第十章 ある王女の幽閉
アゼル、ルティと別れたユフィとナーシェスは、王宮の衛兵に帰還を告げると、それぞれ一旦自分の部屋に戻って旅装を解いた。ユフィの元に王妃からの使いが来たのはその後すぐであった。
「失礼します。ユフィーリア様、王妃がお呼びです。謁見の間までご足労願います」
「こんなに早くですか? まだ身仕度も整えていないのですが」
ユフィが訝る。王妃への面会にはまだ時間がかかると考えていたのだ。
「王妃は一刻も早く報告に上がるようにと仰せです」
申し訳なさそうに、衛兵が言う。衛兵は、ユフィの目を見ることもできないようだ。ユフィは彼に何を言ってもどうにもならないと悟り、手早く準備して謁見の間に向かった。
謁見の間には既にナーシェスがいた。王妃はまだ現れていないが、かなりの数の衛兵が謁見の間に詰めており、物々しい雰囲気を醸し出している。
「労をねぎらって祝宴、というわけでは無さそうだな」
ナーシェスが忌々しげに呟く。
「そうね。でも、くれぐれも短気は起こさないで」
ユフィには、彼女らを取り巻く衛兵達の緊張を感じることができた。彼らは「非常時」に備えてここに配備されているのだろうが、今の状況を好ましく思っているわけでは決してないのだ。ユフィは腰に剣を佩いていたが、なるべくなら剣を取るような事態は避けたいと考えていた。知るか、と言わんばかりに、ナーシェスが鼻を鳴らした。
ユフィらをさんざん待たせて、王妃シュリは星見を伴い悠然と現れた。
「漸く戻ったか。まずは首尾を聞こうか。妾の命に背き《赤楯の騎士》を伴って城を出たからには、当然、魔竜退治には成功したのであろうな」
嘲るような笑みを浮かべてユフィに尋ねた。
「俺が自分の意思で出て行ったんだ。ユフィに責任はないさ」
苛立ちを隠さず、ナーシェスが憮然として吐き捨てる。
「お前に責任がないとは言っておらぬ。やれやれ、母と同じで男をたぶらかす術にだけは長けておるな」
「母は関係ないでしょう。故人を侮辱するなど、なんと無礼な!」
母を愚弄されて、さすがのユフィも激した。それでも何とか、たぶらかしているのは貴女でしょう、という一言は賢明に飲み込む。いくら相手が下衆だからといって、自分まで同じところまで落ちるのは、彼女の矜持が許さなかった。
「まあいい、それで、魔竜はどうなった?」
ユフィの抗議を軽く流して、シュリが返事を促す。その余裕の笑みは、或いは魔竜がまだ生きていることを知っているのではないか。ユフィはそう感じたが、それでも、正直に答えるしかない。ユフィは毅然とした態度を崩さずに淡々と説明した。
「一戦を交えましたが、魔竜は倒しませんでした。魔竜が人に害をなす存在ではなく、寧ろ、魔族を滅ぼすものとして人を益する存在だとわかりましたから」
魔族、という言葉に反応するように、シュリが眉をひそめたが、それも一瞬のことで、ユフィの報告をシュリは鼻で笑った。
「魔竜を倒せず逃げ帰って来たと素直に認めるならまだ可愛げがあると許す気にもなれるが、倒さなかったなどと虚勢を張った上、その理由に魔族等という妄言を持ち出すとは」
「何が妄言だ! ユフィは事実しか語っていない!」
ナーシェスがいい放つ。周りの兵たちを萎縮させるに足る威があったが、シュリはそれも嘲笑った。
「小娘に籠絡され道を踏み外した愚かな《騎士》が吠えたところで、何の証拠にもならぬわ」
「ナーシェスだけてはありません。その他にも魔竜討伐を手伝ってくれた元《魔剣の騎士》、アゼリオン殿も私が事実を語っていることを認めてくれるでしょう」
「《魔剣の騎士》アゼリオン……あ奴か」
