学園交流・聖道学園④
朝の朝食の時間に、本能寺が夜に詩音にしたのと同じ説明を全員に伝える。一部の、前もって伝えられていたであろう生徒以外の全員が其々の席に座ったま動きを止める。
そんな中、本能寺が一人の生徒に合図を送り。ドアの前にいた生徒が合図を受けドアを開くと、十五名の銀の甲冑を着た聖騎士達が入ってくる。
「昨日の二つの事件を受けまして。今回聖騎士の皆さんに聖道学園にいく間の護衛、及び学園の防衛を聖道学園の先生方と合同で行う事になりました。
聖騎士魔道学園の生徒の皆様には、ご迷惑とご不便お掛けしますが。安全に過ごして頂けるように、ご協力お願いします」
本能寺が言い切り頭を下げ、聖騎士魔道学園の生徒達がそれに拍手で答える。ただ、拍手をしながらも琴音が首を傾げる。
「どうしたんですの?、さえない顔をしてますわよ」
美和が琴音の顔を見ながら訪ねると。琴音が聖騎士達を見ながら、小声で話す。
「あの左端の聖騎士の人達何だけど、僕が間違って無かったら。多分上級聖騎士の人だと思うんだ」
聖騎士にも実力があり。一番下が見習い聖騎士。その上が、聖騎士になり。さらに上になると中級聖騎士、上級聖騎士と徐々に上がり。最終的には、二つ名を与えられる。
「上級聖騎士って、本当ですの!」
美和が小さな声で器用に叫ぶ。琴音が、多分だと疑問半分で言うが。
「間違いなくあの二人は、上級聖騎士ですよ。残りの見えている人達は、中級聖騎士ですね」
詩音がそう言うが。視線は、聖騎士達がいる場所とは違う方を見ている。
「詩音さんが言うなら間違いないでしょうけど、見える人達ってどう言う事ですの?」
美和と琴音が詩音が見ている方を見るが、そこには誰もいない空間があるだけだが。
「聖騎士の中でも魔法にひいでた部隊、聖魔導騎士の人達が五人。隠密活動や情報収集。さらには、潜入調査迄する聖隠騎士の人達が八人。合計十三人が、魔法で姿を隠していますよ」
そう言われた琴音や美和が辺りを見回すが、学生に見破られる様な聖騎士では無い。
見付ける事が出来ずに、探すのを諦める二人だった。
「でも、そうすると。聖騎士の人達は、全部で二十八名!?。いくらなんでも多すぎるよ!!」
驚く琴音を見ながら、もう一つの事を詩音が話す。
「それに五人は、魔法を宿した武器を持ってますよ」
「「ーーーっん!」」
大声を出しそうになった二人の口を両手で押さえる。今は、前にいる聖騎士達が簡単な自己紹介をしている最中だった。
「大きな声を出さないで下さいね」
二人にそう言いながら、口を押さえていた手をそっと離す。手を離された二人は、ゆっくりと辺りを見回した後に詩音の方を向く。
そして、美和が真剣な口調で喋る。
「可笑しいですわ。いくら何でも、過剰戦力過ぎじゃありませんですの?」
「うん。これは、可笑しいよ?。後で、本能寺さんに聞きに行こう」
「そうですわね。今は何があっても良いように、ご飯を一杯食べておきますわよ」
美和がそう言いながらご飯に(食事のマナーを守りつつ)食らい付く。
「そうだね。沢山食べて体力つけておかないと」
美和に負けじと、琴音もご飯に(こちらも、食事のマナーを守りつつ)食らい付く。
そんな二人を見ながら、椅子に座ったまま寝ている。雪と朝美を指で軽くつついて起こす。
「ご飯をちゃんと食べて下さいね」
詩音がそう言うと、まだ眠いのか二人が目を擦りながらも食事を始める。
(朝美は、仕方無いが。雪は一応元暗殺者だろ、朝くらいちゃんと起きてくれ)
朝美は、単純に朝に弱く。雪の場合は、側に安心できる詩音がいる為と、慣れない大人数での行動に疲れているのだった。
そんな、夢現のままご飯を食べている二人を見ていると、詩音の背後に姿を消している聖魔導騎士と聖隠騎士が一人づつ近付く。
そして、詩音の真後ろまで来ると、詩音にのみ聞こえる声で話す。
「貴女には我々の姿が見えている様ですね」
詩音が無言で頷く。
「そうですか。では、他の人には不用意に教えないでほしい。生徒に無駄に恐怖や、心配をさせたく無いので」
「なら、何でこんなに人数がいるのか、教えて貰えますか?」
二人の聖騎士が困惑するのが雰囲気で分かる、暫くの沈黙の後で小声で答える。
「昨日の殺害の犯人が、亡霊だと分かりました。また、私達の駐屯地を襲った犯人グループを壊滅させたのも、亡霊の可能性が高いと」
「元々亡霊が、奴等の仲間で裏切ったのか。それとも、偶然襲撃したのか分からないが。聖騎士は亡霊も事件に関わっていると考えている」
二人の聖騎士がそう答え、詩音の様子をうかがう。詩音は、亡霊と聞くと、驚いた顔をした後に納得した様に頷く。
「理由が分かりました。確かに亡霊相手なら、これだけの人数も納得できます」
(まあ、残念だけど。今の亡霊を相手にするには、全然足りないけどな)
そう言って黒姫を優しく撫でる。寝ているのか、意外にも黒姫は何の反応もしない。
「そう言った事ですので。今後は、私達の事は他の人達には言わないで欲しい」
そう言い残し、二人が詩音から離れていった。
その後、朝食の時間が終わり。聖道学園に向かう為の準備を終えて、全員で聖道学園に向かう。
何人かの生徒が、護衛の聖騎士達に憧れの視線を送るなか、事情を説明しておいた琴音の顔色が優れない。
「どうしたんですの?。詩音さんに説明されてから、何かずっと考えこんでいるようですけど」
心配になった美和が琴音に訪ねた。
「亡霊の事なんだけど。特徴を聞いて思ったんだ、僕何処かで本人を見た事がある気がするんだよね」
琴音がそう言うと、美和が溜め息を吐く。
「琴音貴女何を言ってるんですの?。亡霊は、暗殺者ですわよ。
