増援襲来!評価社会のルールをぶち破れ
「またかよ……国家監査官の増援部隊が、すぐそこまで来てるってさ。」
ネオがため息混じりに言うと、メルティアが鋭い眼差しで窓の外を見つめた。
「評価が異常に暴走してるから、排除指令が強化されたのね。これ、まさにシステムバグが広がってる証拠よ。」
リュシアが剣を抜きながら、
「よし、俺たちが壁になる。ネオは俺たちの背後に隠れてろ。」
「ちょっと待て、俺が何もしなきゃいいってわけじゃないだろ?」
その時、ミミがすかさず装置を操作しながら言った。
「ネオの評価システムが勝手にスキルを覚醒させてる。これを利用しない手はない。」
突然、ネオの身体から青白い光がほとばしった。
「な、なんだこれ!?勝手にスキルが出てきてる!」
「これが、君だけに起きる“評価バグ”の力だ。制御は難しいけど、うまく使えば強力な武器になる。」
外から増援部隊が押し寄せる。巨大な魔導兵器と鎧騎士が一斉に攻撃態勢に入る。
「来たぞ!行くぞ、みんな!」
リュシアが前線で叫び、剣を振りかざす。
「ネオ、後ろからサポートしてくれ!」
ネオは焦りつつも、光る手を前に突き出す。
「やれやれ、こうなったらバグを楽しむしかねぇ!」
評価バグによって、ネオの周囲に様々なスキル効果がランダムに発動し始めた。
「防御バリア展開!強力な魔力爆発!……えっと、火炎放射も出た!?」
敵の攻撃を避けながらも、暴走する能力で次々と敵を吹き飛ばすネオ。
メルティアが呆れ顔で言う。
「……何この無茶苦茶な戦い方。」
「でも、効果はバツグンだよね。」
ミミは冷静にデータを分析しつつ、
「このままバグが暴走すれば、評価システムそのものが崩壊しかねない。」
戦いの最中、ネオの評価ゲージが急上昇。しかし、画面に「ERROR」と表示されている。
「俺、完全にバグキャラ認定されてるじゃん!」
リュシアが大声で、
「気にすんな!俺たちがついてる!」
増援部隊を撃退した後、ネオは息を切らしながら、
「これが俺の力……って、何だかよくわからんが、もう一波乱ありそうだな。」
メルティアが微笑み、
「これで少しは世界もネオを認めざるを得なくなるわね。」
ネオは苦笑いしつつ、
「認められても、俺はニートだってのに……。」