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暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
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現れたクレーマー

 メイド喫茶が開店してから5分も経たない内に、以外と席数がある筈が満員になる。

 その様子をお客に扮した日向、椿、琴音、朝実、美和、葵、蒼の7人が見守る。

 「こんなんぎょうさん、お客さんが来るんは初めてや」

 日向が驚いた様に呟く。

 「客の大半は内の学園の生徒だがな」

 椿が言うとおり、お客の9割は学園の生徒だった。

 「姉さん、それでも凄い事だよ」

 琴音がそう言いながら目の前のパフェを食べる。其々の目の前には、其々が頼んだ料理があるのだが。

 「あれ?、皆食べないの?」

 琴音がさっきから料理に手をつけていない、日向と椿以外に言う。

 「いえ、食べますわよ。ただ、それより」

 美和がそう言いながら目の前を通り過ぎたメイドの事を目で追う。良く見れば朝実や葵に蒼もそのメイドを目で追っていた。

 そのメイドは目まぐるしくお客がいる店内を、まるで舞踏会でダンスを踊るように優雅にそれでいて上品でいながら静かに料理を運びながら接客をこなしていく。

 時折起きるトラブルにも慌てる事無く、素早くそれでいて完璧に対応していく。

 「本当にあれが詩音さん何ですの?」

 今も女子ですら見惚れる笑顔を浮かべながら、お客を席まで案内している詩音を指差す。

 「そうだよ詩音ちゃん本人だよ」

 琴音がそう言いながら詩音を呼ぶ。

 「お呼びになりましたか、お嬢様」

 呼ばれた詩音が笑みを浮かべながら琴音の隣に来る。

 「本当に貴女詩音さんなの?」

 美和が違う人物を見るような目で詩音に尋ねる。

 「はい、お嬢様。正真正銘、影霧 詩音本人ですよ」

 笑みを浮かべたまま答える詩音を見て、美和が顔を紅くしながら俯く。

 「詩音ちゃん、えっと、可愛いよ」

 もじもじとしながら朝実がそう言う。

 「お褒めの言葉有り難う御座います。ですがお嬢様の方が愛らしく、とても可愛いらしいですよ」

 「か、可愛い」

 可愛いと言われた朝実の顔が真っ赤になり、ボフンと言う音と共に隣の葵の方に倒れる。

 普段ならすぐに朝実の心配をする筈の、葵と蒼が反応が遅れる。

 「なあ、詩音はん何処でそんなメイドスキル覚えたん?」

 日向があたふたとしている葵と蒼を見ながら詩音に尋ねる。

 「そうだよ詩音ちゃん、料理も完璧だし。いったい何処で覚えたの?」

 日向の質問に被せる様に琴音も尋ねる。メイド喫茶が開店する前に、簡単な料理チャックをしたのだが。

 詩音の腕前はプロレベルであり、今も料理を運びながら接客をしつつ料理迄こなしている。

 二人の詩音にたいし詩音は、指を口に当てると。

 「お嬢様、それは秘密で御座います」

 そう答える。顔を紅くする紙音をしり目に。日向がなおも食いつくが

 「すいませんお嬢様、他のお嬢様に呼ばれましたので」

 そう言って詩音は日向から離れて他のお客の接客をしに行った。

 「そろそろじゃないか?」

 お店がある程度空きはじめた頃、椿が店の中を見ながら呟く。そして、其を合図にしたようにお客の一人が突然騒ぎ出す。

 「だ、旦那様どうなさいましたか?」

 近くにいたメイドの子が脅えながら、他の学園の制服を着ている5人組のお客に尋ねる。

 「ああ、どうしたもこうしたもねえよ。頼んだ料理が違うんだけど」

 「そうそう、俺らが頼んだ料理じゃないんだよね」

 そう言いながら、殆ど食べ終わっている料理を指差した。