それも、一流の暗殺者の証でもある二つ名持ち、其処ら中に指名手配の紙が張ってある程の人物ですわよ。
もし、見た事があると感じたんなら、指名手配の所意じゃありませんの?」
(あの時か?。いや、違うか)
琴音と一度だけ仕事の現場を見られ、戦った時の事をお思い出すが。まだ、琴音はあの時の記憶が戻っていない。
「琴音先輩は、亡霊を何処で見たんですか?」
詩音の質問に琴音が少し考えると、何故か顔が紅くなる。
「何処でって、昔だよ。そっ、それに、今思うと違うかな。ぶ、武器だって白い拳銃じゃあ無かったし。仮面も黒じゃ無かったからね。僕の勘違いだよ」
琴音が紅くなった顔を手で扇いで冷ましながら、口早に答えた。
「では、何でその人を亡霊だと思ったんですか?」
詩音が琴音の正面に回り込んで質問をする。琴音が後ろに下がり、答えずに逃げようとするが。後ろは雪が塞いでおり、左右は美和と朝実が固めていた。
逃げられないと観念したのか、琴音が話し始める。
「えっと、僕が名前を聞いたら。その人が言ったんだ、僕の名前は今日から亡霊だよ。って。
でも違うよね、その人の武器は小太刀だったし。仮面は、ただ黒いだけじゃ無くて、人の目みたいな模様が書いてあったしね」
「それって、何年前で、その人物とは何処であったんですか?」
「5年前位かな?。場所は、ごめん覚えて無いよ」
琴音の答えを聞いて、詩音が固まる。固まった詩音と入れ替わるよに、美和が琴音に訪ねる。
「5年前って。そう言えば琴音貴女が僕って言い出したのも、男っぽい感じになったのも、確か5年前位でしたわよね」
「えっ!?。何の事かな?」
顔をさらに紅くした琴音が必死に誤魔化そうとするが、意外にも朝実が止めを刺す。
「ねねちゃん、昔好きな人が出来ると、よく真似してた。ねねちゃん、その人の事好き?」
「琴音貴女、だから突然僕って言い出したり。男っぽい格好をしだしたのですわね」
「わー!。違う、違うよ!!。確かに、格好良かったけど……って、僕は何を言ってるんだ?。
違う、違うからね。相手は、多分犯罪者だよ。それに、僕は詩音ちゃん一筋だよ!」
琴音が必死に否定し、詩音に話をふるなか。詩音は、琴音の話すら聞こえない程、昔の事を考え思い出していた。
(俺の記憶に無いが。俺の昔の格好を知ってる人間は、裏の人間でも数名位しかいない。
それを、何故琴音が知ってる?。俺は、昔琴音にあっていた?)
「詩音ちゃん、大丈夫?」
琴音が詩音の顔を、鼻が触れ合う程の至近距離で覗いていた。普段なら気が付く距離を全く気が付かずにいた為に、驚きの余り思わず後ろに跳び琴音から距離をとる。
一瞬で後ろに跳んだ詩音を、琴音や美和に朝美と雪の四人と、側にいた生徒や聖騎士達が何事かと見る。
(これは、少し恥ずかしいな)
そう思いながらも、堂々した足取りで琴音達の元に戻る。
「詩音ちゃん、顔真っ赤だよ。あっ、もしかして照れてるの?。詩音ちゃん可愛い、それとも僕が顔を近付けた所意だったら嬉しいな」
琴音が少し顔を紅くしながら、笑顔を浮かべる。一瞬その笑顔に見とれるが、すぐに気持ちを切り替える。
「聖騎士の人達や、聖道学園の方が守ってくれるとはいえ。犯罪者がいる可能性が高いんですから、気を引き締めて行きますよ」
そう言って詩音が歩きだし、それに続く様に琴音達も歩き出す。
そんな、詩音達を遠くから眺めている人物がいた。フードと白い仮面で顔を隠したその人物の廻りには、数引きの蝶々が飛んでいた。
登場人物
影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。
暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。
詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3
紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。
学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7
過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。
三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。
自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である
勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。
薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。
家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。
占い時など、人格が変わった様になる事がある。
こう見えて魔力ランクは7
凪茶 雪…学年は2年で女
元暗殺者であり、暗殺者を育成する施設の出。拘束札を詩音に解除して貰い、詩音を我が主マイロードと呼んでなついている。
黒姫…妖刀であり。死を知らせる者バンシーの名前があるが、その名前で呼ばれる事を嫌う。
全体的に黒い色であり。刃紋は朱殷色で、鎬の部分は紺色。
恐ろしく鋭い切れ味で、普通の鞘だとおさめられず。口付けでご機嫌にした後、精霊樹の鞘におさめている。
詩音が大好きで、かなりの焼き餅焼き。
本能寺 奏多…聖通学園の生徒会書記。眼鏡をかけており、学年は2年。魔法ランクは8




