エンディング
あすか:「愛、畏怖、宇宙的宗教感情、そして、慈悲…。呼び名は違えど、天才たちの最後の声は、奇しくも、同じ方角を指し示していました。それは、強大な科学の力を使う、我々自身の『心』の在り方こそが、未来を創るのだ、と」
(あすかは、四人に深く一礼する)
あすか:「科学と宗教は、対立するものでも、どちらかが優れているものでもないのかもしれません。世界の真理を『外』に求める科学と、我々の『内』なる宇宙に求める宗教。その両輪があって初めて、人類は、道を踏み外すことなく、未来へと正しく歩みを進めることができる…今宵の声は、そう語りかけているように、わたくしには思えます。皆様、時空を超えた対話、誠にありがとうございました」
(あすかがクロノスを操作すると、スターゲートが再び青白い光を放ち始める)
あすか:「それでは、皆様を、元の時間へとお送りいたします。空海様より、どうぞ」
空海:(静かに立ち上がり、三人とあすかに向かって深く合掌する)「面白き縁でございました。また、いずれかの世で」
(空海は光の中へと消えていく)
あすか:「アインシュタイン様」
アインシュタイン:「いやあ、実に楽しかった!皆さん、また会いましょう!時間の進み方が違う世界でね!」
(アインシュタインはウィンクを残し、光の中へ)
あすか:「ニュートン様」
ニュートン:「…ふん。少しは、骨のある議論であった」
(ニュートンは最後まで厳格な表情を崩さず、光の中へと消える)
あすか:「そして、レオナルド・ダ・ヴィンチ様」
ダ・ヴィンチ:「実に素晴らしい一夜でした!ああ、未来は、なんと探求しがいのあることで満ちていることか!」
(ダ・ヴィンチは名残惜しそうに、しかし満足げな笑みを浮かべて光に包まれた)
(四人が去り、一人になったスタジオで、あすかは視聴者に向き直る)
あすか:「神はサイコロを振るのか、振らないのか。その答えは、ついに見つかりませんでした。しかし、私たちは、それよりももっと大切で、そしてもっと切実な問いを、心に抱いてここを去ることになります」
(あすかは、クロノスをそっと胸に抱く)
あすか:「『私たちは、明日、どんなサイコロを振るべきなのか』と。その一振り一振りが、未来を創っていくのですから」
(あすかは、深く、優雅に一礼する)
あすか:「歴史バトルロワイヤル、また、新たな物語の声が聞こえる時まで。ごきげんよう」
(あすかの姿がゆっくりとフェードアウトし、スタジオは静かな星空に包まれる。壮大なエンディングテーマ曲が流れ始める)