 「も、申し訳ありません」

 メイドの子が謝ると。

 「お腹が空いてたし、料理が来たから食べたけど。俺らが頼んだ料理じゃないんだから料金払わなくて良いよな」

 男子の一人がそう言いながらメイドの子を睨む。

 「彼奴らや、最近来るイチャモンつけてくる連中や!」

 怒りに任せて飛び出そうとする日向と琴音を、椿と美和が服を掴んで止めた。

 「旦那様失礼ですが、旦那様が頼まれた御注文の品を確認させて貰っても宜しいですか?」

 怯えるメイドの子の後ろから、詩音がそう言って伝票を見る。

 「良いぜ、俺らが頼んだ料理はコレとコレとコレだよ」

 男の一人がメニュー表を指差していく、怯えていたメイドの子が小さく「頼んだのと違う」と呟く。

 「確かに違いますね」

 伝票をを見ながら、詩音がそう言う。

 「だろ、だからそっちが間違えたんだから料金を払わなくて良いよな」

 男達がそうだ、そうだと叫ぶなか。詩音が確認するようにもう一度尋ねる。

 「もう一度確認しますが。旦那様方が頼まれたのはコレとコレとコレで間違いありませんか?」

 詩音がさっき男が指を差したメニューを読み上げながら、指差していく。

 「ああ、そうだよ間違って無いぜ」

 男が勝ち誇った笑みを浮かべながら言が、詩音が不思議そうに尋ねる。

 「そうですか、大変失礼しました。旦那様方はお嬢様方だったのですね」

 「「「「「はっ?」」」」」

 男達が意味が分からず声を挙げた。他のお客達も不思議そうに紙音を見る中、詩音が笑顔でメニュー表を指差しながら言う。

 「お嬢様方が頼んだメニューは全て、女性専用メニューになりますので」

 それを聞いた他のお客が、詩音がさっき読み上げたメニューを見ると。

 「確かに女性専用と書いてあるな」

 椿や他のお客がそう言いながら、男子達を見る。さらに、男子達が何かを言うより先に詩音が言う。

 「こちらのメニューを頼む際には女性かどうかのの確認をさせて貰っております。

 大変申し訳ありませんが、お嬢様方の学生手帳を見せて頂いても宜しいですか?」

 男達が何で見せなきゃいけないんだ叫びだし、そのまま店を出ようとする。

 「すいませんお嬢様方、確認させて貰えないようですと。先程食べた料金をはらって貰わないと行けないのですが」

 詩音が笑顔のまま言うと、男の一人が舌打ちをしながら詩音に掴みかかる。

 「なあ、痛い目みたく無いだろ。そっちがメニューを間違えた、俺らは間違ってきた料理を食べたから料金を払わなくて良い。

 そう言う事にしとけば、お互いの為何だよ」

 そう言いながら掴んでいた詩音を離し、そのまま店を出ようとするが。

 「学生手帳を確認させない、それに暴力を奮うと脅す挙げ句の食い逃げですか」

 詩音が男達を見ながら、大きく溜め息を吐く。そして、ギリギリ男達に聞こえる大きさで言う。

 「貴方達は旦那様でもなく、お嬢様でもない。ましてお客様ですらない、害虫ですね。

 いえ、まだ害虫の方がましですね」

 男達が怒りの表情で振り向く、それを見ながら詩音がさらに煽る。

 「物覚えは悪いのに、耳は良いんですね。ああ、すいません。耳以外は全て悪そうですね」

 男の一人が叫ぶ。

 「言ってくれるじゃねえか、そこまで言ったんだ勝負くらい受けてくれんだろな!」

 「ええ、良いですけど。また来られても迷惑なので、賭けをしませんか?」

 笑顔でそう言う詩音を見て男達に警戒の色が浮かぶ。ただ、続く詩音の言葉で男達の表情が変わった。

 「此方が掛けるのは先程の料理の料金と、私自身の全権利です」

 男達の表情が驚きの後に、詩音の身体を舐め廻す様に見て変態の顔に変わる。

 「その勝負乗ってやって言いが、此方は何を掛ければ良いんだよ?」

