潜入一日目
「ここが、聖騎士魔導学園。通称乙女の学園か。学園て言うより。元城だな、それも戦争時に建てられた城か」
学園は、高い塀と幾重にも掛けられた防衛魔法が見えた。普通の学園では、有り得ない程の厳重さに思わず、口角が上がる。
(ここまで厳重なら今回は、殺りやすいな)
人は、眼に見えて守られてると。それが、厳重になれば成る程中にいる人物は、油断する。
今までの仕事の経験上、相手を殺すのが簡単だと思い。後は、見付けるだけだと方の力を抜く。
(さてと、そろそろ迎えが来るはずだからな。役に成りきるか)
待ち合わせの二時間前に着き。下見を終え待ち合わせの場所に着いた時、後五分で待ち合わせの時刻になろうとしていた。
変装用の魔法を込めた薬を使い、少女の姿になってから三日。最初の頃に比べれば、女性らしい仕草などが出来る様に成ったが。万が一の時を想定して、すぐにナイフを抜ける様にする。
「ゴメン、ゴメン待たせたかな?」
「いえ、お気に為さらずに、私も今来ました所ですから」
振り替えると、綺麗な女性が立っていた。長い髪を後ろで一縛りしており、女性だと解るが。ただ服は、男性物を着ており。何処か中性的な雰囲気を纏っていた。
(荒削りだが、良い魔力だ。強いなこいつ)
「あれ?僕の格好変かな。学校では好評だったんだけどな」
「いえ、戸手も似合ってますよ。少し見とれてただけです」
「そう、なら嬉しいな。今日は、可愛い子が来るからって張り切ってたんだ。…ああ、そうだまだ名のって無かったね。
僕の名前は、琴音、紅 琴音だよ」
「紅先輩ですね。私は、影霧 詩音です。よろしく御願いします」
「先輩は、要らないよ。気軽に琴音って呼んでくれて良いよ」
「いいえ、紅先輩。礼儀は必要ですから」
「なら、名前でお願いしたいな。紅は、姉が居るからね。たまに間違って琴音って呼んでも良いよ」
「解りました。琴音先輩。間違う事は、無いと思いますが」
「君は、固いね」
琴音先輩は、そう呟いた後学校に向かって歩く。
(疲れる)
そう思いながら、張れない様に笑顔を張り付けたまま付いていく。
学校の校門を潜る直前、琴音先輩が話し掛けてきた。
「そう言えば、君はランクはいくつかな?」
「ランクですか?」
ランクは、魔力の量と実績によってランクが別れ。星の数が多いい方がランクが高く、星十一が最大である。
「残念ながら、私は、ランク三ですよ。琴音先輩は、いくつ何ですか?」
「ん、僕かい。僕は七だよ」
(七か、確か聖騎士見習いに成れるランクか)
聖騎士は、主に治安維持活動に力を入れており。罪を犯した違法魔導師を捕縛する事もある。
「凄いですね。憧れますよ」
笑顔を張り付けたまま誉める。琴音先輩は、褒められたのが嬉しいのか、満面の笑みを返してくる。
校門を潜り抜け校舎に向かって二人で歩いて要ると。
「へー、新入生だ。そこの子ちょっと私達と遊ばない」
柄の悪そうな連中に、声を欠けられた。
(全部で十四人か、少ないな)
今、目の前に要るのは五人だが。隠れてるつもりなのか気配を消して要るのが、取り囲むように九人要る。
(一人当たり0.五秒。全員で合わせて七秒で皆殺しに出来るな…問題は、隣か)
隣を見ると、案の定琴音先輩が怒っていた。
「君達意気なり新入生に、勝負を挑むのはどうかと思うよ」
「これは、これは。優等生の紅さんじゃ無いですか?別に私達は、勝負を挑んでる訳では無いんですけどね。ちょっと遊ぼうとしただけですよ」
「それが、勝負を挑んでるじゃ無いか!前にもそうやって、新入生から、ポイントを巻き上げた癖に」
「あー、あれは、物の弾みでそうなっただけですよ。別に強制したわけでは無いから罪にはなりませんよ。相手も了承して勝負したんですから」
「何が罪にはならないだ!一人を複数人で囲んで無理矢理了承させた癖に」
「別に、ただ廻りに立ってただけですけど」
(こいつら、これが狙いか。俺を出汁にこいつに勝負を挑むのが)
琴音先輩は、熱くなってるのか廻りが見えていない。もしここで勝負をすれば間違いなく数に飲まれ負ける。
「よし、なら勝負で決着を…」
案の定琴音先輩が勝負を挑もうとする。相手は、笑っている。
「私が、相手します」
琴音先輩の言葉を遮る様に言う。
「「えっ?」」
予想と違う事に成り相手が驚く。後、琴音先輩も驚いていた。
「聞こえませんでしたか?なら、もう一度。私が此所にいる全員を相手します」
要約理解したのか、相手に恵未が浮かぶ。
「此所にいる全員って、君には無理だよ。やっぱり僕が…」
「琴音先輩。すいませんが最初に話を振られたのは、私です。なら、私が先に決め手も問題有りませんよね?」
「問題は無いけど」
「なら、良いですよね!そちらの方々も良いですよね?」
相手は、笑みを浮かべながら頷く。
(さて、後はどうするか。俺を出汁に使ったんだ。知らなかったとは言え、それなりの罰を与えないとな)
少し考えた後
「そうですね。ただの勝負じゃ詰まらないので一つ賭けをしません」
「えっ? 賭けですって?」
「ええ、賭けです。負けた方にそれ相応の罰を与えましょ」
「賭けって、何を賭けるんですか?」
「敗者の全権限を」
「っ!全権限って!」
「紙音ちゃん!其は駄目だよ」
琴音先輩が止めるが、無視して話を進める。
「ええ、全権限です。もし私が負けたら煮るなり焼くなり御好きにどうぞ。ただ、皆さんが巻けた時は、同じ物をつまり。皆さんの全権限を貰います」
「へっ、受けてあげますよ。此所にいる全員負けたら、全権限を貴女にあげます。その代わり此方が勝ったら貴女には、男でも相手にして貰いましょうかね?」
「解りました。ならルールを決めましょうか?」
「ふん、その済まし顔が出来るのも今の内ですよ!」
「詩音ちゃん、駄目だよ!そうだ。なら、僕も。僕も勝負に入るよ。そしたら…」
「申し訳有りません。琴音先輩もう勝負のルールも決まりましたので残念ですが。今からは、勝負の参加は無理です」
「そんな、ルールって何を選んだい?」
「一対、複数のハンデマッチです」
「えっ?嘘だ、詩音ちゃん嘘だよね?」
「嘘じゃ有りませんよ。もうすぐ始まりますので。琴音先輩は、離れてて下さい」
呆然と立っている。琴音先輩に一度笑って見せた後、勝負の用の魔方陣の上に乗る。
(さて、殺さずに遊ぶか。何分持つかな)
学校支給の護身用ナイフを回しながら、どうやって遊ぶか考える。
魔方陣が、一度大きく輝きだした後。目の前には笑みを浮かべた。獲物達がいた。
「さて、始めましょうか?」
それを、合図に戦闘が始まった。
誤字、脱字、こうした方が良いよ等。色々なご意見、ご感想お待ちしております。
次回は、6月29日投稿予定です。
その前に、投稿出来たらします。