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暗殺者は今日も女装をする。  作者: 木陰の蛇
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推察

「あれ?、ここは……」

琴音が目を開けると、目の前には学校の保健室の天上が見えた。

「気が付いたようね」

声がした方を向くと、机の上の書類を見ている、桃木先生がいた。

「桃木先生、僕は何でここに?」

ベットから起き上がろうとする琴音を、優しくベットに横にさせながら尋ねる。

「何も覚えて無いの?」

「えっと、確か皆とゴミ拾いをしてて。それで、朝実ちゃんと一緒にゴミ捨てに行ってる途中で、変な蝶が飛んでて。その蝶を追ってる内に、知らない場所に居て…………すいません、後は、気がついたらここに」

「そう。外傷は無かったから、多分一過性の記憶喪失だろうけど、一応明日もう一度再検査ね。

それと、詳しい事は明日教えます。今日はもう遅いから自分の部屋に戻りなさい」

「えっ!?」

窓の外を見ると、かなり暗くなっていた。少し、何が起きたか知りたかったが、渋々部屋に戻ろうとすると、後ろから桃木に呼び止められる。

「そう言えば、貴女が見た蝶は、どんな蝶だったの?」

そう言われて、見た蝶を思い浮かべるが。

「始めて見た蝶何ですけど、……あれ?、思い出せないや」

「どんな色だったか、それと模様も思い出せないの?」

「えっと、始めて見た珍しい蝶なのは、思い出せるんですけど。色や模様になると何も」

「なら、思い出したら教えてちょうだい」

「わかりました、思い出したら伝えに来ます。後、明日ちゃんと今日の僕が忘れてる事を教えて下さいね」

琴音は、それだけ言って保健室を後にする。その姿を見送った桃木が、保健室のドアを閉める。

「さて、何があった聞かせて貰おうか」

さっき迄の教師の仮面を脱ぎ捨てながら、隠れていた人物に言う。

「何があったか、か。色々ありすぎるんだが?」

そう言いながら、出てきたのは、黒い仮面を被った前進黒ずくめの人物だった。

「そうか、なら何故君が影霧 詩音ではなく。亡霊(ファントム)に戻って要るのか、から説明してくれ」

「良くわかったな、影霧 詩音の時と背格好は、似てるし。

何より、気配も近付けたんだけどな」

「確かに、最初は影霧 詩音だと思ったけど。影霧は、そんなに血の臭いをさせてないさ」

そう言いながらももちゃんが、臭い消しの香を焚きはじめる。

(血の臭いか……一応臭い消しを使ったんだけどな)

臭い消しの香が充分に焚きあがるのを待ってから、話始める。

「何故、影霧 詩音(女性)じゃないか、だったよな。

一言で言うなら、ももちゃんの所意だな。影霧 詩音に出した依頼が無ければ、(ファントム)に戻る必要は、無かったからな」

ブハっと、盛大にももちゃんが、飲んでいたお茶を噴き出す。

「ゲホッ、ゲホ。何故私の所意何だ?。確かに、影霧 詩音にたいし依頼をしたが、何故亡霊(キミ)が関係してるんだ!?」

「俺が暗殺(仕事)を終えた時に、琴音が現れたんだよ。それで、そのまま戦闘になり。琴音が最後に[生け贄の一撃(サクリファイス)]を使ったからな、影霧 詩音では防げないから。薬の効果を別の薬で消して、(ファントム)に戻った訳さ。

おっ、お茶うまいな。…………ももちゃん何て顔してるんだ」

何かを堪える様な顔をしていたももちゃんが、急に怒鳴りだす。

「キミは何をしたんだ!!。[生け贄の一撃(サクリファイス)]防いだだと?。いったいどうやって?」

「ももちゃん声大きい、怒鳴ら無くったって聞こえるよ。

生け贄の一撃(サクリファイス)は、爆発直前の魔力を取り込んで、放出させただけだ。残念ながら、俺意外には無理な方法だぜ」

「ああ、そうか。魔力を取り込んだか。魔力を取り込むなんて、魔力が無いキミだから出来る方法だな。だが、魔力を取り込むのは、代償が必要だった筈だが?」

「代償なら払ったさ」

そう言いながら、袖を捲り左腕を見せる。左腕を見たももちゃんから、表情が消える。

「っ!?………その傷は、治るんだろうな?」

左腕は、内側から爆発したように肉が爆ぜ、所々骨が見えていた。

「ああ、心配しなくても治せる奴を知ってるよ」

「そうか、それなら安心だよ」

ももちゃんの顔に、安堵の表情が戻った。

「さて、キミが(ファントム)になってる理由は、解ったが大事な事が解らないな。

何故キミの仕事が見られたか、人払いくらいしてたんだろ?」

ももちゃんが、確認するように聞いてくる。

「してたさ、念入りに三重でな。それも、人が入ったり、人払いを無効かさせたら警報がなる仕組みでな、だけどー」

「警報は、鳴らなかった、か?」

答えを言う前に、ももちゃんが答える。

「ああ、しかも部屋のドアを開けられ姿を見るまで、琴音だということすら解らなかった」

「それはつまり、君の正体がばれたかも知れないと言う事か」

今までの会話でももちゃんには、解った様だったが、確認の為に声に出す。

 「相手が聖騎士じゃなく、わざわざ只の生徒である琴音を使って来たんだ、俺の正体がばれた可能性は捨てきれないが、問題なのはそこじゃない。

 もし問題になったとしても、力ずくで知った奴を黙らせれば良いだけだからな。

 問題なのは、琴音が見たって言う蝶だよ」

「ん?、なぜ蝶が問題何だ?」

ももちゃんが、首を傾げる。琴音の話を聞いた限り、琴音を亡霊(ファントム)の所まで案内したのは、その蝶だろう。

 そして、その蝶は誰かの魔法で作られた物であり。蝶を見たものを一時的に操り蝶に関する記憶を消す効果があり、人払い程度の結界なら無効か出来ると魔法だと、ももちゃんは睨んでいた。