 既にやる気になっている男の一人が確認するように言う。ここで無茶な要求だった場合何かしらのハンデをつけさせるつもりである。

 「そうですね、先程確認したんですけど。随分食い逃げしてる様ですので、今までの食い逃げした分の料金の支払いと、半永久的に店の立ち入り禁止。

 それに、この学園の生徒に対する暴力行為の禁止と先程の暴力行為の慰謝料を要求します」

 妥当な要求だが、男達が文句をつける。

 「そっちが払うのは二つなのに、此方は四つかよ!」

 「そうだぜ、二つと四つ。こりゃあ無いよな、対等な要求に為らないぜ?」

 男達がそう叫ぶなか、詩音が溜め息を吐く。

 「なら、そちらの二つ要求を増やすか。それともハンデをつけますか?」

 男達が醜悪な笑みを浮かべる。

 「なら、ハンデで魔法を使わないのと。武器の使用を禁止するが良いよな?」

 男達がそう言った直後、誰かが叫びながら店から出てくる。出てきたのは琴音達だった。

 それを見た男達が顔を青くさせる。

 「てめえ汚えぞ、他の奴の勝負の参加は認めないからな!」

 男の一人がそう叫んだのを聞いて、詩音が笑う。

 「ええ、元々一人で戦うつもりでしたけど。今貴方が一つ追加で要求したので、後で勝ったら私も一つ追加で要求しますね。

 では、勝負を始めますか?」

 男達が頷くと巨大な魔方陣が地面に浮かび上がる。魔方陣の光に飲み込まれる前に琴音達の方を見ると、「詩音ちゃん、ファイト」と琴音が叫んでいた。

 魔方陣の光が身体を覆い、身に付けていた武器を違う空間に転送していく。

 全部の武器が転送され、次に最低限の防衛魔法以外の封印害虫ですね始まった時、不意に昔の事を思い出し。すぐに頭から忘れる様に、大きく息を吐き出した。

 

 

 

 

 

 


 

  


 

 

 

  

 

 

 

 

登場人物

影霧 詩音…校長の暗殺の為に、学園にいる暗殺者。本来の性別は男だが、薬により少女になっている。

暗殺者としては亡霊ファントムと呼ばれ。複数の二つ名を持つ一流の暗殺者でありながら、魔力が全く無い。

詩音になっている際は、薬の副作用で魔法が使える。魔法ランクは3


紅 琴音…ボーイイッシュな少女。学年は詩音より上であり、琴音先輩と呼ばれている。

学園でも屈指の実力者であり、魔法ランクは聖騎士見習いになれるランク7

過去に両親を暗殺者に殺されている過去を持っている。


三條 美和…学園に入学生した詩音に勝負を吹っ掛け負けた少女。学年は琴音と一緒で詩音より上。

自己申告の魔法ランクは5だが、本当は3種類の属性魔法が使えランクは6である

勝負に負けてから詩音に興味を持ち、御近づきになろうと努力をしている。


薄紫 朝実…詩音の正体を知っている数少ない生徒。極端な人見知りであり、普段は葵と蒼と言う双子と一緒にいるが。双子がいない時は琴音の後ろに隠れている事が多い。

家柄暗殺者に命を狙われる事が多かったが、偶然正体を知った詩音と取り引きをして守って貰う事で引きこも生活に別れを告げた過去がある。

占い時など、人格が変わった様になる事がある。

こう見えて魔力ランクは7


葵と蒼…朝実の護衛である双子の少女。学年は詩音や朝実より下で中等部の生徒。

 ランクはどっちも5である。葵が姉で蒼が妹、


紅 椿…紅 琴音の姉で3年生でありながら、聖騎士の仕事の手伝いを任されるほどの実力者。ランクは10であり、生徒会長。


薄紫 日向…薄紫 朝実の姉で、紅 椿と同学年。違法魔術師の拷問等を代々なりにしている薄紫家の当主であると同時に、学園にあるメイド喫茶の店長

 風紀委員長でありランクは10

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