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暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
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学園交流・聖道学園⑦

 詩音達が席に着いてから、暫くすると。戸野頭 秋子と戸野頭 英雄の二人が壇上に上がる。

 秋子は、マイク一つだけだが。英雄の方は、大きな布がかかった物を、重そうに押している。

 「さて、皆さん集まっていますか?」

 秋子がそう言いながら体育館全体を見渡し、誰も反応し無いのを確認して頷く。

 「全員参加の勝負は、楽しめましたか?」

 秋子の質問に、楽しめた大勢の生徒達が拍手を送る。大勢の生徒達に拍手を貰った秋子は、深々と頭を下げると笑顔で顔をあげる。

 「楽しめた様ですので、ここで豪華景品の発表です!」

 秋子が言うと同時に、英雄が壇上に運んで来た重そうな物の布を、勢い良く下に落とす。

 布の下にあったのは、大量のアクセサリーや儀式などに使われる小型の短剣だった。

 ただ、どのアクセサリーや儀式用の短剣にも、緑色の光を放つ魔法鉱石がついている。

 緑色の光を放つ魔法鉱石がついた、アクセサリーや儀式用の短剣を見て、多くの生徒達が驚きの表情で固まる。

 秋子は、驚きで固まる生徒達を嬉しそうに眺める。その顔は、イタズラが成功した子供の顔だった。

 「あの、それって…」

 前の方に座っていた生徒の一人が、指を指しながら確認仕様と尋ねる。ただ、生徒が尋ねるより先に、秋子がマイクを放して大声で叫ぶ。

 「何と、癒しの魔法を込めた魔法鉱石を使った、アクセサリーや武器です!」

 癒しの魔法。別名回復魔法は、そのなの通り傷を癒す魔法だが。使える魔導師の数が少く、覚えるのも本人の適正と膨大な努力が必要であり。

 癒しの魔法を使える人物は、大変貴重であると同時に。その、癒しの魔法を込めた魔法鉱石もまた、出回る数が少く貴重品である。

 そんな、貴重な魔法鉱石を使ったアイテムを。全員参加の勝負の生き残り者、全員分集めた秋子に生徒が驚きの余り声がでないなか。秋子が笑顔でネタ張らしを始める。

 「ですが。これは、我が学園の癒しの魔法が使える生徒と、先生方の協力で作って貰った試作品です。

 本職の人が魔法を込めた物より、数段効果は落ちますけど。それでも、ある程度の傷なら癒す事が出来ます。

 では、最後まで生き残った人は、獲得したリボンを持って壇上へどうぞ」

 その声に、琴音がすぐに立ち上がり。ほぼ同時に、数名の生徒も立ち上がり壇上へ向かう。

 「ほら、みんな早く。格好いいの無くなっちゃうよ!」

 ゆっくり壇上へ向かう、詩音達を急かす様に琴音が言うなか。壇上へ上がる前に、壇上へ上がる階段前にいる生徒にリボンを渡していく。

 最後に詩音が渡した時、リボンを受け取った生徒の顔が驚愕の表情で固まる。

 「どうかしましたか?」

 「い、いえ。大丈夫です!。すいません、前通ります」

 リボンを受け取った生徒は、そう言いながら秋子の元に走っていく。その生徒から何かを耳打ちされた秋子が、詩音の方を見る。

 (リボンに細工は、されて無かった筈だが。何か勘づいたか?)

 笑顔で詩音を見てる秋子に、笑顔を返しながら琴音達の元に向かう。意外にも生き残った生徒は少なく。琴音達は、自分の気に入るアクセサリーをじっくり探していた。

 (これが一番強い魔法が込められてるか)