ユフィはゾッとした。シュリとてアゼリオンの令名は無視できまいと期待したのに、シュリの顔に浮かんだのは気丈なユフィですら恐怖を感じるほどに邪悪な愉悦であったから。
「元《聖槍の騎士》ルーティリアも同意見だ」
ナーシェスが助け舟を出したが
「アゼリオンにせよルーティリアにせよ、とうの昔に王国の《騎士》を退いた者に証言させたところで信頼できるわけもなかろう。落ちぶれた《騎士》を集め、魔族を持ち出して魔竜を放置するなど、最早人心を惑わし、妾の治世に害をなす意図があるとしか思えぬな」
嘲るようにシュリが言い放つ。
「治世だと? 誰がお前の王位継承など認めるかよ。王の遺言を捏造して王位を奪おうと企む女狐が」
激昂したナーシェスがいい放った。ユフィは溜め息を吐いた。捏造だの簒奪だのと言ってしまえば、王妃と真っ向から対立するしかなくなってしまうからだ。無論、遺言が虚偽であろうとの思いはユフィにもある。しかし、何の証拠もないままにそれを主張しても、誰も信じはしないだろう。少なくとも、明確な証拠をこちらから示すまでは、兵たちは王妃に従うしかない。王妃の嘘を暴くのであれば内々に味方を増やして証拠を集める必要があったのだ。しかしナーシェスのお陰で、穏便にことを収めるのは困難だろう。この場で兵たちを敵に回して力づくで王妃を拘束するか……。
「尻尾を現したか、反逆者どもめ。近衛兵、王女とナーシェスを捕らえよ!」
ユフィが結論を出すよりも王妃の命令の方が早かった。ユフィは訝った。ここにいる近衛兵たちの大半は《騎士》ではない。ナーシェスとユフィを相手にするには役者が不足している。そして、それが分からないほど王妃は愚かではない。ユフィは発想を転換した。王妃がどんな企みを持っているかまではわからないが、このまま兵たちと戦うのでは王妃の思う壺ではないか。
「お待ちください、王妃」
ユフィが呼び掛けた。窮地にありながらわずかにも揺るがないその凛とした声音に、王妃の命令にざわついていた場が、水を打ったかのように静かになる。そのたかが十四の少女の威厳に、シュリは発言を妨げることができなかった。
「私には反逆の意図などありません。ただ、父王が亡くなり、娘である私以外の者を王に指名したとあれば、その時の状況を知りたいと思うのは人として当然でしょう。王妃とて、王を弑して王位を簒奪したなどと噂されるのはお嫌なはず。即位の儀を行う際に、その場で可能な限り王の遺言を公表していただけるのであれば、私はそれに従いましょう。魔族の件ついても、それが真実かどうかは調べればわかるはずです。私に反逆の意図がないことの証として、調べがつくまで私は大人しく幽閉されましょう」
ユフィにそこまで言われて、シュリは強制的に兵をけしかける機会を逸した。
「望みどおり王女を牢に入れておけ」
忌々しげにユフィを睨みながらも、シュリは兵たちにユフィの捕縛を命じることしかできなかった。
「ああ、そうそう、私に反逆の意図がないことを示すために、一つ忠告を差し上げましょう。先程も言ったとおり、私は父王の遺言を示されればそれに従いますし、それまでは牢で大人しくしていますが、私と《赤盾の騎士》の間には何の意思の連絡もありません。彼は王妃の即位に納得できないようで、いざとなったら実力行使で即位の邪魔をするかも知れません。せいぜい気を付けてくださいませ」
ユフィがいたずらっぽく笑う。ナーシェスはユフィの意図を理解した。二人とも捕まってしまってはアゼルたちに連絡をとることが難しくなる。ユフィはナーシェスに、ここから実力で突破して、アゼルたちに合流しろと言っているのだ。
「そういうことだ。お前が王になるなど、ユフィが認めても俺は認めん」