 確かに能力は強力だが、解って仕舞えばいくらでも対処が出来る程度の魔法である。

 その程度の魔法を、魔法殺し(マジックキラー)と言う、もう一つの二つ名を持つ亡霊(ファントム)が、問題にするのが解らなかった。

 「ももちゃんが知ってる暗殺者の中に、蝶を象った魔法を使った事のある奴はいるか?」

 亡霊「ファントム」の唐突な問い掛けに、一瞬何を言ってるのか考えたが、すぐに答えを導き出し答える。

 「残念ながら私が知る限り、蝶を象った魔法を使った奴はいないな」

 魔法には適正があり、原則人一人が覚えられる属性は一つである。希に複数の魔法を覚えられる者もいるが、大抵は魔力が少なく。また、複数の魔法のコントロールが難しく、一番適正がある魔法を伸ばしていく事になる。

 そして、魔法を扱う者には、いや、魔力がある人間には、動物や幻獣等の守護精霊が必ず体に宿る。

 守護精霊は、魔法適正と同じ様に、適正があり。人一人が違う守護精霊を体に宿すが、魔法適正とは違い人一人が宿せる守護精霊は、一匹だけであり。さらに、同じ守護精霊が違う人物を守護する事は、出来ない。

 今回の魔法では、魔法で出来た蝶がいた。魔法使いが、生物をイメージして魔法を発動させる時、必ずその魔法は守護精霊の形になる。

 例えば、ウサギが守護精霊の人物が、違う生物[空を飛ぶ鳥]を想像しながら魔法を使っても、空を跳ねる様に飛ぶウサギになってしまう。

 理由は解っていないが、同じ守護精霊が違う人物を守護出来ない以上。一度でも、蝶を象った魔法を使った人物が犯人である。

 そこまでを、瞬時に導き出し。今まで知り得た暗殺者の情報と照らし合わせるが、ももちゃんが知る限り、蝶を象った魔法を使った人物はいなかった。

 「そっか、いないか」

 その声には、落胆の色が出ていた。

 「悪いな、だが、必ず見つけ見せるさ」

 落胆の色を感じたももちゃんが、そう言うが。亡霊ファントムから思いもよらない答えが帰ってくる。

 「俺は、一人知ってる」

 (一人知ってるだと、ならそいつが犯人だろ!)

 そう言いかけたももちゃんは、直後亡霊ファントムから出た殺気により動くどころか、息すら出来なくなる。

 「でも、可笑しいんだよな。だってその人物は死んでるだから」

 尚も強くなり、最早凶器となり人を殺せる程の密度の殺気を放ちながら、亡霊ファントムが呟く。

 「俺がこの手で殺したんだからな」

 そう呟いた瞬間、嘘の様に殺気が霧散する。直後、一時は鼓動を止めた心臓が動きだし、空気を取り込む事を忘れていた肺が膨らみ、酸素を取り込む。

 一瞬とはいえ、死の淵に立っていたももちゃんが、荒い息を整えながら言う。

 「キ、キミが殺したんなら、その人物は間違いなく死んでいるだろう。………まあ、あくまで私の推測だが、その人物の守護精霊が別の人物に宿った、と考えるのが、妥当だろう。

 守護精霊が守護していた人物が死んだ場合、別の人物に宿る事はあるからな」

 守護精霊が守護していた人物が死んだ場合、他の人物に宿る事はある。だが、普通は100年以上間が開く筈だが。あえて、ももちゃんはそれを隠した。

 「そうか、ならもし蝶を象った魔法を使う奴が解ったら教えてくれ。

 後この左腕は、報復迄には治しとくよ」

 そう言って出ていった亡霊ファントムの気配が十分離れるのを確認してから、ももちゃんは盛大にベットに倒れこむ。

 「ああー、胸が痛い、異が痛い、頭が痛い………危うく殺気だけで殺される所だったぞ」

 そこまで言うと、白衣のポケットから小さな水筒を取りだし、中の酒を勢いよく煽る。

 一通り飲んだ後、白衣を脱ぎ着替えを始める。

 「さて、さっきの話は聞いていただろ」

 着替えをしながら、虚空に話か続ける。

 「明日からで良いが、全力を持って蝶の魔法を使った奴を探せ。ああ、それと私はもう寝るから電気を消してくれ。電気を消した後は、お前もすぐに休め。

 あれだけの殺気を浴びたんだ、体や脳、心が思い出して、恐怖に怯える前に寝ておけ。

 一つ忘れてたが、見張りを一人呼んできてくれ。流石に裸で酒のんで保健室のベットで寝てる姿を見られる訳にはいかないからな」

 それだけ言うと、服を全部脱ぎ裸になった体に、掛け布団をかけ眠りに落ちていった。

 少したった後、保健室の電気が消え真っ暗になった。

 

 






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