評価システムの真実を追え!ミミの脳スキャン大作戦
「……ふむ。」
ミミ・クロックワークはいつもの無表情で、巨大な魔導機械の前に座っていた。
「評価システム“バズポチライト”は、確かに通常の認識とは異常な動作を示している。」
ネオはその横で、首をかしげる。
「ミミ、もっとわかりやすく頼むよ。科学用語が多すぎて頭が爆発しそうなんだが。」
ミミは無感情ながらも、少しだけ声のトーンを柔らかくする。
「わかった。簡単に言えば、この評価システムは“外部からの干渉”を受けている。通常の魔力やデータだけでは説明できない現象だ。」
リュシアが腕を組みながらつぶやいた。
「つまり、誰かがこのシステムにバグを仕込んだってことか?」
「可能性は高い。特にネオの評価がゼロでありながら、能力が暴走するのは異常だ。」
その時、メルティアが興味深そうに画面を覗き込む。
「なら、ネオをスキャンして原因を特定してよ。私たちの監査官的にも気になるし。」
ミミは即答した。
「了解。被検体、ネオ。脳波と魔力量の詳細スキャンを開始する。」
ネオは小声で、
「うわ、科学者の拷問タイム……?」
ミミの装置が彼の頭部を包み込み、詳細なスキャンが始まる。
「……!」
ミミの目が一瞬だけ輝く。
「異常な情報が……ネオの脳内に“評価システム外部”の信号が確認された。」
ネオは混乱する。
「外部って、つまり何?俺の頭の中に変な電波が入ってるの?」
「概ねそんなところ。しかも、その信号は“虚無”に似ている。」
メルティアの顔が真剣になる。
「虚無?まさか、あの“リアルちゃん”の影響?」
ミミはうなずく。
「可能性が高い。リアルちゃんは物語外の存在で、評価システムにも干渉できるらしい。つまり、ネオは虚無と繋がっている、システムが排除しようとするのも当然だ。」
リュシアが拳を握る。
「なら、俺たちが守らなきゃな。ネオはただの無職ニートじゃない、俺たちの仲間だ。」
ネオは少し照れくさそうに、
「ありがとう。でも俺、自分でよくわかんないんだよね、何が起きてるか。」
ミミが一言、
「大丈夫、科学が解明する。」
その瞬間、部屋の外から轟音が響く。
「警告!国家監査官増援部隊接近中!」
メルティアがすぐに動いた。
「また来たわね、ネオ。今度はもっとヤバそうよ。」
ネオは深呼吸し、覚悟を決める。
「よし……このバグ評価システム、ぶっ壊してやる!」