 アクセサリーや儀式用の短剣を一通り眺めて、一番癒しの魔法が多く込められていたアクセサリーを手に取る。

 手に取ったアクセサリーは、三日月を象ったアクセサリーで。三日月の廻りを小さな丸い星が囲んでいる。

 そんな三日月を象ったアクセサリーを、黒姫の柄頭に邪魔にならない様に、鎖を短くして着ける。

 詩音が黒姫にアクセサリーをつけ終わる間も。まだ、琴音達はアクセサリーを選んでいた。

 琴音達がアクセサリーを決めたその後、今日のこれからの日程等を英雄が説明してお昼休憩になった。

 「何でメイド喫茶なんですか?」

 多種多様にある料理店の中から、何故か迷う事無くメイド喫茶に入る琴音達に、詩音が突っ込みをいれるが。

 「他の学園のメイド喫茶が、どういうサービスをしてるかの調査ですわ」

 先に席についた美和がそう答えメニュー表をメモっている。何故他のメ学園のイド喫茶を調査しなくては、いけないのか考えていると。

 『日向さんが調査するように、美和さんにお願いしてました』

 雪が紙に書いた答えを詩音に見せる。

 「説明ありがとうございます。雪先輩」

 雪にお礼を言いつつ席に座ろうとするが、席に座る直前でメイドの子の一人に呼び止められる。

 「詩音お嬢様、すいません。生徒会長が、出来ればすぐにでも来て欲しいと言ってます」

 メイドの子が、奧にある個室を指差す。詩音が行こうとすると、琴音達もついて来ようとするが。メイドの子が詩音一人だけしか呼ばれていない事を話すと、残念そうにしながら席に戻る。

 「すぐに戻って来ますから、メニューは何でも良いので頼んでおいて下さい」

 詩音はそう言って個室に向かう。途中で小さな声で、詩音ちゃんなら大丈夫、と琴音の声が聞こえた。

 個室のドアをノックしてから入ると、秋子ともう一人知らない人物が席に着いていた。

 秋子の隣にいる、老婆を警戒しながら席につくと。秋子が隣に座る老婆を指しながら、笑顔で話始める。

 「詩音さん、こちら聖道学園の校長です。校長こちらが詩音さんです」

 そう言われた校長が笑顔で頷くが。詩音は、それを無視しし秋子だけを見る。

 「おや、嫌われたのかね?」

 校長がそう言うが、詩音はあくまで校長を無視する。そんな、頑なに無視をする詩音を見て秋子が笑いだす。

 「詩音さん面白すぎです。ますます、欲くなりました。どうですか詩音さん、聖道学園に転校しませんか?」

 秋子がそう笑いながら、転校に必要な書類等を詩音の目の前に置いていく。秋子が黙々と書類を置いていく中、校長が詩音に話し掛ける。

 「何時気付きました?」

 さっきの老婆の声では無く、若い女性の声で校長がそう言うが。その、校長の口は一切動いていない。

 「最初からですよ。良くできたゴーレムですけど、生き物が纏ってる独特の気配が無いですからね」

 詩音がゴーレムの方を向きながら言うと、ゴーレムを操ってる人物の返事が返ってくる。

 「そうですか。一応改めて自己紹介を。訳あって今学園にいないので、こんな格好で失礼します。

 私は、聖道学園の校長をしてます、阿莉幸ありさと言います」

 深々とゴーレムが頭を下げる。

 「こちらこそ、無視をしてすいません。影霧 詩音です」

 (賢者の石を守っていたゴーレムの作りてが、まさか聖道学園の校長とはな)

 警戒を解くふりをしながら、然り気無く聖騎士の話をする。

 「そう言えば、学園にいた聖騎士の人達が減っていますけど。何かあったんですか?」

 「ちょっとした事があったので。でも、もう解決しましたので大丈夫です。

 それより、詩音さんは随分と強いんですね。今回の全員参加の勝負では、聖道学園の生徒の半分以上を、詩音さんが倒していますから。どうやったらそんなに強くなれるんでしょうね」

 (ちっ、上手く話を反らしたな)

