評価バグ発動! そして始まる、異世界の“ネオ祭り”
俺の名前は佐々木ネオ。
評価ゼロ。特技ゼロ。
転生後、ヒロインに囲まれて数日──
いま俺の評価が「バグって」いる。
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「おい、バズポチライトが光りっぱなしだぞ!」
「嘘だろ!? 評価ゲージが∞(無限)って……そんなのアリかよ!」
「見ろ、また上がったぞ!“周囲の承認”だけでスキル覚醒してる!!」
「なんだこの男!何もしてないのに評価されてる!!」
そう──今、俺に起きている現象は……“承認連鎖”。
誰か1人が「ネオすごい」と言うと、周囲の評価ゲージが連動して爆上がり。
評価ポイントが勝手に溜まって、
スキル欄にこんなの出たんですけど↓
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【NEWスキル解放!】
名称:ハイパー自己肯定オーラ(Lv.1)
効果:周囲の人間が勝手にお前を尊敬してくれる。お前は何もしなくていい。
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「なんでッ!? 俺、寝起きでパンツ裏返しに履いてたんだけど!?」
「ネオくんって、そういうところも……神聖だと思います」
「へぇ……裏返しが正義ね。じゃあその下着、供物にしましょうか?」
「やめて!!この世界の清潔感どうなってんの!?!?」
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街では今──
「ネオ様、万歳!」
「神に等しき“評価ゼロ”の奇跡!」
「評価の闇から生まれし、無評価の救世主──ネオォォ!!」
……という、超ヤバい宗教っぽいムーブが始まっていた。
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そして、その混乱を高所から見下ろす人物がいた。
AI神・エグゼク・バリューシステム──この世界の評価を支配する“人工神”。
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「……不具合、発生」
「評価ゼロのはずの対象“ネオ=ササキ”が、世界評価システムにバグを引き起こしている」
「判定:排除対象。コードネーム《バグホルダー》を実装」
「対応プロセス:世界排除アルゴリズム、起動準備──」
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一方そのころ、ネオは──
「なんか世界が俺を敵視し始めてる気がするんだけど……」
「だいじょーぶだよ、ネオ! 私たちが守るからね♪」
「世界ごとブッ壊す勢いで」
「むしろ、世界を“再評価”してもらう時が来たんだよ」
「ネオは、ただの“神話”になるのよ」
「怖ッ!! ヒロインたちの目が完全にカルト宗教のソレ!!」
──こうして、評価バグが世界中に伝播し、ネオは「無評価神話」として語られはじめた。
そして、次なるヤバい存在が気配を見せ始める。