言いながら、ナーシェスは剣を抜き放った。とっさのことに反応できない兵士たちを素早く剣の柄で殴って気絶させつつ、謁見の間の入り口に向かって駆ける。その疾風のごとき動きに、シュリは何の動きもとれなかった。そして、シュリの側に控える星見も。
シュリは明らかに《騎士》ではないが、星見についてはユフィは何も知らない。ユフィとナーシェスを敵に回しての先程のシュリの余裕からすれば、星見は《騎士》かもしれないと思い、自分の守護妖精に小声で確認してみると、果たして、その予想は当たっていた。
それでもユフィは、あわよくば混乱に乗じて王妃の身柄を押さえることを狙って、星見の様子を伺っていたのだが、彼、或いは彼女、は、ナーシェスの逃亡に何の動きも見せず、王妃急襲を実行に移す隙も見つからなかった。
「おのれ……」
みすみすナーシェスの離脱を許してしまったことに歯噛みして、シュリがユフィを睨み付けた。
「だから気を付けてくださいと忠告しましたのに」
余裕の笑みを浮かべて、ユフィがシュリの憎悪の視線を受け流す。どれほどシュリがこの状況を苦々しく思っていも、この場では彼女にはどうすることもできないはずだ。王妃を立てて幽閉されることを申し出ているユフィにそれ以上の酷い仕打ちを行えば、とりあえず王妃に従っている兵たちにまで不信感が生じるのは明らかだった。
「何をしている!? さっさと王女を牢に入れないか!」
忌々しげにシュリが怒鳴り散らす。従っていいものか決断がつかないのだろう、近衛隊長がおろおろとユフィを見やる。
「構いませんよ。連れていって下さい。そのかわり、要人用の綺麗な個室でお願いしますね」
ユフィは隊長に優しく微笑んだ。
***
「状況はわかったが、ユフィが自分から牢に入ったのはお前が短気を起こしたせいじゃないか」
話を聞いたアゼルが半目でナーシェスを睨んだ。
「言わないでくれ。わかっているし、反省もしている」
ナーシェスが、ばつが悪そうにアゼルから顔を背けた。それでも、幽閉がユフィの計算どおりであるならば、一刻の猶予もない、というほどの緊急時ではないだろう。ナーシェスは落ち着かない様子たが、アゼルは少し安心した。
「問題はこれからの動きだな。流石にこんなところでは話ができないだろう。部屋に移ろう」
三人は部屋に移動した。今のところ、店主のゴードンも奥に籠っており、ここには自分たちしかいないが、謀叛に近い相談を、いつ誰がくるかわからない料理屋で続けることは当然できない。アゼルはそう思ったのだが……。
「相部屋かよ……お前らそういう関係だったのか?」
相部屋であったことを、アゼルは完全に失念していたのだ。
「ち、違う、これはアゼルが無理矢理!」
ルティが真っ赤になってアゼルの台詞を横取りした。アゼルは頭を抱えた。
「いや、流石にお前相手では無理矢理は不可能だろう……」
ナーシェスが冷静に指摘する。恋敵?の不実を喜ぶよりも先に、ルティが可愛らしく照れているという事態の異常さに気を取られたのだろう。
「それがわかっているなら十分だ。話を進めるぞ。幽閉がユフィの言い出したことであったとしても、当初の計画からは既にずれているんだ。それほど時間はない」
アゼルの言葉にナーシェスとルティが表情を改めた。
「どうするんだ?」
ナーシェスがアゼルの意見を求める。今の自分が冷静さを欠いていることを自覚しているのだろう。
「当面の選択肢は二つだ。ユフィを牢から救い出すか、否か」
「何言ってるんだ!? 救い出すに決まっているだろ!」
ナーシェスが叫ぶ。
