表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/34

元悪の女幹部ルジェ、ドS全開で襲来

その日──俺は城下町の市場で、完全に誘拐されていた。


「ひっ、ひぃぃぃぃぃ!!! この展開知ってる!! 深夜の実写サスペンスで見たことある!!!」


「おとなしくして。声が耳障りだわ、坊や」


 声がえっろ。

 ていうか、手首が革のムチで縛られてんですけど!?

 誰が趣味でこんな展開望んだ!?



 ――そのとき、俺の脳裏に刻まれた“その女”の情報がこちら:


 名前:ルジェ・アークハート

 属性:冷酷ドS×元・悪の女幹部×倒錯的忠誠

 見た目:漆黒ロングの美女、赤と黒の軍服、口紅の色が罠レベル

 口癖:「あら、震えてる? ご褒美よ」

 前職:暗影帝国・処刑部隊隊長(元)


 ……そう、彼女は──


 かつて世界を滅ぼしかけたヤバ組織のナンバー2である。



「ネオ=ササキ。評価ゼロ、スキル無し、人生無意味。そんなあなたに──興味が湧いたの」


「ごめん、なんでそんな低スペに興味持たれるの!? しかも“滅ぼす側”の人間に!!」


「だって──私、そういう“不完全なもの”を……壊したくなるタイプなの」


「やめて!! 壊される前にメンタル崩壊しちゃうから!!」



「いいわ。まずは、ちょっとした“実験”をしましょう。あなたの反応速度、見せてもらえる?」


 そう言ってルジェは鞭をしならせてきた。笑顔で。

 え? え? なにこのシチュ!? R指定入るの??


「いっけね! これ完全になろう読者が黙ってない展開だ!!」


 ※良い子のみんな!評価ゼロだからって鞭を振るうのはダメだぞ☆



 そこへ──


「ちょっと、そこの拷問女。私のネオくんで遊ばないでくれる?」


 バチンと音を立てて、空間に結界の十字が浮かぶ。

 キタッ! メインヒロイン枠・白鐘メルティア!!



「ふふ、相変わらず正義のふりがお上手ね、自己肯定ちゃん」


「あなたみたいな倒錯女にネオくんの自己肯定感を触らせるわけにはいきません。値落ちするので」


「面白い。じゃあ、あなたが“どこまで彼を肯定できるか”見せてもらおうかしら」


 2人の女、火花バチバチ。


 ちなみに俺はというと──


「ねえ。誰か俺の意思、尊重してくれない?」


 完全にモノ扱いである。



 結局そのあと、メルティアvsルジェで昼ドラ並みの口撃が炸裂し、


 ネオは評価ゼロなのに、二人のトップヒロインに引っ張られたまま城へ帰還する羽目になった。



【ヒロイン状況報告(第6話時点)】

・自己肯定監査官(ヒロイン度:80%/拘束回数:3)

・ヤバ清楚聖女(ヒロイン度:70%/信者数:不明)

・ドS元幹部(ヒロイン度:95%/狂気度:MAX)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