学園交流・聖道学園③
詩音の仮面を被りホテルのロビー戻ると、朝実が走り寄ってくる。途中で転びそうになった朝実を優しく受け止めて、耳元で囁く様に言う。
「原因は、排除しましたよ」
詩音から離れちょっぴり顔を赤くした朝実が笑顔で頷く。そんな朝実の後ろから、琴音と美和が怒りながら近寄ってくる。
「詩音ちゃんどこ行ってたの、僕達ロビーで待ってたんだよ」
「そうですわ。朝実さんに聞いても首を横に振るだけで、全然答えてくれませんでしたわ」
頬を膨らませて怒ってますアピールする琴音と、溜め息を吐きながら見てくる二人を見ながら、隠していた袋を見せる。
「日頃から特訓を頑張っている四人に、ドッキリプレゼントです。朝実さんには、二人を騙す協力者になって貰いました」
そう言いながら袋に入っていた石をメインにしたブローチを取り出し、それぞれに渡していく。
驚いたまま固まっている三人に渡し終わる直前に、雪が帰って来たので雪の分も渡す。
『詩音、これって魔法鉱石ですか?』
石を見て雪が紙に書いた文字を見せる。その文字を見た三人が、自分のブローチの石を見始めた。
「本当だ!。これ、魔法鉱石だよ!!」
「ええ、間違いなく魔法鉱石ですわ!」
琴音と美和が叫び、朝実が何度も頷く。魔法鉱石は、魔力を宿す鉱石で、魔法を武器に纏わせる材料になる。ただ、四人に渡した魔法鉱石は、只の魔法鉱石では無い。
「琴音先輩のには、水の魔法を。美和先輩のには、闇の魔法を。朝実さんには、光の魔法を。雪先輩には、火の魔法を。それぞれの魔法鉱石に込めておきましたから、大事にして下さいね。
一応言っときますけど。一度使うと一週間は、魔法を仕様出来なくなるのでいざっていうとき以外使わないで下さいね」
高威力の魔法を込めた魔法鉱石である。取り扱いに注意するように、警告するが。四人は其々のブローチを握り締め震えている。
「皆さん説明聞いて……!」
意気なり三人に飛び付かれ、かわす暇無く押し倒される。
「詩音ちゃん大好きだよ!。ありがとう!!」
「詩音さん有り難う御座いますわ!。所で込められてる魔法は、何ですの?」
「詩音ちゃん、ありがと。大好き」
三人が其々お礼を言う中で、雪が倒された詩音に近付き耳元で囁く。
「有り難う御座います、我が主」
「雪先輩、呼び方は詩音です。それと皆さん、いい加減離れてくれませんか?。……そろそろ人目が痛いんですが」
ロビーで女子三人に押し倒されている詩音は、いつの間にかロビー中の生徒やホテルの従業員に見られていた。
「皆さんの個人訓練の内容を、より実践的に厳しくいきますからね」
プレゼントを貰った時とは逆に、落ち込みながら三人が詩音の後に続いて歩く。
あの後、注意しても離れない三人に、雷魔法を喰らわせた詩音はお怒りモードだった。
『詩音。あれ以上厳しくするのは、流石に可愛そうです』
唯一詩音の個別訓練についこれる雪が、凄く落ち込んでいる三人を見ながら詩音に紙を見せる。
何時も以上に真剣な眼差しで見てくる雪を見て溜め息を吐きながら、側にあった茶菓子屋を見付けて大声を出す。
「雪先輩お腹空きましたね。あれ、丁度良い所に茶菓子屋さんがありますよ。
よって行きませんか?
