいるなら、これは誰ですの?」
詩音だと思っていた全員が再び固まるなか、詩音がナイフを取りだしグルグル巻きになっているロープを切り裂く。
ロープを切り裂かれた事により、自由になった布団から少女が這い出てくる。
「黒姫お疲れさまです」
「苦しかったけど、わっち声出さないで頑張ったでありんす」
黒姫が詩音に頑張ったご褒美に、頭を撫でられながら。詩音に渡された甘い飴を舐め始める。
そんな、黒姫を見ながら。雪と葵以外の四人が驚きの声をあげる。
「え?。詩音ちゃん、この子が黒姫ちゃんってどういう事なの?」
「そうですわ!。黒姫さんって妖刀の筈でしたわよね!?」
琴音と美和が叫び、朝美は何故か蒼の後ろに隠れる。そんな、状況の中で葵が話し始める。
「確か武器に精霊が宿る事がある聞いた事があります。中でも、呪いの武器やや古からの武器には、精霊が宿っている可能性が高いと。
ただ、実体化するの事は希で。よほど使い手を気に入らない限り、姿を見せる処か。呪いをかけ、呪い殺すらしいです」
「葵さん良く知ってますね。説明道理、黒姫は武器に宿ったら精霊です」
「そうでありんす。黒姫は精霊でありんす」
黒姫が胸を張りながら言って、刀に姿を変える。そして、詩音の腰の鞘に収まった。
「凄い!、本当に刀になちゃった」
「ビックリですわ!」
「黒姫ちゃん、凄い!」
琴音と美和と朝美の三人が興味津々で、黒姫の事を見ていると。黒姫が人の姿に戻り、詩音の後ろに隠れる。
自分の後ろに隠れた黒姫の頭を撫でながら、詩音がナイフを取りだしながら、保健室のドアの前に移動する。
「さて、皆さん。一体何の要件があって、休んでた私を襲いに来たんですか?」
顔は笑顔だが、目が笑っていない詩音が全員を睨む。朝美は小さく悲鳴をあげて葵と蒼の後ろに隠れ、雪は然り気無く気配を消しながら朝美の隣に隠れる。
「「あの、私達は事情を良く知らないんですが」」
葵と蒼いが同時に喋り、自分達と朝美と雪を指差していく。
「ええ、会話を聞いたので。主犯が琴音先輩か、美和先輩のどちらかだとわかってます」
そう言われた四人が安堵の溜め息を吐き出す。代わりに、琴音と美和は諦めた様に静かに項垂れる。
「で、確か私の為ですよね。何処が私の為何ですか?」
少し強めに聞くと、美和が観念して喋り出す。
「詩音さんに日頃御世話になっいますので、ドッキリサプライズを準備したんですわ」
「ドッキリサプライズですか?」
「そうですわ。琴音と私で準備をしておいて、当日他の人達も誘って脅かそうとしたんですわ」
美和が話している間、琴音はずっと下を向いていた。そんな琴音を見て、黒姫が琴音の頭を撫でる。
「元気出すでありんす。泣くのはダメでありんす、笑顔が一番でありんす」
暫く黒姫が琴音の頭を撫でていると、突然琴音が黒姫に抱き付く。
「黒姫ちゃんありがとう。黒姫ちゃんのお陰で、凄く元気が出たよ」
笑顔で言う琴音を見て、抱き付かれ驚いた黒姫も笑顔になる。
「元気が出たなら何よりでありんす」
「うん、凄く元気が出たよ。だから、黒姫ちゃんもナデナデしちゃう!」
そう言って琴音が黒姫の頭を撫でようとするが、黒姫はするりとかわすと詩音の隣に行き詩音の服の袖を掴む。
「わっちを撫でて良いのは、詩音だけでありんす。元気を挙げた分、わっちを撫でて欲しいでありんす」
詩音に撫でろと催促する黒姫を見ながら、琴音が、良いな僕も撫でたいなと小さく呟いていた。
「それで、琴音先輩に美和先輩。二人以外ドッキリサプライズの詳しい内容は、誰も知らないと思っていいんですか」
詩音が黒姫を撫でながら、琴音と美和に訪ねる。二人が頷くのを確認してから、何かを考え始める。
そして、暫く考えた後。
「そうですね。今回のドッキリサプライズは、気持ちだけ受けとります。なので、次やるときはちゃんと騙せる位の実力をつけて下さいね」
「えっと、それって?」
琴音が声をあげると、詩音は笑顔で答える。
「私の為に、ドッキリサプライズを考えて下さってありがとうございます」
そう言って詩音が頭を下げる。
「えっと、こっちこそごめんね。ちゃんと騙せなくて、だから次は必ず騙すよ!」
