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第十四話
皇帝が座る椅子が玉座である。
つまり俺が座る椅子こそが玉座である。
俺は後宮の寝台という玉座で、美人な娘さんの尻を撫でていた。
尻は良い。尻を撫でれないおとこはダメだ。尻を撫でさせないおんなもまたダメでもある。
俺としては真剣に撫でていたつもりだが、
はたから見たらアホ面に見えたのかも知れない。
隙があるおとこには、良くないものが寄って来るものだ。
黄皓が寄ってきた。
宦官だ。おかまである。ただし本物だ。
黄皓が言うには
諸葛亮や蒋琬、費禕に権力が集中し過ぎている。
彼らは裏切るかも知れない。俺の安定の為には三人を呼び戻すべきだと
いう事です。
うん、いいね。
もうね前提が間違ってるよ。
諸葛亮たちが裏切るならば最初から無理です。彼らは裏切らないのは俺の中では
前提条件。
なので、呼び戻すことはしません。
黄皓君は身体を犠牲にして尽くしてくれたけど、めんどくさいので、放逐します。
ごめんね黄皓君。
心の中で謝りつつ、皇帝として俺は、
美人な娘さんの尻と足を撫でるのだ。