……あ、すいません。お金が足りないみたいです、またの機会にしますか」
「詩音ちゃん、それなら僕が奢るよ!」
「いえ、ここは私が奢りますわ」
琴音と美和がここぞとばかりに奢ると言い争うなか、朝実が詩音に近付き袖を引っ張りながら店に入る。
「あっ、朝実ちゃんずるい!」
「なっ、抜け駆けですわ!」
詩音と朝実に続く様に入った雪を追うように、琴音と美和が店の中に入る。結局店で食べた分は、詩音を除いた四人での割り勘となった。
店を出た後に詩音が三人に聞こえる様に、個人訓練の内容を変えない事を言うと。三人が安堵の溜め息を吐くのが分かった。
それから種々な観光名所を廻り、ホテルに戻ると温泉に直行となり五人で温泉に入る。
「そう言えば、聖騎士の駐屯地に襲撃があったんだって」
温泉に肩まで浸かってる琴音が言うと。髪の毛を洗っている美和が答える。
「確か四人で、違法魔法薬物を仕様していた可能性が高いと言ってましたわね」
(聖騎士は、あの化物達を、違法魔法薬物使用者にしておくつもりか。まあ、その方が混乱させなくて良いと、上が考えたんだろうな)
詩音がそう考えている中、お湯で暖まったせいか。何時もより顔を紅くさせた雪が、ハンドシグナルで言う。
『聖騎士は、怪物達の原因を賢者の石と判断したようです。更に、詩音が襲撃した施設を見て無用な混乱を市民に与えないように。
聖騎士の駐屯地を襲撃したのは、違法魔法薬物を仕様していた連中としたらしいです』
(まあ、その方が良いが。対応等はどうする気だ)
「もし、変な人物に有ったら際は、下手に自分で対応仕様とせずに近くの聖騎士に助けを求める事。
もし近くに聖騎士がおらず。自分で対応しなくてはいけない時は、攻撃魔法は使わずに、弱体化の魔法や封印魔法のみを使用し。
近接武器で攻撃する場合は、心臓より少し下を狙い切るでなく、突き刺すか破壊する事。
突き刺すにしろ、破壊するにしろ。相手が完全に動きを止めるまで、油断せずに止めを刺す事だったよね」
「対応と仕手は大袈裟ですけど、其ほど迄に危険な人物って事ですわね」
「琴音先輩も、美和先輩も、朝美さんも。もし変な人物に合ったら、殺す気で挑んで下さいね」
真剣な声と表情で言うと、その雰囲気に驚きながらも三人が頷く。
「まあ、私か雪先輩がいれば、私達に任せて下さいね」
詩音がそう言うと、琴音と美和が私達でも大丈夫だと良い。駄目だと言う詩音に抗議の水をかけ、詩音を攻撃された雪が琴音と美和に反撃の水をかける。
いつの間にか、詩音以外の水の掛け合いになり。最終的に呆れながらも詩音も参加し、詩音&雪チームVS琴音&美和&朝美の勝負になった。
元暗殺者である雪の素早い動きと、詩音の気配を消した攻撃に対して。琴音と美和と朝実の三人は、壁を背にしながら戦う事で攻撃される場所を減らす。
そんな攻防を二時間以上続けていて結果。全員があがる頃には、詩音以外の四人が逆上せていた。その後、少し回復した琴音が詩音に枕投げで挑むが、投げた枕を蹴りで弾き返され。天井に当てたり、壁に当てて起動を変えて攻撃してくる詩音になす統べなく。コテンパンにやられ悔し涙を流しながら布団に入り眠りに落ちた。
詩音が夜間の間に簡単な仕事を終えて布団で寝ていると、部屋のドアが軽くノックされる。
誰が訪ねて来たのかと思いながら「入ってい良いですよ」と言う。その声を聞いて入ってきたのは、意外にも本能寺だった。
「夜分遅くに失礼します。起きているのは、詩音さんだけですか?」
廻りを見て詩音が無言で頷く。
「そうですか。では寝ている人には、朝の朝食の時に纏めて伝えます。一応起きている詩音さんには、先にお伝えしますね。
先程聖騎士の方から連絡がありました、近くで殺しがあったそうです。朝の聖騎士の駐屯地襲撃と関連があるか、まだ分かっていないそうですが。
警戒の意味も込めて、夜間のホテルからの外出を禁止します。と言う事が両学園の校長の話し合いの結果です。
それと、朝出掛ける際や、私達の学園にいる間でも。必ず一人出の行動は避け、最低でも二人以上で行動して下さい」
(殺しは、俺何だけどな)
そう思いながらも頷くと、本能寺は「次の部屋に生きます、お休みなさい」と言って部屋を出ていく。
本能寺がいなった後、また布団に戻り眠りに落ちる。暫く寝た後息苦しさで目が覚める。
(俺は抱き枕か?)
息苦しさの原因は、詩音に抱き付く様にして琴音が寝ており。朝実は雪に抱き付いており、雪は優しく朝実の上に手を置いていた。
(意外にも美和は、寝相が良いんだな)
きちんと自分の布団の範囲で寝ている美和を見ながら、琴音を引き離し枕元に置いてある黒姫の朝の手入れをし始めた。
登場人物
影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。
暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。
詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3
紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。
学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7
過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。
三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。
自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である
勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。
薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。
家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。
占い時など、人格が変わった様になる事がある。
こう見えて魔力ランクは7
凪茶 雪…学年は2年で女
元暗殺者であり、暗殺者を育成する施設の出。拘束札を詩音に解除して貰い、詩音を我が主マイロードと呼んでなついている。
黒姫…妖刀であり。死を知らせる者バンシーの名前があるが、その名前で呼ばれる事を嫌う。
全体的に黒い色であり。刃紋は朱殷色で、鎬の部分は紺色。
恐ろしく鋭い切れ味で、普通の鞘だとおさめられず。口付けでご機嫌にした後、精霊樹の鞘におさめている。
詩音が大好きで、かなりの焼き餅焼き。
本能寺 奏多…聖通学園の生徒会書記。眼鏡をかけており、学年は2年。魔法ランクは8