「救い出して、反逆者の汚名をかぶって、真正面から王妃の軍と戦うのか? 確かに、それも選択肢の一つではあるが」
アゼルの指摘に、ナーシェスが言葉を詰まらせた。それをしたくないからこそ、ユフィは自ら幽閉を申し出たのだろう。
「救い出さない場合、どうするの?」
「王妃の即位の儀までに遺言の偽造あるいは国王弑虐の証拠を見つけて、儀式の場で叩きつける」
「その間のユフィの安全は保証できるのか?」
「できるわけないだろう。個人的に信頼できる兵に護衛を任すなり、別途考える必要がある」
「武力によらない対決か。そもそもそんな都合のいい証拠、見付かるの?」
アゼルは首を横に振った。
「それが最大の問題だな。仮に王妃が国王を弑していたとしても、その証拠を残すほど間抜けとは思えないからな。ただ、この計画ならユフィが生きている限りいつでも武力対決に移行できる。しかし一旦武力に訴えれば、こちらの計画には戻れない。今後の治世や隣国の反応にも関わるから、ユフィが王権を簒奪したという評価だけは避けたいところだが、大っぴらな武力抗争の挙句王妃を殺したのでは、後で証拠がどうの言ったところで信憑性はなくなってしまうからな。だからこそ、ユフィは武力対決に入る前に幽閉されることを選んだんじゃないかな」
アゼルの言葉にはそれなりに説得力がある。ルティとナーシェスは頷いた。
「つまり、救い出さないということで答えは出ているのね」
「いや、それほど単純じゃない。こちらはユフィを人質に取られているも同然だからな。俺が王妃なら、即位の儀までにどうにか理由をつけてユフィを殺すだろう。王妃にとって、ユフィの存在は毒になりこそすれ、薬にはならない。もし、ユフィを殺そうとする動きが見えたら証拠などと言っている余裕はない」
「先手を採って、こちらが王妃を殺すのはどうだ?」
ナーシェスが冷たく言い放つ。
「王妃の暗殺、それがユフィを救い出す場合の、最も簡潔な策だな。王妃を速やかに殺して、ユフィを即位させる。自然死に見せかけるのが理想だが、最悪暗殺の事実が明らかになっても、ユフィの名を傷つけない方法はいくつかあるだろう」
「この場合の問題は?」
「暗殺の難易度と、後はユフィの心情だな」
王妃を殺して王位を継ぐことについて、ユフィがどう考えているのかアゼルにはわからない。だが少なくともアゼルは、ユフィが王位のためなら人殺しをも厭わないような人間であって欲しくはなかった。そうだな、とナーシェスが頷く。同様の思いが、彼にもあるのだろう。
「じゃあ、結局どうするのよ?」
ルティがアゼルを見る。ナーシェスもアゼルを見た。
「俺が決めるのか?」
二人が頷く。
「なら、ユフィの安全を確保しつつ、出来る限り即位の儀を潰すための証拠を集める方向で動こう。最後には武力に訴えるしかないのかも知れないが、無駄な血を流さぬ努力だけでも、する意味はあるだろう。王宮に、ユフィを任せることができるくらい信頼できて、腕も立つ兵はいないか?」
アゼルの問いに、ルティが肩をすくめて首を振る。
「一般の兵卒となると厳しいな。基本的に彼らの忠誠は王に、ひいてはその身柄を押さえていた王妃に向けられているからな。王妃に反発している兵士もいるにはいるだろうが、それを無条件に信頼できるかは疑わしいぞ」
「今の状況でユフィの味方をするのは危険、ということか」
アゼルの頭に先刻のサーキュラ婦人の言葉がよぎった。
「でも、王妃と王女、どちらが正しいかわからない今なら、兵たちも表だって王女への敵対行為は取らないんじゃないの?」
ルティの言葉に、アゼルは考え込んだ。
「兵たちの黙認を期待できるなら、ナーシェスかルティのどちらかが、警護の兵に紛れることはできないか?」
