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日ノ本高校のミツナリ君  作者: GOAT
一学期後半・鳴鹿抗争編
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62話 お見舞い

 鳴鹿高校に報復するために同盟を組んでから一日、特に何事も無く放課後を迎えることができた。まあ、ね。たった一日で事態が急速に……なんて、僕は嫌だし、あり得ないもの。

 そして同盟を組んだはいいものの、何をどう対策すればいいのかが分からない僕は、部室で家康と一緒に勉強会だ。


「あ、そうそう家康。僕、信長のお見舞いがしたいんだけどさ、今日の帰りは家康について行ってもいい?」


 昨日、家康から話を聞いてから思ってたんだ。信長は心も体も、弱くはないけれど、友達だから気になってたんだ。それに信長は、賑やかな方が好きそうだし、静かな病院で退屈してそうだなぁ。


「……大丈夫……ノブ……そろそろ……暴れそう……だったから……」

「あっ、なるほど」


 思ってたよりも信長は気が短かったみたいだ。家康も心なしか遠い目をしているし、本当に暴れる直前なんだろうなぁ。

 うーん、それじゃあ、お見舞いの品は何がいいかな? 花なら僕は自分の能力で出せるからタダなんだけどなあ。


「家康、何がいいと思う?」

「……え。何が……?」

「信長に渡すお見舞いの品」


――


「……ってな訳で、僕が来たよ! コレ、ファンキーマートの星空プリン!」

「おー、プリン! ……じゃなくて三成! 無駄に雑な導入だし、なんか、やたらとテンション高っけェな!」


 失礼な……僕の顔を見ていきなりプリンって! あと、やたらとテンションが高いのは僕だけじゃないし! でも、転生して成長した僕は本当の事とはいえ、喧嘩の種になりそうな事は言わないからね!


「……オイ三成。オマエ今、なんか失礼な事考えてたろ? 顔に出てんぞ」

「うぐぅっ……」


 ば……バレてた……。で、でもさぁっ! 僕の名前を呼ぶより先にプリンって言った信長にも非があると僕は思うなぁ!


「……ここ……病院……静かに……」

「……はぁい」

「お、オウ……」


 ついうっかり騒ぎすぎて信長共々、家康に怒られちゃったよ……。


「ま、三成が来てくれて助かったぜ! ココって、結構端の方だからさ。人が居なくって、退屈すぎて死にそうだったんだ」

「まだ入院二、三日くらいなのに……そんなに退屈なの?」

「家康の能力のおかげで入院期間が縮んだとはいえ、オレは静かな場所は嫌いだからな」


 ふぅん、そういうものなのか……それじゃあ、短期間でもかなり堪えてたのかもね。

 あ、そうだった。そういえば、昨日は流されちゃってたけど、家康の能力ってどういう事なんだろう? 家康の能力って「漏らさない」能力だったはずだけど……何で、それで入院期間が縮むんだろう?


「そういえばさ。家康の能力って『漏らさない』だったよね? 何で入院期間が縮んだの? ……ハッ! まさか……信長がやられたのって泌尿器系……!?」

「……違うから……!!」

「三成。オイ三成。違ェからな。オレの泌尿器は無事だからな。ってか、家康オマエ、三成に詳しく言ってなかったのかよ」


 思った事を言っただけなのに、ものすごい勢いで否定されてしまった……。家康も信長も、必死の形相だけど、僕の想像とは違う効果の能力だったのかな。


「……ハァ。オレが詳しく教えてやるよ。家康の能力は、確かに『漏らさない』だ。けどな、『漏らさない』範囲が広いんだよ」


 漏らさない範囲が広い……? どういう事なんだ?


「家康の『漏らさない』は便だけじゃねェ。血の一滴も『漏らさない』し、情報も『漏らさない』。だからオレの怪我も打ち身レベルに抑えて、半ば検査入院みたいな感じになったんだよ」

「……そういう事……」


 へぇ、そうだったのか。家康の能力って僕が思ってた以上に凄い能力だったんだね。僕も、もっと能力を使いこなす練習をしなくちゃ!


「よし! 難しい話は終わりにして、プリン食おうぜ!」

「うん、そうしようか」

「……おなか……空いた……」

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