 内心では舌打ちしつつ、笑顔で答える。

 「偶然ですよ。それより、転校ってどういう事ですか?」

 詩音も話を反らす。そこでタイミング良く、秋子が全ての書類を出し終えたらしく、額の汗をハンカチで拭いていた。

 「そうですね、転校仕手貰えば何故強いのか解りますし。一石二鳥ですね」

 校長が小声でそんな事を言っているのが聞こえるが、聞かなかった事にしておく。

 「では。まず先に、詩音さんの転校の事ですが。聖道学園側としては、今日からでも詩音さんが良いと言ってくだされば、転校を受け入れる用意が有ります。

 その場合詩音さんは、特待生扱いになりますので、学費や生活費の免除等の特典が有ります。

 次に、何故詩音さんを聖道学園に転校差せようとするか。一言で言うなら、詩音さんの強さに惚れたからです。

 聖道学園の生徒が調べた所、紅 椿さんに引き分けたと言う情報も有ります。

それほど迄に強い生徒なら、是非聖道学園で腕を磨いて欲しいと考えたからです」

 そこで一旦区切ると、秋子が一枚の紙を詩音の前に出す。それは、聖騎士見習いとして雇いって欲しいと言う推薦状だった。

 「詩音さんが聖道学園に来るのなら、今すぐにでも推薦状を聖騎士本部に送る準備もあります。

 詩音さんは、ここにサインをするだけで良いんです。後は、私が処理しますから」

 校長がそう言いながら、ゴーレムを動かし。一枚の紙とペンを詩音の前に置く。

 聖騎士を目指す生徒にとって、聖騎士見習いとして働くことは、夢に向かって大きな一歩を踏み出す事になるが。

 「すいませんが、私は転校しません」

 詩音はそう言いながら、個室のドまで迄移動する。

 「詩音さん待って、どうしてか理由だけでも教えてくれるかしら?」

 慌てて校長が声をかける。詩音は勢い良くドアを開くと、盗み聞きを仕様としていた琴音と美和の二人が、部屋に流れ込んでくる。

 「えっ、あの。すいませんですわ!」

 状況をいち早く察した美和が、額を床にぶつけて痛がっている琴音を抱いて出ていく。

 唖然としている校長と、盛大に笑っている秋子を見ながら詩音が答える。

 「あの人達との約束がありますし。それに、やっと学園に慣れてきて、面白いと思える様になってきましたから。

 確かに、聖道学園には魅力を感じますけど。私の、影霧 詩音としての居場所は、あそこにあるんですよ」

 此方の様子を伺う、琴音達を見ながら。詩音が自然な笑みを浮かべる。

 「そう言うわけですので、失礼します」

 そう言って、詩音が出ていった個室では。笑いすぎて、目尻に涙を貯めた秋子が校長に向かって言う。

 「だから私は無理でしょうと、前もって言ったんですよ。なのに雰囲気作りの為に無駄な紙を沢山作っりましたし、運ぶのも大変でしたよ」

 秋子がそう言いながら、紙を片付けていく。一方校長は、一度溜め息を吐くと。

 「ああ、一番欲しかった子に逃げられた!。不審者に浸入されて、ゴーレムも壊されるし。今日は、最悪の一日よ。

 まあそれでも、二つあった賢者の石の一つは壊されましたが。もう、一つは守れたから良かったです。

 もう、今日帰ったらお酒飲んで寝ます」

 叫ぶだけ叫ぶと、ゴーレムの操作を止めたのか。ゴーレムの動きがピタリと止まる。

 一人残された秋子は、紙を片付けるのを諦めて違う子に任せると。お酒を飲むと言っていた母の為に、旨いお酒を英雄に買いに行かせた。

 

 

 

  


 

  


 

登場人物

影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。

暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。

詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3


紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。

学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7

過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。


三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。

自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である

勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。


薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。

家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。

占い時など、人格が変わった様になる事がある。

こう見えて魔力ランクは7


黒姫…妖刀であり。死を知らせる者バンシーの名前があるが、その名前で呼ばれる事を嫌う。

全体的に黒い色であり。刃紋は朱殷色で、鎬の部分は紺色。

恐ろしく鋭い切れ味で、普通の鞘だとおさめられず。口付けでご機嫌にした後、精霊樹の鞘におさめている。

詩音が大好きで、かなりの焼き餅焼き。



戸野頭 英雄…聖道学園の生徒会副会長。学年は2年。女子にモテる顔をしており、あって早々に琴音を口説いている。

詩音がバイトをしているメイド喫茶の常連であり、通称ヒーロー(自分で、そう読んでくれとお願いした)と呼ばれている。

魔法ランクは9


戸野頭 秋子…聖道学園生徒会長。学年は3年。戸野頭 英雄の姉で、たまにぶっ飛んだ考えや、無茶苦茶な事を言うが。意外と利に叶ってる事が多い。

魔法ランク9


殿様頭 阿莉幸…秋子、英雄の母親であり、聖道学園校長。ゴーレム使いであり、賢者の石を守っていたゴーレムの所有者。


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