琴音が力強く宣言すると、詩音が頭をあげる。全員の間に、何とも言えない良い感じの雰囲気が生まれるが。
「なので、私を騙せる様に特訓ですね」
「え?。特訓?」
詩音の唐突な特訓宣言に、琴音がすぐに聞き直すが。
「はい、特訓です。それに、丁度良く呼ぼうと思っていた全員がいますから。
私からのドッキリサプライズ特別特訓です」
そう言って詩音が一枚の大きな紙を広げる。そこには、対戦表が書いてあり。ここにいる全員の名前が、別で違う紙に書いてあった。
「詩音ちゃん?、それって何?」
朝美が恐る恐る聞くと、詩音がドッキリサプライズ特別訓練の内容を話し出す。
「今日は、皆さんに試合形式の勝負をして貰います。これが対戦表で、総当たり戦ですね。
そして、一番勝った数が多いい人にはご褒美を。逆に一番敗けが多かった人は罰ゲームです。
対戦相手はくじ引きで決めますので、運が悪いと連戦になる可能性もあります。
以上で説明終わりですけど、何か質問ありますか?」
詩音が説明を終えると同時に、琴音が手を挙げて質問をする。
「詩音ちゃん、これって何時やるの?」
「今日ですよ。体育館は既に予約住みです」
「詩音ちゃんも戦うの?」
「はい、私も戦います」
「罰ゲームとご褒美が知りたいな?」
「罰ゲームは、言えませんけど。ご褒美に関しては、勝った人の意見を聞いて用意します」
「でも、詩音ちゃんが勝ったら。ご褒美はどうなるの?」
「私の次に勝率が多いい人が、褒美を貰えます」
「ご褒美って、何れくらいまでなら良いの?」
「お金や物なら、100万ユース位なら出します。それ以外なら、可能な限り手を尽くします」
「それなら、僕を先輩を着けず呼んでってお願いしたら?」
「琴音先輩が勝ってそれで良いなら、私はそうしますよ」
「分かった。僕頑張るからね」
琴音の質問が終わり、他に質問が無かったので。詩音達は勝負の為に体育館に向かった。
登場人物
影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。
暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。
詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3
紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。
学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7
過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。
三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。
自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である。今分かってるのは、炎と土の魔法の二つ
勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。
努力が実ったのか、今は詩音に個人指導をして貰える位になった。
詩音と同じメイド喫茶で働いており。知られていないが、ファンクラブがある。
薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。
家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。
占い時など、人格が変わった様になる事がある。
こう見えて魔力ランクは7
葵と蒼…朝実の護衛である双子の少女。学年は詩音や朝実より下で中等部の生徒。
ランクはどっちも5である。葵が姉で蒼が妹。
凪茶 雪…学年は2年で女
元暗殺者であり、暗殺者を育成する施設の出。拘束札を詩音に解除して貰い、詩音を我が主と呼んでなついている。
詩音に会うまでは、図書資料館に住んでおり。図書資料館の主と言われていた。
かなりの無口であり、主な会話方法は紙に書いた文字であり。また、感情を表に出すのが下手である。