「流石に、王妃に宣戦布告してしまった俺は難しいが、ルティならどうだ?」
「いけるかも知れないわね。親しかった兵士もそれなりにいるし」
「なら、ユフィはルティに任そう。後は情報収集だが……《近衛騎士》に人はどれだけ残っているんだ?」
「俺がいなくなった今、ユフィ以外には《聖鎧の騎士》タロスと《羽兜の騎士》ナリスターシャだけだな」
さてどちらが最強か、と心の中で問うて、ナーシェスが皮肉に笑う。
「タロスのおっさんは今も南の護りか?」
アゼルが思わず昔の呼び方をした。ルティが笑った。
「アゼルがいた頃からおっさんだったのね」
「ああ、リュードと一二を争うほど、おっさんだったな」
父の名前を出され、ルティが更に大きく笑う。
「今はお前も人のことを言えないだろう。お察しのとおり、タロス殿は相変わらず、クルガ砦の警護だ」
ちくりと嫌味を付け加えてナーシェスが答える。
王都南方の国境に臨するクルガ砦は、隣国ライナートとの小競り合いが絶えぬ場所であり、国防上重要な拠点である。アゼルが近衛騎士であったころから、砦の護りは主にタロスの仕事であった。そのため、彼は数月に一度程度しか王都に戻らない。
「なら、タロスのおっさんは詳しい話を知らないな。ナリスターシャというのは?」
アゼルが聞いたことのない騎士である。
「十六の少女《騎士》だ。こちらは王都にいる。剣の腕は並だが、知略には優れているらしい。昨年《近衛騎士》に敘されたばかりで、知略を発揮しているのはみたことないがな」
「そちらは何かを知っていてもおかしくないな。王妃の息はかかっているのか?」
「いや、タロス殿の推挙だったはずだ」
「じゃあ、そいつを当たってみよう。ナーシェスは彼女と親しいのか?」
「どちらかというと、苦手な相手だな。頭はいいのかも知れんが、性格がキツすぎる」
ナーシェスが肩をすくめた。
「それなら、彼女には俺が当たろう。住まいは?」
「王宮の離れの宿舎だろう。女兵士なら普通は二階の部屋をあてがわれるはずだが、部屋がどこかまでは知らん」
「あたしも知らないけど、あたしと入れ替わりに近衛騎士になったなら、昔のあたしの部屋かも知れないわね。そうなら、兵舎二階の南の角部屋よ」
十分だと、アゼルは頷いた。仮にルティの予想がはずれても、相手が《騎士》なら、宿舎まで行けば後はリルルが突き止めるだろう。
「俺はどうすればいい?」
まだ役割のないナーシェスが言う。
「他に心当たりがあれば当たってくれればいいが、基本は何かあったときのために待機だな」
「笛が聞こえる位置にいてくれればいいわよね」
ルティが確認する。
「笛か……まいったな、今は持っていないぞ」
笛、すなわち妖精笛は妖精にだけ聞こえる特殊な音域の音を出す笛で、相当遠くまで音を響かせることができる。笛ごとに微妙に音がことなるため、聞いたことのある音であれば、妖精には、誰がどの辺りで吹いているかがわかるのだ。《騎士》同士の連絡手段としては一般的なもので、アゼルも《近衛騎士》時代に入手して持っている筈だが、どこかに仕舞い込んだままであった。
「役に立たんな」
呆れた顔でナーシェスが言う。
「まあ、何かあるとすればあたしの方だと思うし、アゼルが持っていなくてもきっと問題はないわ」
珍しく、ルティがアゼルを援護する。居心地の悪いものを感じて、アゼルは頭を掻いた。
三人は、一旦食事をとって休み、日暮れ頃に行動を開始することにした。アゼルにとって幸か不幸か、部屋は一室追加することになり、アゼルはナーシェスと同室になった。二人の間で、会話はほとんど交わされなかった。




